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■第26回大洋会北海道支部展 (1月24日まで)

2009年01月20日 22時35分33秒 | 展覧会の紹介-絵画、版画、イラスト
 大洋会は、1979年に創元会から分かれて旗揚げした、比較的歴史の新しい団体公募展。
 「今日の具象絵画の創造と探求をめざして邁進する」と、綱領でうたっています。
 現在も新国立美術館に移らず、11月に東京都美術館で展覧会を開催。
 道内は、札幌と、室蘭・登別地方の会員が大半で、毎年1月に時計台ギャラリーで支部展を開いています。

 冒頭の画像、左側は、森田幸江さん「坂道」。
 縦構図のなか、家々の重なりがリズミカルです。
 右はベテラン江頭洋志さん「堀の桜(大阪城)」。
 落ち着いた風景画です。


           

 30周年記念賞に輝いた加我幸子さん「トレモロに酔いしれて」。
 ギターを演奏する男、パソコンのマウス、猫、鳥かごなど、雑多な要素をうまくまとめています。
 全体の菱形模様が、画面に動感をあたえていると思います。


           

 岡田和子「窓辺の詞 I」は奨励賞。
 寒色を基調にまとめています。


           

 綿谷憲昭「早春のプラハ」も奨励賞。
 近づいてみると相当ラフなタッチなのですが、遠くから眺めるとよくまとまっています。手前からの坂道が、見る人の視線をたくみに奥へと導きます。


           

 右は会友賞の中畑幸雄「工場」。
 日石の工場らしく、いかにも室蘭らしい題材。一筆一筆だいじに描いている感じが伝わってきます。
 前景の木々が芽吹いているのが、絵に生き生きとした感じを付与しています。

 左は原田富弥「漁港閑日」。
 小樽・高島の風景。          
 補色の関係を生かした鮮やかな色彩が持ち味の原田さんとしては、おちついた色合いでまとめています。
 おなじ場所を、本宮順子さんも取り上げていました。絵心を誘うものがあるのかもしれません。

 なお、3階G室にも、小品だけではなく大作も並んでいるので、足を運んでください。
 原田さんは3階のほうが、これまでの作風らしいですし、個人的には岡田さんは3階の絵のほうが好きです。

 出品作は次の通り。

秋野隆「湿原復活」
赤羽八重子「裾木黄緑」「源流」
植野徳子「静物(旅愁)」「花」「路地裏の白い家」
江頭洋志「堀の桜(大阪城)」「夕張滝上公園」
岡田和子「窓辺の詞 II」「窓辺の詞 I」「ビンのある静物」「Love」「憩う」
手塚陽子「ひまわり」
瀬川裕子「Dream Come True」「Tea time」「燭台のあるテーブル」
鈴木ナオ「街の一隅」
豊岡猛「たそがれ」
原田富弥「漁港閑日」「駒ケ岳変化(渡島砂原)」「駒ケ岳夕照(森港)」
熊谷富子「山の譜」
松平静枝「ひだまりの詩」
山崎まり子「花たば」
山崎和香子「湿原のむこう」「ガーベラ」
中畑幸雄「工場」
加我幸子「トレモロに酔いしれて」「早春賦」
森田幸江「坂道」「緑色の坂道」「丘」
綿谷憲昭「早春のプラハ」
簑島キミ「樹」
佐藤イツ子「風化されてゆく物へ」
中村香都子「奏でる空間」「パレットの丘」「OTARU」
柏木レイ子「渓谷」
晋川京子(横浜)「大沼公園」「チミケップ湖」


2009年1月19日(月)-24日(土)10:00-18:00(最終日-17:00)
札幌時計台ギャラリー(中央区北1西3 地図A


□大洋会 http://www.geocities.jp/taiyokai1604/

第25回展
第19回展(2002年)
第18回展

綿谷憲昭・原田富弥・日下康夫三人展(07年11月)


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