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■齋藤周 3月の次から (3月25日まで)

2007年03月24日 06時44分32秒 | 展覧会の紹介-現代美術
 先日、札幌時計台ギャラリーでひらかれた、武田浩志さんとの2人展「PISTOL 2」に展示されたインスタレーションを、いったんバラバラにして、再構成した展覧会。
 17日に、ライブペインティングをするというので、見に行きました。

 ライブペインティングと言うと藤谷康晴さんみたいに食事もわすれて没頭するというイメージがあったので、栄養ドリンクを差し入れたら、齋藤さんは、おとずれたお客さんとおしゃべりしながら、かなりまったりと蛍光ペンで線をかきいれていました。

          

 会場は、正面のガラス扉から、西日がさしこみます。光の「オン・オフ」が印象的です。
 日光が入るとあかりを消し、雲に太陽がかくれるとあかりをともし…ということをくりかえしながら、齋藤さんは、慎重に紙を壁に貼り、ちいさなかたちを描き加えていました。

          

 正面にあったパネルの、左下の部分を拡大してみました。

 この女性は、東京・上野の桜をケータイで撮影しているところだそうです。
 彼女は、ほかのパネルにも登場します。

 その右手には、いったん人物を描きいれて、消したあとがあります。そこに、V字形のようなかたちを描きました。
 このV字は、あちこちいたるところに増殖して、このインスタレーション全体をリズミカルなものにしています。

 この反復というのは、齋藤さんの作品でけっこう重要な要素ではないかと思います。おなじかたちが、パネルの中と外でくりかえされることで、タブローの独立性みたいなものが薄れ、壁と作品との一体化が進行します。
 ただ、タブローの外に飛び出していくだけじゃなくて、おなじかたちが展開している、というのがポイントなのです。

 その意味では、齋藤さんの作品は、パネルが貼られた壁やそれをとりまく環境全体と溶け合っているのです。
 齋藤さんの展示が、いわゆるギャラリーよりも、カフェとか、このテンポラリースペースのように民家を改造した会場のほうが、どうもしっくりくるのは、そのせいかもしれません。


 ところで、これはやや思いつき発言かもしれませんが…。

 テンポラリースペースの入り口附近に、いま水戸芸術館でひらかれている現代絵画展「夏への扉 マイクロポップの時代」のポスターが貼られてありました。

 唐突かもしれませんが、齋藤さんの世界って、この展覧会の作家たち、たとえば落合多武なんかと、共通するものがありませんか。

 あるいは、白を基調としたハイキーの色彩のひろがりは、「クウネル」「カメラ日和」といった雑誌のデザインとか川内倫子の写真なんかと通底しているような気がしてなりません。
 つまり、すごく「今」っぽいのです。

 このへんは、もうすこし余裕ができたらくわしく論じるかもしれません(いまんとこ、頭だしだけ)。



3月13日(火)-25日(日)11:00-19:00(月曜休み)
テンポラリースペース(北区北16西5-1-8)

□齋藤周さんのサイト

PISTOL 2

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06年2月の個展
絵画の場合2005アーティストトーク
札幌の美術2004(画像なし)
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