大洋会は、日展系の団体である創元会を1978年に脱退したメンバーが旗揚げした、わりあい歴史の新しい公募展です。「今日の具象絵画の創造と探求」を綱領に掲げています。
昨年も東京都美術館で展覧会を開いており、話題の国立新美術館には移転していないようです。
北海道支部のほうは、前の支部長(現顧問)が室蘭のベテランだった関係からか、札幌のほか、室蘭・登別方面にメンバーが多く、しかも近年新しい顔ぶれがくわわっています。道内の公募展にも重複出品している人は見あたりません。
冒頭の画像の左側は、昨年あたりからくわわった池田英子さん(登別)「老木II」。
一見、木に見えないところがおもしろいと思います。
右は柏木レイ子さん(同)「崖」。
植野徳子さん(札幌)「謳う静物」。
黒に見えるのはインディゴだそうです。
全体的には、色数を絞っているのが、画面を深いものにしていると思います。
森田幸江さん(札幌)の「坂道」。
縦構図で、視線が無理なく奥へと誘われます。色遣いも楽しい、街並みを描いた1枚です。
顧問の江頭洋志さん(室蘭)は、以前はおだやかな風景画をよく描いていましたが、ことしは、富山県八尾市の祭り「おわら風の盆」がテーマです。
2階のA室のほか、3階にも展示しています。
現支部長の原田富弥さんの作品。
チェコの首都プラハのレギー橋が題材です。鮮烈な色彩は原田さんらしいですが、右上の葉の処理などは、まだこの作がほんとうの完成には至っていないことを示しているように感じます。
出品作は次のとおり。(賛助出品はのぞく)
加我幸子(札幌) 「瞬間と永遠なるもの」「卓上の静物」「広瀬川の風」「山」
豊岡猛(登別) 「ジャズ、ライブ」「喧嘩」「野毛山も春」
山崎和香子(札幌)「湿原の花たち」
岡田和子(札幌) 「迷いの刻に」「想い」「想う」「華」
三坂洋子(登別) 「薔薇物語」「バラ」
中畑幸雄(室蘭) 「風景」
佐藤イツ子(室蘭)「桜風」「バラ香」
植野徳子 「謳う静物」「バラ」「雪降る街」
山崎まり子(登別)「あきちゃん」「ルピナス」
森田幸江 「坂道」「秋の丘」「小樽倉庫№1」
江頭洋志 「風の盆」「ブダペスト(王宮とドナウ河)」
熊谷富子(登別) 「山の譜」
佐々木信幸(札幌)「惑星と誕生」「想い」
手塚陽子(登別) 「想」
池田英子 「老木II」「夏の想い出」
柏木レイ子 「崖」「早春」
瀬川裕子(札幌) 「アトリエのモデル」「やすらぎの時」「タイムスリップ」「白い花」
秋野隆(釧路) 「鎮魂・湿原」
原田富弥(札幌) 「高島漁港(小樽)」「センテンゴムスの街角(ハンガリー)」「教会の見える街」「ヴォルダヴ川を望むプラハ」「レギー橋(プラハ)」
鈴木ナオ(札幌) 「晩秋の神仙沼」「晩秋のニセコ山麓」
中村香都子(札幌)「幸せの交信」「秋の日」「花」
綿谷憲昭(札幌) 「ハンガリー郊外」「チェスキー郊外(プラハ)」
08年1月21日(月)-26日(土)10:00-18:00(最終日-17:00)
札幌時計台ギャラリー(中央区北1西3 地図A)
□大洋会 http://www.geocities.jp/taiyokai1604/
■第19回展(2002年)
■第18回展
■綿谷憲昭・原田富弥・日下康夫三人展(07年11月)