ずっと前は、うるさいぐらいおしゃべりだったヒイちゃん。
甲高い声と、山独特の言葉とイントネーションで、いつも楽しそうにおしゃべりしていたヒイちゃん。
何年もたち、今はほとんど言葉をしゃべらなくなったヒイちゃんだけど、
たまに、「いた~い」とか「つめたい!」とかはっきりと言うので、まったくしゃべれないわけでもなく、しゃべるのが面倒なんかなと思う時があったりする。
顔をくしゃくしゃにして嫌な顔をしたり、「あ”~~っ、もう!」と怒ったような顔をすることもあるので、感情が平坦になってしまったわけではないと思っている。
その証拠に、ほとんどの場合ヒイちゃんに「目力」があるので、ヒイちゃんが何も言わなくても私たちは、ヒイちゃんが笑っているのか、怒っているのか、呆れているのかがはっきりわかるのだ。
さてさて、そんなヒイちゃんのある日の出来事。
ヒイちゃんの口にご飯を運ぶワタクシ。
ヒイちゃん、口からベロっとご飯をそのまま吐き出す。
お茶やスープは飲み込むくせに、そしてお野菜は飲み込むくせに、ご飯だけベロっと吐き出す。
ベロッと吐き出したご飯の塊は、ヒイちゃんのお腹あたりにベロッと張りついている。
もう一度ご飯を口に入れてみる。
やっぱりベロッと口から出す。
「食べたくないんや。」と確信したワタクシは、冷蔵庫にあったヨーグルトをヒイちゃんに持ってくる。
「ヒイちゃん、これは?」と口に入れると、ムセることもなくヒイちゃんはヨーグルトをゴクゴクと飲み込んだ。
「ヒイちゃん、美味しい?」とワタクシがヒイちゃんに聞いたら、ヒイちゃんははっきりとこう言った。(ように思った)
「そりゃ、うまいに決まっとる」
そして、ヒイちゃんはニコッと笑った。(ように思った)
ヒイちゃんの声が確かに聞こえる。
「ごはんより、もっとうまいものおくれや。」
「いっぱいおくれ!もっとおくれ!」
と元気に歩きまわっていた頃のヒイちゃんの声が聞こえる。
はっきりとしたヒイちゃんの意思が、はっきりとワタクシの心に響く。
やっぱりヒイちゃんはヒイちゃんやな~。
いっつも黙っているけれど、
ヒイちゃんはヒイちゃんのままで、
やっぱり親分のヒイちゃんであり続けてほしいものだと、
池さんに君臨し続けてほしいものだと、
思うワタクシです。
来年もどうぞ、よろしくね、ヒイちゃん。
眠っているヒイちゃんが、なんか返事したような・・・
と思ったら、リンちゃんの寝言でした!
いえ、寝言じゃなくて、久しぶりに歌を歌っているリンちゃんでした!
まあそれはそれで・・・これはこれとして・・・ちょっとうるそうございますので、
このあたりで、皆様ごきげんよう。
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