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鈴木清順監督「陽炎座」

2012-01-28 | 映画
鈴木清順監督3部作の2番目、「陽炎座」を
見にいく。前回観た「ツィゴイネルワイゼン」
大ヒットを受け1年後の81年に公開。

観るのは初めてで遅まきながら
なんだけど。美しく妖艶な清順
ワールド炸裂やった。スクリーンで
清順好きと観るのはいい。



泉鏡花が大正2年に書いた「陽炎座」を
もとに監督が好きにイメージを膨らませた、
まさに「作品」。ストーリーや意味は考え
ることなく映像を浴びてた。

映像もだけど池谷仙克さんの美術も凄みがある;


撮影の永塚一栄さんは「ツィゴイネルワイゼン」
では手を抜いていましたから、こんどは本気で
やりますと。さぞ力が入った現場やったんだろう。

女性達の科白の強烈なこと;
(品子役 大楠道代さん)
「一生醒めなければ、夢は夢でなくなるのに」
「四度目の逢瀬は恋になります」
(みお役 加賀まりこさん)
「恨むも惚れるもおんなじことですよ、女にとっちゃ」

終了後、プロデューサーの荒戸源次郎さんに
よるトークショーを前回に引き続き聴く。

松田優作さんは、清順監督を尊敬していて、
「ツィゴイネルワイゼン」をバイクに乗って
見に来てくれたあたりから、次作は彼で
行こうって荒戸さんと清順さんで決めてたそうだ。

アクション俳優だった優作さんにとっても転機に
なった映画で、このあと「家族ゲーム」の主役で
脚光を浴びることになる。



清順監督は演技に注文をつけない方だそうで、
新劇の劇作家を演じた優作さんのあの演技も
彼が考えてきたモノだそうだ。

興行的には散々どころか、会社が倒産。
(3回倒産する1回目)だから「清順は偉い!
でも一緒にやるもんじゃないね」といいながら
「こんな映画を作れたことがとても誇りだ」と。
いい顔をされていた。

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