土曜日だけではとうていギャラリーを回りきれず、22日(日)も出動。
しかし、疲れがひどく、スタートが遅れた上に、途中でギブアップした。
あまりにくたびれていると、作品の鑑賞もうまくできないし、作家との会話もアタマに入ってこないのだ。
この日回ったのは、ほとんどが最終日の会場。
HOKUSEN GALLERY ivory → スカイホール → さいとうギャラリー → ギャラリーミヤシタ → 市資料館 → Cafe Raw Life → 石の蔵ぎゃらりぃはやし
スカイホールでは「TURNER AWARD 2014」。
あれっ、これ、以前は「アクリルアワード」だったはずだけれど、いつから名称が変わったんだろう。
ツイッターで或る人が、森本めぐみさんが大賞を取ったころが一番印象深かったという意味のことをつぶやいていたが、確かに同感で、5年前にくらべると、質量ともにさびしくなったという感は否めない。
すくなくても、展示点数は減っているし、道内からの入選者はいないし、作品サイズの規定も当時より小さくなっているようである。
大賞の城野紗貴「届かないのかな」は、審査員全員一致も当然と思わせる作品。なにより、描き込みの密度が、他の作品と違いすぎる。ただ、描き込んでいるだけではなくて、手前に青い金網を配し、メーンのモティーフに私用されなくなったプールを描き、全体に透明なアクリル板をかぶせてそこにペイズリー文様のような模様を描くなど、仕掛けの要素もある。レイヤーの描写に、非常に意を用いている作品なのだ。
個人的に気になったのは、雑草が繁茂したプールの描写で、ゴールの印が、十字架の並ぶ墓標のように見えたこと。
明るい色調ながら、どこか死の面影が漂うようにも感じられる。
未来賞の中根唯「雪国」も個人的に好きな作品。
手前にガードレールを描き、少し高いところから見た、雪に覆われた農村風景である。
針葉樹や、青のトタン屋根、いちばん奥に横たわる低い山脈などを見ていると、この風景が北海道であるという確率は、かなり高そうだ(全くのヤマ勘ですが、由仁じゃないかなあ)。
この絵が単なる旧来の風景画と異なっているのは、それぞれのモティーフが透視図法的に並んでおらず、それぞれバラバラに置かれていること。右奥のモダンな公共施設と、左奥の団地を見比べると、大小がおかしい(もちろん、これは非難しているのではない)。
また、支持体の角を丸くしていること。このために、どこか手作り品っぽい味が生まれている。
「おもしろいんだけど、この人、この後、どんな絵を描いて行くんだろう」
ということが、まったく想像できない人も多かった。
もちろん、1点だけから判断するのは無理だし、してはいけないだろうと思う。
とはいえ、描いてる若者の「情熱の行方」が(筆者は)見つけられない絵が少なくなかったのだ。
これは、筆者の感度が鈍っているのだろうか。
2015年3月17日(火)~22日(日)午前10時~午後7時(最終日~午後5時)
スカイホール(札幌市中央区南1西3 大丸藤井セントラル7階)
しかし、疲れがひどく、スタートが遅れた上に、途中でギブアップした。
あまりにくたびれていると、作品の鑑賞もうまくできないし、作家との会話もアタマに入ってこないのだ。
この日回ったのは、ほとんどが最終日の会場。
HOKUSEN GALLERY ivory → スカイホール → さいとうギャラリー → ギャラリーミヤシタ → 市資料館 → Cafe Raw Life → 石の蔵ぎゃらりぃはやし
スカイホールでは「TURNER AWARD 2014」。
あれっ、これ、以前は「アクリルアワード」だったはずだけれど、いつから名称が変わったんだろう。
ツイッターで或る人が、森本めぐみさんが大賞を取ったころが一番印象深かったという意味のことをつぶやいていたが、確かに同感で、5年前にくらべると、質量ともにさびしくなったという感は否めない。
すくなくても、展示点数は減っているし、道内からの入選者はいないし、作品サイズの規定も当時より小さくなっているようである。
大賞の城野紗貴「届かないのかな」は、審査員全員一致も当然と思わせる作品。なにより、描き込みの密度が、他の作品と違いすぎる。ただ、描き込んでいるだけではなくて、手前に青い金網を配し、メーンのモティーフに私用されなくなったプールを描き、全体に透明なアクリル板をかぶせてそこにペイズリー文様のような模様を描くなど、仕掛けの要素もある。レイヤーの描写に、非常に意を用いている作品なのだ。
個人的に気になったのは、雑草が繁茂したプールの描写で、ゴールの印が、十字架の並ぶ墓標のように見えたこと。
明るい色調ながら、どこか死の面影が漂うようにも感じられる。
未来賞の中根唯「雪国」も個人的に好きな作品。
手前にガードレールを描き、少し高いところから見た、雪に覆われた農村風景である。
針葉樹や、青のトタン屋根、いちばん奥に横たわる低い山脈などを見ていると、この風景が北海道であるという確率は、かなり高そうだ(全くのヤマ勘ですが、由仁じゃないかなあ)。
この絵が単なる旧来の風景画と異なっているのは、それぞれのモティーフが透視図法的に並んでおらず、それぞれバラバラに置かれていること。右奥のモダンな公共施設と、左奥の団地を見比べると、大小がおかしい(もちろん、これは非難しているのではない)。
また、支持体の角を丸くしていること。このために、どこか手作り品っぽい味が生まれている。
「おもしろいんだけど、この人、この後、どんな絵を描いて行くんだろう」
ということが、まったく想像できない人も多かった。
もちろん、1点だけから判断するのは無理だし、してはいけないだろうと思う。
とはいえ、描いてる若者の「情熱の行方」が(筆者は)見つけられない絵が少なくなかったのだ。
これは、筆者の感度が鈍っているのだろうか。
2015年3月17日(火)~22日(日)午前10時~午後7時(最終日~午後5時)
スカイホール(札幌市中央区南1西3 大丸藤井セントラル7階)
(この項続く)