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2006おおたき北海道陶芸展(10月9日で終了)

2006年10月13日 00時09分19秒 | 展覧会の紹介-工芸、クラフト
 ことし3月に伊達市と飛び地合併した胆振管内大滝村が毎年ひらいてきた陶芸のコンクールで、前身の工芸展から通算してことしで10回目となる。
 大滝に窯元が集中しているということはなく、どうして大滝で陶芸展を主催しているのかよくわからない。これは推測だが、北海道陶芸協会の会長をつとめた故下沢土泡氏が大滝村の土をつかっていたことと、なにか関係があるのかもしれない。しかし、出品はひろく全国にわたっており、とくべつ下沢さんの門下生が多いというわけではなさそうだし、審査委員長は北海道陶芸会(北海道陶芸協会とはまったく別の団体)の中村照子さんだし、やはりよくわからない。
 以下、気になった作品について記す。
 坂上竹造(大阪府和泉市)「焼締窯変花器」。かたちは普通だが、灰のかぶり方が味わいあり。
 杉井紀子(胆振管内厚真町)「花器(焼〆)」。ざっくりとした抽象の木彫のようなかたちがユニーク。伊達商工会議所会頭賞。
 萩原司(函館市)「木の葉紋様線刻鉢」。葉がはらはらと舞い、吹き寄せられるようなさまが上品。北海道新聞社賞。
 藤原喜一郎(茨城県つくば市)「三輪花」。花の咲いたようなかたちが可憐な、4点組みのうつわ。北海道教育長賞。
 上田文子(網走管内美幌町)「吹墨遠山壺」。オレンジと黒によるデザインが郷愁を誘う。銀賞。
 若杉集(栃木県益子町)「北郷谷(きたごや)土焼締急須・茶筒」。こんな小さな作品が大賞とはちょっと驚き。
 飯村岩男(茨城県笠間市)「炭化象嵌装飾文鉢」。細かい直線的な紋様と、大まかな曲線の紋様との組み合わせが、技ありの印象。金賞。
 保立剛(東京都八王子市)「彩泥象嵌銀杏文八角鉢」。題のとおり、イチョウの葉の文様がつくりだすゆるやかなリズムが心地よい。北海道知事賞。この人は、シャープなフォルムの「彩泥象嵌銀杏文花器I」も入選している。
 田嶋裕子(札幌市)「風のみち」。きびしい北の風土を反映したオブジェ。北海道放送社賞(とあるが、「社」は余計では?)。
 仙頭宏則(東京都町田市)「波の花(花器)」。独創的なフォルム。伊達市文化協会長賞。
 柚木秀介(札幌市)「やまなみ」。壺。表面の白が清潔感をただよわせる。
 香西信行(同)「自然灰窯変偏壺」。2003年の大賞受賞者。ダイナミックな窯変はこの人ならでは。
 伯谷巖(同)「豊穣」。壺。表面の凹凸がユニーク。

 会場の係の女性が長々と携帯電話でおしゃべりしていて、うるさかった。 

9月23日(土)-10月9日(月)10:00-16:00
大滝工芸館(伊達市大滝区三階滝町 三階滝公園内)


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