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北海道美術ネット別館

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日本山岳画協会の創立75周年画集をご恵送いただきました

2011年07月09日 22時07分40秒 | 情報・おしらせ
 いろんな団体があるな~。
 「日本山岳画協会」というのは初耳であるが、室蘭のベテラン画家北浦晃さんが誘われて入会し、7月3~9日に東京交通会館で75周年記念展を開いていた。その画集をいただいたのだ。
 ありがとうございます。

 現在の会員は20人。意外と小所帯だ。
 北浦さん以外で名前を存じているのは熊谷かやさんぐらいである(熊谷さんは熊谷守一の娘さんで、太い線描で山の風景などを描く。道内にもたびたび訪れ、temporary spaceで個展を開いたこともある)。
 あとは、示現会、大調和会といった歴史の古い具象画系の団体公募展に属している人が半分、無所属が半分くらい。
 画集をめくっていると、穏やかな写実で、至近距離から山を描いている人が多い。
 ぐっと離れた位置から山をとらえているのは、案外北浦さんくらいかもしれない。北浦さんのまなざしは、ほかの人と異なり、「山登り」の意味合いがほとんど含まれていないように思われる。

 巻末の略史を見ると、創立は1936年で、東京・日本橋の高島屋で展覧会を開催。
 創立会員は12人で、足立源一郎、石井鶴三、丸山晩霞、吉田博の名も見える。
 このうち吉田は、いまとなっては知る人も少ないかもしれないが、先年出版された「山と水の画家 吉田博」を読んで認識を新たにした。19世紀末に渡米し、ボストンなどで展覧会を開いて大成功をおさめているのだ。
 その後帰国し、1950年に歿するまで、風景画家、版画家として活動する。
 ただ、日本の近代洋画史は、明治期の新派と旧派の対立と新派の勝利以降は、黒田清輝らの新派を中心に記述されているので、吉田博ら旧派はほとんど黙殺されている。だからといって、彼らの作品がダメなのではない。吉田博の作品はすばらしい。日本の風景画の、ひとつの達成だと思う。

 その後、小樽出身の中村善策も加入。一時は、畦地梅太郎、伊藤清永、楢原健三、田崎広助らも名を連ねていたようだ。
 ただし北海道関係者は、中村、北浦さんのほかにはいないようだ。


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