（承前）
前のエントリでも述べたように、2階はいわゆる絵画と彫刻、3階はいわゆる現代美術－という区分けになっている。
冒頭画像は、道展でもサッポロ未来展でも独自の現代美術を発表し続けている竹居田圭子「この星で生きていくということ」。
首の穴が横にふたつならんでいたり、上も下も首の穴だったりする、風変わりなシャツなどが、商品のようにきれいに包装されて陳列されている。いくら2人の子が仲良しであっても、とても実用には適さない衣類なのだが、題から察するに、これは、人間は相互に依存しあわなければ生きていけない－ということのアレゴリーなのかもしれない。
渡辺直翔の作品。
カラープリント864枚を壁にびっしりとならべている。
すべてを確認したわけではないが、すべて同一のプリントのようだ。つまり、高僧住宅群と駐車場を背景に女性2人が立っているという、きわめて凡庸な日常的なスナップである。
昨年のサッポロ美術展で注目され、その秋の道立近代美術館の展覧会「Born in Hokkaido」にも出品した青木美歌の「flowly bottle」。
今回は作風が変わって、ビーカーやフラスコなど理科室にありそうな既成のガラス器に、青木さん独特のシダ植物や隠花植物のような形状が生えている－という作品がならんでいた。
「1/5クロニクル」
大きく引き延ばしたカラー写真6枚と、新聞の社会面の記事の切り抜きを組み合わせている。
写真にうつっているのは横浜市の住宅地や首都高速道路など。
犯罪などを報じるベタ記事と、ありふれた都市の風景との組み合わせは、凡庸であるがゆえに鋭く現代というものを照射しているといえる。ただ、新聞記事に登場する実名がそのまま…というのは、マズイような気もする。
風間真吾「Crystal」。
雪が積もった忠別川（旭川）の河川敷で、六角形の型を押す作者の様子が、映像に流れているようだ。
会場には、その際の記録写真や、着用した防寒着なども展示。「環境」とパフォーマンスあるいは「アースワーク」を接近させる試みのように見えた。
出品作は次のとおり。かっこ内は、生年、出身地、出身校、現在地の順。
青木美歌 「flowly bottle」（1981東京－武蔵野美大－記載なし)
秋元美穂 「ponopono」 (1983函館－函教大－函館)
風間真悟 「crystal」 (1979上川管内東川町－武蔵野美大－東京)
片山実季 「静寂」「ある日の私」（1984苫小牧－女子美大在籍)
河野健 「side wall」 （1973苫小牧－愛知県立芸大－札幌)
こうの紫 「春夏秋冬」「雪富士」（1981札幌－女子美大－東京)
齋藤麗 「heat1」「heat2」「heat3」（1978道内－多摩美大－東京)
佐藤仁敬 「paranoid」(同題2点) （1980滝川－金沢美術工芸大－札幌)
高村葉子 「或る地方都市」「板に裸婦」「関東 曇り」 (1983士別－武蔵野美大在籍)
竹居田圭子「この星で生きていくということ」 （1971東京－札教大－札幌)
田中怜文 「正午」「女」 (1978旭川－東京)
長屋麻衣子「潜む罠」 (1983網走管内斜里町－多摩美大)
西山直樹 「house arrest」 (1981上川管内東神楽町－京都造形芸大在籍)
波田浩司 「羽の舞う日」(同題3点)「眼差しの中で」（1971江別－札教大－札幌)
平野可奈子「母子像」「まごころの樹」「目覚め前」「変貌」 (1985胆振管内虻田町＝現洞爺湖町－多摩美大在籍)
福森崇広 「1/5クロニクル」 （1980苫小牧－武蔵野美大－記載なし）
藤田有紀 「金魚の夢」 （1986札幌－武蔵野美大在籍)
水野智吉 「裸婦」(同題2点)「記憶～夏～」 (1969函館－函教大、上越教育大大学院－小樽)
宮澤佑輔 「see it yourself」（1985札幌－多摩美大在籍)
宮地明人 「paradox」(同題2点)「dry」 （1977岩見沢－武蔵野美大在籍）
明円光 「ALICE」 (1985滝川－武蔵野美大在籍)
村山之都 「天気図」「スキー」「ネモ」 (1969旭川－武蔵野美大－東京)
谷地元麗子「かなた」 （1980江別－札教大－江別)
吉田浩気 「匂い」 （1986札幌－武蔵野美大－東京)
渡辺直翔 「we」 （1988伊達－武蔵野美大在籍)
渡辺元佳 「wmw」 (1981伊達－武蔵野美大－東京)
それにしても、アップが非常に遅れて申し訳ございません。
08年3月17日(月)－22日(土)10：00－18：00(最終日－17：00)
札幌時計台ギャラリー(中央区北1西3 地図A）
■第6回
■第5回
■第3回
■第2回
■第1回
前のエントリでも述べたように、2階はいわゆる絵画と彫刻、3階はいわゆる現代美術－という区分けになっている。
冒頭画像は、道展でもサッポロ未来展でも独自の現代美術を発表し続けている竹居田圭子「この星で生きていくということ」。
首の穴が横にふたつならんでいたり、上も下も首の穴だったりする、風変わりなシャツなどが、商品のようにきれいに包装されて陳列されている。いくら2人の子が仲良しであっても、とても実用には適さない衣類なのだが、題から察するに、これは、人間は相互に依存しあわなければ生きていけない－ということのアレゴリーなのかもしれない。
渡辺直翔の作品。
カラープリント864枚を壁にびっしりとならべている。
すべてを確認したわけではないが、すべて同一のプリントのようだ。つまり、高僧住宅群と駐車場を背景に女性2人が立っているという、きわめて凡庸な日常的なスナップである。
昨年のサッポロ美術展で注目され、その秋の道立近代美術館の展覧会「Born in Hokkaido」にも出品した青木美歌の「flowly bottle」。
今回は作風が変わって、ビーカーやフラスコなど理科室にありそうな既成のガラス器に、青木さん独特のシダ植物や隠花植物のような形状が生えている－という作品がならんでいた。
「1/5クロニクル」
大きく引き延ばしたカラー写真6枚と、新聞の社会面の記事の切り抜きを組み合わせている。
写真にうつっているのは横浜市の住宅地や首都高速道路など。
犯罪などを報じるベタ記事と、ありふれた都市の風景との組み合わせは、凡庸であるがゆえに鋭く現代というものを照射しているといえる。ただ、新聞記事に登場する実名がそのまま…というのは、マズイような気もする。
風間真吾「Crystal」。
雪が積もった忠別川（旭川）の河川敷で、六角形の型を押す作者の様子が、映像に流れているようだ。
会場には、その際の記録写真や、着用した防寒着なども展示。「環境」とパフォーマンスあるいは「アースワーク」を接近させる試みのように見えた。
出品作は次のとおり。かっこ内は、生年、出身地、出身校、現在地の順。
青木美歌 「flowly bottle」（1981東京－武蔵野美大－記載なし)
秋元美穂 「ponopono」 (1983函館－函教大－函館)
風間真悟 「crystal」 (1979上川管内東川町－武蔵野美大－東京)
片山実季 「静寂」「ある日の私」（1984苫小牧－女子美大在籍)
河野健 「side wall」 （1973苫小牧－愛知県立芸大－札幌)
こうの紫 「春夏秋冬」「雪富士」（1981札幌－女子美大－東京)
齋藤麗 「heat1」「heat2」「heat3」（1978道内－多摩美大－東京)
佐藤仁敬 「paranoid」(同題2点) （1980滝川－金沢美術工芸大－札幌)
高村葉子 「或る地方都市」「板に裸婦」「関東 曇り」 (1983士別－武蔵野美大在籍)
竹居田圭子「この星で生きていくということ」 （1971東京－札教大－札幌)
田中怜文 「正午」「女」 (1978旭川－東京)
長屋麻衣子「潜む罠」 (1983網走管内斜里町－多摩美大)
西山直樹 「house arrest」 (1981上川管内東神楽町－京都造形芸大在籍)
波田浩司 「羽の舞う日」(同題3点)「眼差しの中で」（1971江別－札教大－札幌)
平野可奈子「母子像」「まごころの樹」「目覚め前」「変貌」 (1985胆振管内虻田町＝現洞爺湖町－多摩美大在籍)
福森崇広 「1/5クロニクル」 （1980苫小牧－武蔵野美大－記載なし）
藤田有紀 「金魚の夢」 （1986札幌－武蔵野美大在籍)
水野智吉 「裸婦」(同題2点)「記憶～夏～」 (1969函館－函教大、上越教育大大学院－小樽)
宮澤佑輔 「see it yourself」（1985札幌－多摩美大在籍)
宮地明人 「paradox」(同題2点)「dry」 （1977岩見沢－武蔵野美大在籍）
明円光 「ALICE」 (1985滝川－武蔵野美大在籍)
村山之都 「天気図」「スキー」「ネモ」 (1969旭川－武蔵野美大－東京)
谷地元麗子「かなた」 （1980江別－札教大－江別)
吉田浩気 「匂い」 （1986札幌－武蔵野美大－東京)
渡辺直翔 「we」 （1988伊達－武蔵野美大在籍)
渡辺元佳 「wmw」 (1981伊達－武蔵野美大－東京)
それにしても、アップが非常に遅れて申し訳ございません。
08年3月17日(月)－22日(土)10：00－18：00(最終日－17：00)
札幌時計台ギャラリー(中央区北1西3 地図A）
■第6回
■第5回
■第3回
■第2回
■第1回
