1970年前後に実験映画で美術界にデビューした矢崎勝美さん(札幌)。近年は「COSMOS」シリーズと題したモノタイプ版画の制作に取り組んでおり、時計台ギャラリーではほぼ毎年個展を開催しています。
さらに今回は、北海道洞爺湖サミットにあわせ、上川管内音威子府村で国際美術展「アジアプリントアドベンチャー」開催の陣頭指揮を執りました。
「制作に手を着けられなくて、もう個展はできないんじゃないかと思ったよ。搬入の日の午後3時まで作ってたもの。音威子府まで日帰りもしたし…」
と矢崎さんはさすがにすこし疲れたようすです。
今回の個展は、全18点。
冒頭の画像でおわかりのように、いつになく、販売もできるタブローがすくなく、複数枚をくみあわせた大作が多いのが特徴だと思います。
矢崎さんの作品は、オフセット印刷した紙に、セリグラフで刷り、さらにデカルコマニーやエアブラシで模様を重ねていく-という、複雑な技法で制作されており、いずれもモノタイプです。
明滅するような光芒や、波のような模様、稲妻を思わせる曲線などが組み合わされ、大宇宙の空間を聯想させます。
この2年ほどは、実際の草などを「引用」していましたが、ことしはその手法はとりいれていません。
「今回は時間がなくてできなかったけどさ、これを屏風仕立てにすると面白いんじゃないかと思ってさ」
と矢崎さん。
たしかに、壁に貼るよりも、展示方法としてはメリハリがつくのでは、と思います。
矢崎さんは1940年生まれ。
バングラデシュの国際版画コンクールで審査員を務めたり、パリでも展覧会を開くなど、多方面で活躍しています。
08年9月15日(月)-20日(土)10:00-18:00(最終日-17:00)
札幌時計台ギャラリー(中央区北1西3 地図A)
□COSMOS 矢崎勝美の世界 http://www2.gol.com/users/katsumi/index2.html
■出会+再会’07展(07年10月、画像なし)
■矢崎勝美展 COSMOS(07年9月)
■06年の個展
■03年11月の個展
■03年9月の個展
■02年の個展(画像なし)
■01年の個展