みんなの心にも投資 … ソーシャルインベスター(社会投資家)への道

個人投資家の”いとすぎ ”が為替・株式投資を通じた社会貢献に挑戦します。すべてのステークホルダーに良い成果を!

『週刊ダイヤモンド』1月13日号 - 日本のFIT価格は世界的に割高、利権勢力が喜んでバッシング中

2018-01-12 | 『週刊ダイヤモンド』より
今週の週刊ダイヤモンド、食と健康特集はかなり勿体ない。

医師・栄養士アンケートに期待していたが、今一つ焦点が絞れていない。
医療関係者や栄養士が注目する食や生活習慣に絞り
エヴィデンスと主観的評価に分けて分析すれば良かったのでは?

コンビニ・外食にしても、健康志向を受けて様々な商品が出ているので
「健康貢献度・競争力ランキング」「専門家の高評価商品ランキング」
でも作成すれば良いのに。(栄養士などに比較評価して貰うと面白い)

……本当は、そもそもコンビニに行かないで賄うのが望ましく、
本当に栄養バランスや健康に気を遣うと必然的に粗食に近くなるので
ビジネスになり難いのではあるが。(自己管理できる人がライザッ●不要なのと同じ)

『週刊ダイヤモンド』2018年 1/13号 (科学とデータで迫る最強の食事術)


エントリーのサブタイトルに掲げたのは104頁の「太陽光発電の爪痕」。
日本のFIT(固定価格買取)は世界的に見ても高コストであるのが明白だ。

当ウェブログは前々から「メガソーラーを排除せよ」、
「コージェネの固定価格買取の方が低コスト」、
「適地をゾーニングして低コストの風力を優先すべき」と繰り返してきたが
本当に呆れ果てた結末である。民主党政権も安倍政権も「落第生」だ。
これでは電力利権勢力が大喜びして原発稼働の口実にするだけである。

制度設計の下手な民主党政権と、リテラシーの低過ぎる安倍政権が「共犯」となり
日本の再生可能エネルギー普及を事実上「妨害」していると言っても過言ではない。

日本のエネルギー政策は、本来ならコストと持続可能性を重視して、
風力発電と省エネ(主にコージェネと地中熱)に「傾斜配分」すべきだったのである。

誤った制度設計でコスト対効果を劣悪にした民主党政権、
根本的なリテラシー欠如の上に利権温存を企んだ安倍政権の罪は余りにも重い。
後世に莫大なツケを残し、利権を温存してエネルギー政策を歪め、持続可能性も損なったのだ。

    ◇     ◇     ◇     ◇

東洋経済もダイヤモンドと同種の特集だが、こちらも今一歩な印象である。
「情報を疑え」ということであれば、この東洋経済の情報も批判的に読む必要があろう。

健康ビジネスから「生活習慣」に話が飛んでいるので、
総花的な散漫になるよりどちらかに集中した方が面白かったのでは。

サブ特集の「ZOZO・アマゾンが攻勢 瀬戸際に立つアパレル店舗」の方が良かった。
矢張り百貨店側にはZOZOから人を抜き連合体で対抗して欲しいものだ。
小異を捨て大同に就くことができれば対等に戦えるし、海外富裕層との接点も増えよう。

因に、サブ特集が二つあるが、もう一つは不吉な兆候だ。
現代アートに注目が集まるのはバブルの明白な特徴である。
(リーマンショックの前も、現代アートにバブルが生じていた)

『週刊東洋経済』2018年1月13日号 (間違いだらけの健康常識 健康食品&情報を疑え)


対照的に、「産業リポート」は良かった。
「シリアルで挑む中国進出」と題したカルビーのレポートで、
昨今の日本企業としては珍しく自力で企業を飛躍させた数少ない例と言って良い。

    ◇     ◇     ◇     ◇

『週刊エコノミスト』の「トップインタビュー」は余り見るべきところがない。
日経ビジネスで稲森和夫氏が厳しい口調で日本企業を批判しているのに比べると、
どうしても弛緩した「内向き」(つまり社内や業界内ばかり意識)の印象である。

稲森和夫氏は、日本企業の現在の状況が「努力してうまくいっている訳ではない」と
はっきり言い切っており、非常に強い危機感を持っている。

安倍政権が、政治献金とのバーターで利益誘導政策を行うモラルハザード、
そして世界経済が日本より遥かに堅調であるという二重の僥倖によって
日本企業がひと息つけているだけであり、真の意味で躍進した企業はひと握りだ。
稲盛氏のような真摯な危機感の乏しい財界は今後、過酷な試練を受けることになろう。


今週号のインタビュー「危機は再びやってくる」は悪くないし、
恐らく的確な見方なのであるが、根拠が曖昧だ。
これでは欲の皮が突っ張って盲目になった連中は耳を傾けないだろう。

『エコノミスト』2018年 1/16号


実はエコノミストもFIT関連の記事がある。
しかし、元資源エネ庁の石川和男氏だからまあ露骨な業界寄りだろうと思っていたら案の定。
輸入バイオマス批判は正しいが、それを言うなら電力大手の石炭火力バイオマス混焼も同罪だ。
前者を批判して後者に沈黙する、いかにも既得権擁護の論だった。。
また、エネルギー効率を考慮すれば「地域分散型のコージェネ」にすべきで、
熱利用がメインだから「コージェネ限定で固定価格買い取り額を低くすべき」が正論の筈。
その程度の話も全く出てこないので、本当にやれやれである。


…それより今週号は「WORLD WATCH」の方が遥かに有益である。
アメリカでシカゴ学派が厳しく批判されているとか。
寡占や独り勝ちを容認することで企業収益が増える反面、
価格は上昇しサービスは低下、雇用は不安定化したとの主張である。
イデオロギーではなく実証的に論じていけば新たな発見に繋がり、
対米追従の日本の経済学者やエコノミストが改心する可能性も出てくる。

あと驚くべきことに、ブラジルでルラ氏が再び大統領になる可能性があるとか!
労働党の政治家としては傑出した手腕と人気を誇るだけに、あり得ないことではない。
(貧困対策でははっきり言って安倍政権より勝っている)

    ◇     ◇     ◇     ◇

次週もダイヤモンドに注目、全般的に不作の予感が漂うが時流に乗った仕事術特集に期待。

▽ 追い詰められた毎月分配型投信について記事があるらしい

『週刊ダイヤモンド』2018年 1/20号 (メール・Excel・名刺管理 仕事超速化の技)


▽ ダイヤモンドの得意分野で真っ向対決を挑む

『週刊東洋経済』2018年1月20日号 (その契約、本当に必要? 保険に騙されるな)


▽ エコノミストはよくある「見てみないと何とも言えない」特集

『週刊エコノミスト』2018年01月23日号

「座れる通勤列車」の相次ぐ登場は、企業社会の老齢化が原因と思う。
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする