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■古田瑩子展(2月4日まで)

2007年02月02日 21時53分31秒 | 展覧会の紹介-絵画、版画、イラスト
 初日に見たのに、アップがおくれてしまいました。

 さて、 古田瑩子さんが、繁野三郎の流れを継ぐ穏当な写実でも、道彩展ふうのフォーブ調でもない、独特の水彩画の流れを道内でかたちづくってきたうちのひとりであることは、たしかだだと思います。
 下地にジェッソなどを用い、アクリル絵の具を併用して画面に厚みを出し、精緻かつ丹念な筆使いで、幻想性ゆたかな世界を作り出しています。

 今回の個展は、そういった、これまでの作品の系譜に属するもの、つまり、茶色の森のなか、一輪車に乗った精霊たちが中空のおなじ高さにうかんでいる光景を描いた絵も3点あるのですが、階段下の空間に、いわゆるボタニカルアート(植物画)の小品が20点ほど展示してあるのが目を引きます。これらのボタニカルアートは、公募展や古典個展などではほとんど発表していない作品です。
 絵の前には、ベニヤ板でこしらえた直方体の箱が2つ置いてあり、そこにもボタニカルアートの作品が何点か直接貼ってあります。さらに、左側の箱の上には、人形の首ものっています。
 これらの作品を見て気が付いたのは、花を描いた絵が「ヒルガオ」の1点しかないこと。あとはすべて果物や野菜がモティーフで、これはボタニカルアートとしてはめずらしいことのように感じます。
 また、果実や野菜のなかに、人形をドローイングした紙をコラージュした作品もめだちます(どうして、おなじ紙にかいているものと、別の紙に描いて貼ったものとがあるのだろう?)。これも、異色といえるでしょう。

 窓際には、イーゼルが置かれ、「黄葉降る森」と題された大きな作品がすえつけられています。
 バックの茶色の森は、先述の「一輪車に乗った精霊たち」の連作とさほど変わりませんが、中央のモティーフは人形1体だけ。それも、空中から放り投げられたような格好をしています。
 たのしそうに一輪車に乗っていた精霊の身に何が…と思わせる、不安げなたたずまいを感じました 
 
 石狩在住の新道展会員、水彩連盟会員(北海道札幌支部長)。

 作者に無断なのですが、ビルの外から「黄葉降る森」を撮った画像を、載せておきます。あんまり鮮明でなくて、ごめんなさい。

1月15日(月)-2月4日(日)9:00-18:00(土・日曜-16:00)、会期中無休
STVエントランスアート(中央区北2西2、STV北2条ビル 地図A)

第1回水彩連盟北海道札幌支部展
■2001年の個展

(2月5日誤字修正、8日名前のルビ削除)


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (toledo)
2007-02-08 06:51:06
おはようございます。
お名前は、「えいこ」さんです。
一応、関係者ですので。。汗
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失礼いたしました (ねむいヤナイ@北海道美術ネット)
2007-02-08 10:51:08
toledoさん、いつもどうもです。
名前の読みははずしておきました。
お恥ずかしい。いつのまにか記憶が混乱していたんです。

じつは、7日夜、某サイトのコメント欄で人名の誤りを指摘したばかり。
いやー、人生ってそんなもんですね。
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