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北海道美術ネット別館

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■藤沢レオ彫刻展 (7月1日終了)

2007年07月06日 00時14分53秒 | 展覧会の紹介-彫刻、立体
 苫小牧にアトリエを構え、活発に制作・発表をしている若手金属造形作家、藤沢さんの個展です。
 これまでは、黒い種子を思わせる作品をおもに発表してきました(今回も会場に何点かサンプルが置いてありました)が、今回は、奥行き9メートル、幅2.4メートル、高さ0.65メートルの巨大な舟のような立体1点だけ。個展で作品1点とは、これはまた、思い切ったものだなあと感心しました。
 天井が高くて壁が白い、四角形の法邑の空間。
 「ここは、小さいものをたくさん並べても見栄えがしない。一時、2、3点でいこうかとも考えましたが…」
と藤沢さん。この会場にこそ合う作品は-と考えて制作した大作だということを、明かしています。

 作品は、鉄の枠を会場で組み立て骨組みとし、外側を、半透明の「不繊布」で覆っています。
 これが、仮に黒い布やさびた鉄板などであれば、作品は重厚で、まるでひつぎのような印象を呈したことでしょう。
 不繊布は、農業の現場などで広く使われているそうですが、かろやかな感じがします。
 とはいっても、舟にもひつぎにも見えるかたちであることには、変わりありません。
 藤沢さんとしては、生命をいれるうつわ、をイメージしたのだそうです。なるほど。


           

 作品のタイトルは
「死ヌコトヲ知ル
 生キルコトヲ知ル
 生マレルコトヲ知ル
 知ルコトヲ知ル」。

 先日他界された門馬よ宇子さんのことに思いをいたさずにはおれません。
 むろん、制作段階で、そんなことを考えにいれていたわけではありませんが。
 「(4年前に急死した)母親のことを、ようやく昇華できるようになってきた気がします」
と藤沢さん。

 作品が、1本筋の通ったものになっているのは、やはり、作者が生と死について深い思索をめぐらせたがゆえではないかと思いました。

 生命を載せたうつわとしての舟が、ぶじに宇宙空間にすべりだしていきますように…


07年6月23日(土)-7月1日(日)10:00-18:00(火曜定休・最終日16:00)
茶廊法邑(東区本町1の2)

藤沢レオ公式サイト




 なお、藤沢さんたちが中心になって、8月に「樽前Arty」というアートイベントが、苫小牧でひらかれます。
 日程が近づき次第、告知します。


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