ヤングキングアワーズ 2016年1月号より
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今月の『僕らはみんな河合荘』感想はこちら
今月の『ナポレオン -覇道進撃-』感想はこちら
以下、ネタばれあります。 (未読の方はご注意ください)
●ドリフターズ (平野耕太 先生)
空母・飛龍にて・・・
邂逅を果たした山口多聞少将と、菅野直大尉。
とうぜん話題は、艦載機、そして爆装や燃料のことに及びますが、
まともな機は1つもなく、かつ物資の備蓄もわずか・・・
ではあるものの、多聞さんは「この世界」では、それでも充分な兵器として
使用できることを述べており、大きな期待を抱かせてくれますね~。
いつか、飛龍の艦載機で、菅野直大尉が、空を飛び、山口多聞少将指揮のもと、
縦横無尽の活躍を見せつけてくれるのではないか? といった風に。
それと、もう1人・・・
多聞さんから「ローマ歌劇に出て来そうな御仁」といわれるスキピオさんに笑!
しかし菅野さんとは違って、さすが多聞さん、「スキピオ」の名前を聞いて
驚いております。
菅野さんなどは、ローマなら「カエサルつれてこいよ」とか言ってて、
失礼きわまりないのだけど、愉快すぎ!(´▽`;)
スッラとかティベリウスとかは、天寿を全うしているので、来れないか~。
そして、「のらくろ」には大笑いでした゜(*゜´∀`゜)゜
そりゃそうだ、菅野さんドンピシャ世代じゃないですか!
こーゆーの、面白すぎですわ。
スキピオと山口多聞の邂逅が、もたらすものは・・・?
それはともかく、スキピオさん、(話の通じる)多聞さんに出逢ったことで、
2000年未来の兵器を、自分が目にしていることを知ります。
そこで、この2000年ほどの歴史、とくに軍事に関する話を聞きたがり、
「勉強は得意なのだ」と言っていたのには、思わずニヤリとしちゃいましたよ!
以前も語りましたけど、私はハンニバルを「天才タイプ」、彼を模倣・研究し
後を追ったスキピオを「秀才タイプ」とイメージしていたので、
まさにイメージ通りのスキピオ像に、膝を叩いてしまいました。
これで、スキピオに大戦時までの軍事知識が加わるとなれば、鬼に金棒状態。
超1級の軍事的才能が、本領発揮できる下地が出来上がるわけで、心強いこと、
この上なくなりますよね・・・ わくわくするな~。
こうした時代を超えた人物の邂逅には、やはり胸が躍らざるを得ませんし、
そこから生まれる“化学反応”には、大いに期待しちゃいますよね!
本作の魅力の1つだと感じます。
そして物語は、豊久陣営へ・・・
ここで信長さんが語っていた、島津豊久という人間のこと。
彼を形作った核となる薩摩島津人についての話は、壮絶ながらも物悲しい、
でも納得感のある内容でありました。 それゆえに豊久は「放っておけない」と。
ただ、豊久同様「放っておけない」タイプとして、劉邦が例にあがってましたけど、
劉邦さんはですね~、割とリーダーシップのある切れ者な一面をもった
油断ならないタイプだと思っているんですよね~、なんて語りたくなったり(^^;
最近やってた中国ドラマでも、そうした感じで描かれていましたからね。
というのは余談ですが、信長さんが自分を「張良」に例えていたのは、笑いました!
いや、立場的にはそうなりますかね、すると蕭何はサンジェルミ伯? もしくは陳平?
閑話休題。
それはともかく、次々と西から敗残兵がやって来るのは、信長さんの想定の内。
しかし、そこで人間は人間で、エルフやドワーフはそれとは別に、再編成をおこなう
という話は、なかなか興味深かった。
「みんな仲良く世界を救おう」なんてことは、「できぬ」と考えている豊久さんや、
他の面々は、さすがといった所でしょうか。
大きな脅威を前にしたからといって、昔日の恨みを忘れられるということはない。
というのは、ある意味、人間を含めた知的生命体にとって絶望ともいえる断絶ですが、
それは現実的でもあります。
軍事は、嫌なくらいに現実的なもの。
それをわきまえる武士たちの会話に、ゾクッと来るものがありましたよ。
などなど、多聞さんとスキピオさんの邂逅から、豊久陣営のお話まで、
色々あったものの、この間にも黒王軍は迫りつつあるわけで、はたしてどうなるのか?
不安をはらみつつも、今後も楽しみです!