北海道美術ネット別館

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■饗韻と、「在る」。 (4月6日で終了)

2008年04月09日 23時24分24秒 | 展覧会の紹介-複数ジャンル
 空気のうつろいや大気の感じを版画に定着させる石狩の石川亨信さんと、力強い陶のオブジェを制作する札幌の下沢敏也さんの2人展。
 以前から石川さんが下沢さんにラブコールをしてとコラボレーションしたがっていて、このたびようやく実現しました。
 なお、表向きには6日で終了しましたが、今週末までは、搬出しないので、係の人に申し出れば、作品を見ることができるそうです。

 それにしても石川さんは、ニューヨーク個展から地下鉄琴似駅の壁まで、この半年余り「疾走」「爆走」とでも形容したくなるほど精力的に活動しています。

 冒頭の画像は、入り口から見た会場風景。

 ウチのせがれが
「ストーンヘンジみたいだ」
と言っていました。

 下沢さんは、きっちりとシンメトリカルに配置することがわりあい多いようです。

 石川さんはシンメトリーをやや崩す方向で作品を並べようとします。

 その「せめぎ合い」もおもしろいです。

 


 石川さんの作品は、目をこらしてみるとじつにいろんな色の濃淡などがあって、飽きないのですが、遠目には壁紙のように見えなくもないので、びっしりとすき間なく並べるのは、不向きなのではないかと思います。

 お許しを得て下沢さんの陶をかるくたたいてみたら、金属のような軽い音がしました。
 見た目は土くれの塊といった重量感がありますが。




 石川さんによると、今回のために新たに制作した作品はないとのこと。
「でも、こうして並べてみると、『またか』という印象は受けないでしょ。それだけ下沢さんの作品に力があるのだと思う」
 コラボレーションの醍醐味ですね。
 石川さんの版画は決して軽みを感じさせるものではないのですが、そびえたつ下沢さんのオブジェと組み合わさることによって、どっしりとした物質感を獲得しえているように感じました。




 かつて農協の倉庫として使われていたらしい重みのある会場に、作品がマッチしていますね。


           

 以前「カピバラカフェ」だった、会場手前のカフェコーナーにも、おふたりの小品が展示されています。


           

 カフェの床にしつらえてある、透明な樹脂の下のくぼみにも、下沢さんの作品がありました。
 メーン会場のものと、かなり見た目は違います。織部釉を使っているのでしょうか。


08年3月31日(月)-4月6日(日)13:00-18:00
Art Warm(石狩市花畔1の1)
(花畔は「ばんなぐろ」と読みます)




□トシノブログ http://diary.jp.aol.com/bp8v9yyvnkuf/

小林大・石川亨信銅版画展(06年、画像なし)
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下澤敏也・多田昌代2人展(03年、画像なし)
下澤敏也・多田昌代2人展(02年、画像なし)


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ありがとうございます。 (石川亨信)
2008-04-10 09:33:56
ご家族でお楽しみいただき、ありがとうございました。

ヤナイさんのあとに来たキュレーターさんに
『またか』と叱られました。

作品を常々「自由に感じてもらいたい」と言っているわけですが、
単体として捉えるか、空間として感じるか、というところを塩梅よく泳ぎたい側からすると
あっさり『またか』と断じられるのは残念ではあります。
そこも『観かたの委ね』の範疇なのかぁ、 。
難しいですね。
がんばろっと。

ちなみに現在、作品はメインホール(奥)のみ残っていまして、手前のギャラリースペース(カフェ的機能は主ではありません、実は)としてリニューアルした『レンガホール』には、植物画の安藤牧子さんの個展を開催中です。
併せて、是非。

いっこだけ訂正すると、「以前から」のラブコールは
あくまで脳内。憧れでしたから。
お声掛けは今回ようやくの「清水の舞台」でした。
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叱られるうちがハナ (ねむいヤナイ@北海道美術ネット)
2008-04-11 15:16:13
 くだんの部分は直しておきました。

 それにしても、この半年は怒濤の発表でしたね。
 すこしおちついて制作に取り組めるようになるのではないでしょうか。

 それにしてはいい空間だなあ。
 丸山先生が生前プロデュースしたアフリカマスクの展覧会を思い出しました。
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