案内状には、阿部有未、竹田博、田村陽子、名畑美由紀、長谷川雅志、林教司の6人の名前が書いてあるけど、田村さんの作品がどこにあったのか、記憶にない。
会場では、札幌の染色作家長谷川さんの4メートル×2メートルの大作「天に向う」が、他を圧倒する迫力だ。染色を手がける人は多いけれど、筆者がこれまで目にしたなかでも、一、二を争う大きさだと思う。
毎年夏、渡島管内福島町でひらかれている「かがり火コンサート」の舞台に用いたものだという。
手前は、大小のドーナツ型の渦巻きがいくつも重なり合うデザイン。その背景に、墨を正方形をつらねた形がつづいている。
渦巻きの中央部や、ドーナツとドーナツのすき間は、布に穴をあけて、開放感を高めている。
布はポリエステル。ふつうに穴をあければ、繊維がはみ出して汚くなるところだが、はんだごてを使い、すっきり仕上げている。
墨は、墨汁を用いず、少しずつすった。
「墨汁は色がいまひとつ。墨をすると、1度に1時間はかかる。腕が痛くなりました」
会場設営には林さんが協力し、下からライトで照らして、幻想的な空間をつくりあげた。
当の林さんは、たぴおのグループ展の常連。
おなじ日程で、近隣の時計台ギャラリーでひらかれている「北海道抽象派作家協会展」にも出品している。
ことしは平面が多かったが、新道展あたりから立体に回帰しており、今回も壁掛けタイプの、シンプルな黒っぽい立体を並べている。
07年10月1日(月)-6日(土)11:00-19:00
ギャラリーたぴお(中央区北2西2、道特会館 地図A)
■波-合同展(03年、長谷川さん出品)