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北海道陶芸会展2006「環」(10月29日まで)

2006年10月28日 07時53分12秒 | 展覧会の紹介-工芸、クラフト
 くどいようですが、おさらい。北海道陶芸会は、プロの陶芸家の団体です。公募展ではありません。
 むろん、道内にはたくさん陶芸家がいますから、すべての陶芸家を網羅しているわけではありません。
 また、「北海道陶芸協会」「北海道陶芸作家協会」とは別の団体です。

 ことしは、東京の京王プラザホテルでも展覧会をひらいたり、スウェーデン・リンショーピン市でおこなわれた「北海道スタイル」の展示に参加したりと、幅広く活動していたようです。

 今回の展覧会は毎年テーマを決めてひらいているものです。
 実用の食器などではなく、大作の壺やオブジェがならんでいます。

 それでは、気になった作品。

 鈴木勝「大鉢」
 題とはうらはらに、知恵の輪みたいに、たくさんの輪が絡まりあったオブジェ。やわらかい土だからできる芸当なんでしょうけど、一瞬、どうやってつくったの? とびっくりします。

 前野右子「花生け」
 直線と円とを組み合わせた、シャープな造形。

 吉田明「流紋器」
 ことしの「ビアマグランカイ」でグランプリを受賞したジョッキによく似た、ドレープのような造形と色合い。波のような模様が、この作家らしいです。

 中村照子「輪舞曲 rondo」
 ちょっと安田侃の抽象彫刻を思わせる、真っ白な塊。重量感ある大作オブジェ。

 南正剛「EMERGENCY 15℃化」
 表面に、貫入ともことなる、ひび割れのような模様がびっしりと付いています。うーむ、ふしぎなオブジェ。

 柿崎楽有「環と自然」
 手びねりのうつわ6点組み。題のとおり、「自然」を感じる形状です。直人さんから改名したのでしょうか。

 中村裕「空⇔海」
 13本のふぞろいの柱が、上下ふたつの板をつないでいるオブジェ。コリント柱みたいにも見えるけど、どの柱も少しずつ曲がってます。下の板には水が載り、まさに海と空のよう。

 Kate Pomfret
 インスタレーションふうの大作。「peace」「Dream time」などのことばが書かれた陶板や、へび、ろうそく、犬、三日月などのかたちをした小さなオブジェなどを、おびただしく吊るしています。ポップでかわいらしいです。

 田嶋裕子「森の雫」
 突風を造形化したような、あるいは、深い森をおもわせる、ダイナミックなオブジェ3点組みです。

 ほかに…
高井秀樹「whorl」
愛澤光司「KATATSUMURI」
我妻一直「自然釉花器」
桐生明子「流」
小木美則「自然釉 壺」
山梨保子「瞬間」
福盛田眞智子「巨人の落とした金具」
高橋義信「波紋」
島田正敏「ボーンチャイナ 朱塗花器」
高際美映子「環・捩れ」
徳橋浩「環、或いは引っ張り蛸」
香西信行「2006心の世界(I)怒りと闇」「2006心の世界(II)祈りと希望」
上田文子「枝絵サクラ大壺」

 ところで、陶芸会には関係ないのですが、この会場には、山谷圭司さんの巨大な造形作品があったりして、おもしろいです。  

10月24日(火)-29日(日)10:00-18:00(最終日-17:00)
かでる2・7ホール(中央区北2西7 地図A

□北海道陶芸会のサイト

■2003年の展覧会


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