みんなの心にも投資 … ソーシャルインベスター(社会投資家)への道

個人投資家の”いとすぎ ”が為替・株式投資を通じた社会貢献に挑戦します。すべてのステークホルダーに良い成果を!

春の新刊 -『パラサイト難婚社会』『ウルトラ・ニッチ』『「叱らない」が子どもを苦しめる』etc

2024-03-24 | こんな本を読んでいます
恒例の新刊紹介です。
ガザ・イスラエル関連の新刊が少ないのは
日本国民の関心の薄さを示唆するものとしても、
円安・インフレ関連の本が目立たないのは
早くも「喉元過ぎれば」ということなのでしょうか?

今年の大きなテーマがまだ見えないなかで
家族・教育・安全保障・企業社会など人々の関心が
バラけている印象ではあります。


『パラサイト難婚社会』(山田昌弘,朝日新聞出版)


 → 日本のZ世代の結婚観は保守的で昭和と殆ど変わらず、
   しかもタイパ・コスパに拘っていると未婚離婚が確実に増え「難婚社会」必至である。


『なぜ東大は男だらけなのか』(矢口祐人,集英社)


 → これは批判的読み込みが必要な一冊、
   東大が男子学生ばかりで「男が八割」なのは女子含め
   学部選択のジェンダー・バイアスが強固だからであり、
   工学部偏重の歪みを是正して外大・芸大・看護と合併すれば
   大幅に女子学生比率が上がる
という単純な事実すら理解してない。。。


『「叱らない」が子どもを苦しめる』(藪下遊,筑摩書房)


 → 学校で不満なことがあると「いじめ」だと言い出す子供、
   修学旅行がつまらないと苦情を言う親が出現する奇妙な現代日本で
   新しいタイプの不登校が増えている。。


『オホーツク核要塞 歴史と衛星画像で読み解くロシアの極東軍事戦略』(小泉悠,朝日新聞出版)


 → 第二次安倍政権の対ロ交渉が完全な失敗とし、
   優先されるのはMDと主張しているのはいずれも正しい。
   ロシアに媚びる日本の元外務省の論者による口だけリアリズムとはまさに格が違う。


『ウルトラ・ニッチ――小さく始めろ!ニッチを攻めろ!』(浜田寿人,ダイヤモンド社)


 → 経済・経営関連では数少ないお勧めできる新刊、
   「失われた30年」でも日本には優れた人材がいることを改めて確信させる。
   日本企業の売上が長らく低迷したままなのは、
   人材ではなく政治と政策が悪いからなのだ。
   (猶これ堀江氏の本ではない、氏は「世界のメジャー」を目指す気概は既にないようだ。。)。


『シン・日本の経営 悲観バイアスを排す』(ウリケ・シェーデ,日経BP/日本経済新聞出版)


 → こちらは批判的検証が必要。
   他者を悲観バイアス呼ばわりする著者こそ確証バイアスの典型で、
   東証の円安バブルがここにも波及したものと思われる、
   これを真に受けて喜ぶのは日本経済衰退の紛れも無い証左。


『罰ゲーム化する管理職 バグだらけの職場の修正法』(小林祐児,集英社インターナショナル)


 → 上の著書で賞賛されている日本企業、皮肉なことに組織的病弊が顕在化している。
   何故か日本だけ管理職の健康度が悪化しており、その謎の解明を試みた一冊である。
   (平均寿命が短いことで知られていたサービス業の労働者も改善しているのだが。。)。


『なぜマンションは高騰しているのか』(牧野知弘,祥伝社)


 → 外国マネーによる浮かれた泡沫現象、
   無視された日本国民は中古を買うしかない。
   (タワマンのハイリスクも益々明らかになってきている。。)


『工作・謀略の国際政治 - 世界の情報機関とインテリジェンス戦 -』(黒井文太郎,ワニブックス)


 → お馴染み黒井氏が安全保障と密接に結び付いている諜報の最前線をレポート、
   早くもガザ紛争の裏面を分析しているのが興味深く、
   他にはウクライナでのCIAによる支援なども見ておきたい。
   (CIAも苦戦している中共にもっとページを割くべきと思うが。。)


『「断熱」が日本を救う 健康、経済、省エネの切り札』(高橋真樹,集英社)


 → 理屈として窓重視は理解出来るが湿気の多い日本では鵜呑みに出来ない、
   地中熱やコージェネ、V2Hと組み合わせて考える必要があろう。


『開業医の正体 患者、看護師、お金のすべて』(松永正訓,中央公論新社)


 → 診療所の診療報酬が病院の数倍である(全く同じ医療行為なのに)
   ことを正直に書いた点をまず賞賛したい、
   ただドイツのような開業規制により勤務医と負担を分かち合う発想は全くなさそうだ。。。


『死に方のダンドリ』(冨島佑允/奥真也/坂本綾子/岡信太郎/太田垣章子,ポプラ社)


 → 高齢者が賃貸の大家に忌避されるのは、
   実際に屡々家賃の長期滞納やごみ放置で大損失になるからである。


『サバの味噌煮は、ワインがすすむ 小泉武夫の「わが季節の食卓」』(小泉武夫,日経BP/日本経済新聞出版)


 → 最後にこちら。これは企画の勝利であり、
   ありそうでなかった一冊で先頭の写真も良い。
   日本経済新聞夕刊での連載を纏めたものだそうだが一冊に纏まっていると便利だ。

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2024年3月第3週チャート

2024-03-24 | 注目投資対象・株価の推移
日銀がゼロ金利から脱し引き締め方向に転じたのに、
スペックは更なる引き締めは当面ないと見て円売り攻勢。
金融引き締めで通貨安という皮肉な結果となった。

周知の通り、安倍が始めた自国通貨切り下げこそ
実質賃金低下の元凶であり輸入価格インフレの根源である。
そこで市場でも当局の為替介入が想定されている訳だ。

但し、2010年頃がそうだったように日銀よりFRBの金融政策の方が影響が大きい。
FRBがなかなか利下げできない状況において為替介入の効果も対症療法に過ぎないから
あたかもスペックが介入を催促するように様子を伺いながらじりじり円売りする展開だろう。

そして介入や或いは円高急伸によって東証は急落することになる。
東証の高値は要するに円安バブルに過ぎないという真相も露呈してゆくのだ。


ドル円がオーバーシュート、東証との連動性が高い


ポンドは途中まで強い展開だったが、材料出尽くしで急落(ロングが多いとこうなる)


(以上のチャートはZAI)

8306は強く切り返し、8316ともども再び高値を窺う動き


為替頼みの7261はやや疑心暗鬼、7270の方が強含み


7606はモメンタム低下してきたが、かと言って下に推されている訳でもない


(以上のチャートはRakuten.sec)
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