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網走の野外彫刻

2007年12月30日 22時53分30秒 | 街角と道端のアート
 すいません、これで網走ネタは最後です。

 網走市立美術館の前庭には野外彫刻がならんでいます。
 ひとつひとつ紹介します。
 あまりまじめな文章は期待しないでください。
 
 冒頭の画像は、坂坦道「悶」です。
 坂さんは「道展三羽がらす」のひとりといわれた具象彫刻家で、札幌・羊ヶ丘のクラーク博士の像などが有名です。

 それにしても、この像は、激しくエロいと思います。
 見ていると、よからぬことを考えてしまいそうです。




 戦後日本の野外彫刻をリードした本郷新は、札幌に彼の名を冠した美術館があり、大通公園の「泉」の作者でもあるので、みなさんご存じのことでしょう。

 網走にあるのは「大漁」という作品です。
 サケ1匹を彫刻作品にするというのは、あまりにストレートすぎです。
 不意をつかれたような感じすらあります。
 もし、これが、道展や全道展の会場にあったらどうでしょう。だれもが
「うっ」
とたじろぐのではないでしょうか。

 この雄サケを見て思い出すのは、本郷新が大の釣り好きだったということです。伏木田光夫さんなども誘われてお供したそうです。
 ただし、本郷新が行っていたのはもっぱら渓流であり、サケを釣ったという話はあまり聞きません。
 

         

 本郷新の後輩にして新制作の盟友、札幌ゆかりの彫刻家、佐藤忠良さんです。
 明治生まれの現役最長老作家です。
 体をくいっとひねったあたりに、動感が生まれているのだと思います。


         

 石田武至さんの作品です。
 石田さんは1932年名古屋生まれの彫刻家です。
 日展系であり、とくに北海道と関係があるという話は寡聞にして知りません。

 こうやって見てくると、本郷新の「大漁」が、けっこう意味のある作品に感じられてきます。
 つまり、4点のうち3点は裸婦で、12月の網走で見ていると、こっちまで寒さに耐えられなくなってくるのです。
 彫刻イコール裸婦という図式の残っていた、やや古い時代の設置なのでしょう。


         

 最後は、美術館の前から離れて、中央橋の上にある鳥の彫刻です。
 両側の歩道上に1基ずつ設置されているのですが、反対車線に行くのは相当な遠回りを強いられるので、上流側の画像だけでカンベンしてください。

 この彫刻の作者は、戦後の全道展を代表する彫刻家であった本田明二さんです。
 本郷さんの釣り仲間でもあったと記憶しています。




 ところで、室内にあったので写真は撮っていませんが、網走市立美術館のロビーには、谷口尉馬(百馬、1911-94年)という彫刻家の「裸婦坐像」がありました。
 解説パネルによると、谷口は美幌町生まれ。斉藤素巌に師事し、32年に道展、構造社展に出品。40年、美幌に疎開し、新文展、日展に出品する一方、網走管内市町村の委託により、白色セメントによるモニュメントを制作する…とあります。

 斉藤素巌? 構造社展?
 05年の冬に、札幌芸術の森美術館で開かれていた渋い彫刻展のテーマが「構造社」でした。

 この展覧会に谷口百馬の作品って出てたっけ?

 筆者の家は、本や図録は膨大にあるが、探しているものに限って見つからない-という法則があり、やはりこの図録もどこにあるのか所在不明です。



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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
彫刻 (shino)
2007-12-31 22:14:09
画像で一つ一つ楽しませていただきました。
冒頭「悶」は見た瞬間に、私もねむいヤナイさんと同じ感想を持ってしまいました・・・
でも素敵です。

札幌の彫刻も一つ一つ探して歩いてみたくなりました。
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Unknown (ねむいヤナイ@北海道美術ネット)
2008-01-01 07:50:27
shinoさん、あけましておめでとうございます。
「悶」は、中学生ぐらいに見えるのが、イヤらしい理由だと思われます。
胸や腰が未発達です。

その点、佐藤忠良さんのは、成熟した女性が堂々と立っているので、そんなにわいせつな感じはありません。

って、新年早々なんの話をしてるんでしょう。
返信する

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