北海道美術ネット別館

アート、写真、書など展覧会の情報や紹介、批評、日記etc。毎日更新しています

日本列島縦断彫刻展(7月31日まで)

2006年07月27日 22時47分17秒 | 展覧会の紹介-彫刻、立体
 全国の有力公募展「二紀展」の彫刻部門に出品している会員、同人ら15人によるグループ展。札幌の彫刻家で二紀展同人の神谷ふじ子さんの尽力で実現しました。小品が中心ですが、非常に密度の濃い、見ごたえのある彫刻展になっています。おすすめです。

 おもしろかったのは、丸山幸一さん(1949-)「ダンス」。どこかニキ・ド・サンファールやマリーニを思わせる、はつらつとした動きをした、丸みを帯びた人物像なのですが、全身が赤や白の線でぐるぐる巻きにされています。動きと束縛という二律背反を表現しています。
 おなじ作者による「孤島の情景」も凝った構成で、物語を感じさせる作品。布のようなものにくるまれている二人の人物。片方の人物は黄色い犬の頭部をしています。全部の右と腰のあたりに、透明な鳥が3羽ずつ飛んでいます。
 70年生まれの若手同人、上月佳代さん「Thought」も、一見写実的な単なる首なのですが、完成した首を傷つけています。その結果、左側が高く、えぐれた表情をしています。「壊れた現代人」を切実に表現していると思います。
 69年札幌生まれで、石川県で活動中の小尾昌弘さん「記号の塔」は、直線のみで構成された重厚な石の抽象作品。直方体が複雑に入り組んでいます。流行に動じない、安定感があると思います。

 銅と七宝で、時間の経過を感じさせる重層的な作品をつくってきた神谷さんは「吉野ヶ里」を出品。紅いひとみをした目のようなフォルムです。像を支える板の堆積が、行為の厚みのようなものを暗示しているようです。

 他の作品は次のとおり。

前田邦子「少女の頃」「鳥と」
堤一彦「言の葉」「YUZURIHA」
伊勢信子「Relarion 1」「Relation 2」
りょう「恵沢(火の中に煌めく命)」
眞海朗「初夏」「パーティへ」
江尻昭子「抱かれた豚」「青い鳥」「どくしょ」「森の話」「読書」「はてな(ジジ)」「おかげさま(ババ)」「黙」「うたたね」
丹賀美智子「陰」
田中茂「化けそこなった丸狸」
加藤美津子「人体と自然」「植物と精霊」
高橋千代子「LUY」「with you」

7月10日(月)-31日(月)10:00-17:00
ギャラリー山の手(西区山の手7の6)


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。