『恋愛ラボ』12巻 (宮原るり 先生)
作者は、宮原るり先生 (サイト:ヘッポコロジー)
表紙は、ナギとリコ!
・・・ですが、ナギの胸元をつかみあげるリコという構図。
その意味するところは・・・!? といった大進展の12巻であります。
【文化祭で動くそれぞれの恋模様】
●リコ&ナギ・・・ 告白!
ついに、この時が!!!
藤崎女学院の創立100周年記念式典から、藤女の文化祭、
さらに南中との合同文化祭という、めまぐるしいスケジュールの12巻。
その中で、一大決心をして臨んだリコ。
ナギを追いかけ、かつての彼の告白に気づけなかったことを謝りつつ、
出てきた言葉は・・・「大好きだ」。
1度は、恥ずかしさから誤魔化そうとしたものの、
逃げてはダメだと自分に言い聞かせ、自分の想いが特別なものであることを、
赤面しながらも、しっかり告白する場面には、震えるほどヒートしましたね!
2人の関係はどうなるのか?
告白後、勢いに任せて、あれこれまくしたてるリコでしたが、
「余計なことばっか言った~」なんて、ヒドイ告白になったことに
身悶えしています。
それでも後悔しているわけではない所は良いですね。
これだけ自分をさらしたのだから、後は攻めあるのみと考えているのが頼もしい。
まあ、告白なんて理想通りにいくことはまれでしょうし、多少みっともなくとも、
自分の想いを伝えられれば成功と言っても、過言ではないでしょう。
一方で、告白を受けたナギは、突然のことに戸惑っている様子。
過去のことから、リコに振り回されまいと構えつつも、自分の気持ちにどう向き合うか
悩みまくっていて、リコから逃げてしまう状態になっています。
かつて(ずっと?)好きだった人からの告白。
けれど、1度は自分からの告白をかわされたわけで、心中複雑なのも当然ですね。
ただ、ボールはリコから投げられているわけで、次にボールを返さなければならないのは
ナギの方なのですから、ここからどう彼の気持ちが固まってゆくのかには注目したい所です。
●マキとヤン
自覚の扉を開くマキと、変化しつつあるヤン。
サヨ先輩とユウくんの関係を見て、己の気持ちに気づいてしまうマキ。
苦手だった彼のことを好きになる、そんな関係と自分を重ねたようで・・・
はじめは何かの間違いだと、自分で否定しようとするものの、
何かとヤンのことをかばったり、彼が正当に評価されると嬉しくなったりすることで、
ついに認めざるを得なくなってしまうところは、誠実かつ可愛らしかったですね。
一方でヤンも、マキがやたらと自分のために頑張ってくれることや、
嬉しそうにしているのを見て、彼女をだいぶ意識してしまっている様子。
このあたり、じっくり歩み寄りつつあるといった雰囲気。
ついにマキが自覚を持ったことで、色々と動き出しそうではありますが、さて?
●エノとハル会長
こちらも告白・・・かな?
合同文化祭で会うのを楽しみにしつつも、恥ずかしがるエノ。
しかし、ハル会長が南中女子に囲まれているのを見て、一気に不機嫌になったり、
コロコロ変化する彼女の心情が面白かった。
のですが、体育祭の時、ハル会長の学ランを借りたかったのは自分だと、
彼に知られてしまって逃げ出すエノ。
その後、ハル会長は何かの誤解だろうと考えていたのですが、
エノが回りくどい言い方で、誤解ではないことを伝えていたのは、
これまた告白っぽくて熱い展開でありました。
まあ遠まわしすぎて、ハル会長も困惑している所がまだまだなのですが、
それでも天然の「かけひき」が始まったりして、この2人の関係も気になります。
●サヨとユウ、スズとレン
ここでも大きな進展が・・・?
この12巻で、リコに次いで注目すべきなのは、サヨ&ユウでしょう。
文化祭にやってきたユウくんが、そこでハル会長と話をするサヨを目撃。
そこから2人の関係を誤解をしてしまい・・・
なんて感じだったものの、めそめそするユウくんを一喝しながら、
彼が自分の恋人であることを、高らかに宣言するサヨが素晴らしかったですね。
あれだけ苦手にしていたユウくんを、他人の前で恋人認定。
サヨにしてみれば思い切ったことを言っているわけで、感慨深いのですけども、
その後、彼から逃げ回る姿は愉快でした!
そして、スズ。
レンくんに会った際、マキの話題を出されて胸が痛んだり、マキとの関係進展に
協力を求められて思わず拒否してしまうあたり、無自覚ながらも重症っぽい。
さらに、マキを意識して髪を伸ばそうなんて言い出すなど、
レンくんに対する思いを深めている感がありましたね。
サヨはすでに、ユウくんとは交際しているわけですが、スズの方は自覚もまだっぽく、
これからといった雰囲気で、ここからどうなってゆくのかは見所かもしれません。
【その他】
●新聞同好会と、モブ男子
文化祭で接近。
12巻のおまけ(追加)要素だったのが、新聞同好会とモブ男子のお話。
文化祭の取材をする同好会と、演劇のシナリオを書いたモブ男子たちが、思わぬ接近?
まあ、取材対象だっただけですけども、藤女の女子と直接話をできたというので、
線数が増える男子たちには笑いました!
そして、一番大事なのは、新聞同好会に大きな変化がやってきたこと。
実は「まんがタイムスペシャル 2016年12月号」で、新聞同好会が「新聞部」と
表記されていたのですが、私はそれについてスルーしてしまったのですよね。
いや、正直な話、「あれ?部だったっけ??」とは思ったのですが、
どこかで部に昇格したのを失念しているだけかも、と考えて言及できなかったのです。
その真相が、このおまけ漫画で描かれていて、ようやく得心できました。
そう、新聞同会が「部」になるお話。
これには「やられた~!」となってしまいましたよ、素晴らしかった!
●どこかで見た人々
他作品からのゲストさんたちも・・・
『みそララ』のスズ兄と姉は、これまでも登場していたのでお馴染みですけど、
『僕らはみんな河合荘』から、住子さんと喫茶店の店主さんが出てきたのは驚きでした。
相変わらずのシスコンぶりを発揮する兄と姉が可笑しかったり、
藤女OGとして河合荘関連の人たちが出てきたのも楽しかった!
これらの作品は、岐穂市という世界でつながっていて、こうして同じ時間を共有している
と考えますと、なかなか趣深いものがありますね。
ただ「みそララ」は、第一部完したままなのですけど、いつか再開するのでしょうか。
私、気になります!
などなど、全方位で恋愛加速となった12巻。
リコの告白にナギはどう返事をするのか? 自分の心を自覚したマキの行動は?
エノとハル会長の“かけひき”はどこへ行きつくのか? スズの自覚はいつになる?
サヨはまあ平常運転でしょうけど(ォィ、それ以上の進展があるのかないのか・・・
諸々が気になりつつ、次はクリスマス会が大きなイベントになりそうということで、
今後もますます楽しみです!
【まんがタイムスペシャル 連載時の感想】
◆ 2016年 5月号 マキ、ヤンを討つ! そしてエノも告白・・・?