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■吉井光子展「回顧展」 (6月2日まで)

2009年06月01日 23時40分37秒 | 展覧会の紹介-絵画、版画、イラスト
 
 吉井光子さんは札幌在住。
 2006年に、女性の団体公募美術展である「朱葉会」を退会し、現在は無所属です。道内の公募展には出品せず、およそ3年に1度のペースで個展を開いていきました。
 今回は12回目の個展。画業35年を迎えるのを記念して、1991年以降の大作を中心に、近作の小品を加えた「ベスト盤」的な構成になりました。
 
 冒頭は「記憶の中の風景」4部作です。
 いずれもF100号で、左から【夏】【秋】【冬】【春】の順に並んでいます。
 小鳥やレールが配され、メルヘンを感じさせます。

 3点は、「札幌の美術」展で発表されたもので、【春】は新作。緑の画面に、サイロや乳牛、カエルなどが配されて、春を迎える喜びが感じられます。




 「夢工房【A】」=左=と、「夢工房【B】」。
 2点でひとつの世界をつくっています。
 吉井さんの画室もこんな感じですかと尋ねると「これほど広くはないです」と笑って答えておいででした。

 油絵の具の特性をフルに生かし、さまざまな色を重ね合わせています。
 下から透けて見える色が、絵に深みを与えています。

 この絵の空間処理が不自然に見えないのは、セザンヌ、マティス以降の描法にわたしたちがすっかり慣れてしまったためでしょう。
 床やテーブルは真上から見たように、イーゼルやカンバスは斜めから見たように描かれていますが、うまく整理がついています。


           

 こちらは1990年代の作品。
 このころは、ポピーを素材にした明るい赤や黄色の花をかならずかきいれていました。
 そういうこだわりが薄れて、最近は楽になった-ということです。

 金色が使われているせいか、ゴージャスな雰囲気もありますね。


           

 こちらはサムホールぐらいの新作小品です。


 出品作は次の通り。
記憶の中の風景【夏】F50 2003年
花の歳月 F50 1993年
 =以上2点はショーウィンドウに展示
花の予感 F3 1992年
花の歳月 F100 1993年
遠い記憶 F100 1995年
遠い道 F100 2000年
扉のむこうに F100 1998年
記憶の音 F100 1994年
夢工房【A】 F100 1996年
夢工房【B】 F100 1996年
記憶の中の風景【夏】 F100 2005年
記憶の中の風景【秋】 F100 2003年
記憶の中の風景【冬】 F100 2004年
記憶の中の風景【春】 F100 2009年

小品は「花暦」「水の中の歳月」「夢みる魚」「花の響」「花の夢【B】」「花の詩」「花の刻」「花の音」「花の夢【A】」
 


2009年5月28日(木)-6月2日(火)10:00-19:00(最終日-17:00)
道新ぎゃらりー(中央区大通西3 北海道新聞社北一条館 道新プラザ内 地図A)


2002年の個展(画像なし)


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
お礼 (吉井 光子)
2009-06-05 17:53:12
先日はお忙しい中ご高覧くださり有難うございました。お陰様で無事終わり、ほっとしているところです。ブログ読ませていただきました。早速沢山書いていただき自分のホームページを見ているようで嬉しくなりました。有難うございます。
どうぞお体ご自愛下さいませ。
取り急ぎお礼まで申しあげます。 
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Unknown (ねむいヤナイ@北海道美術ネット)
2009-06-06 00:01:09
ご丁寧にありがとうございました。
個展、おつかれさまでした。

今後も健筆をふるわれることを祈念しております。
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