みんなの心にも投資 … ソーシャルインベスター(社会投資家)への道

個人投資家の”いとすぎ ”が為替・株式投資を通じた社会貢献に挑戦します。すべてのステークホルダーに良い成果を!

「教育国債」は自民得意のバラ撒き、選挙に勝つための党利党略 - 就学前教育でないと非効率・不公平

2017-03-14 | いとすぎから見るこの社会-格差の拡大
自民党は本気で「教育国債」を実施しようと考えているようだ。
勿論、ひたすら選挙に勝つための党利党略に過ぎず、
社会的利益や公正を考えて打ち出す政策でないのは言う迄もない。

学費負担の引き下げは公共事業バラ撒きと酷似しており、
経済的効果が著しく劣悪であるのは当然であるが、
(学費の安いフランスやドイツの低成長を見るがいい)
高水準の高齢層バラ撒きを維持しているのだから始末が悪い。

つまり、教育国債による学費負担軽減は
効果の乏しい劣悪な経済政策であるばかりか、
高齢層に集中する資産格差をも放置する衆愚的な政策である。

高等教育にカネをバラ撒けば日本社会の抱える問題が改善すると考えるのは思考停止の証拠であり、
我が国は高学歴女性の就業率が先進国の中で最低レヴェルであることは周知の事実である。
また、私立大学の過半数は既に投資対効果で言えばマイナスに転落している筈だ。

財政面の懸念での反対が政府内や財務省から出ているそうだが、
それ以上に「効果の乏しいバラ撒き」である点がより重大である。

本気で経済効果を最大限にし雇用を増やそうとするなら、
大学教育ではなく保育や学童に予算を投入する筈である。
その程度のことも分からないような次元の低い政党がのさばっているから
日本経済が停滞し、世襲格差が固定化される状況に陥るのだ。

▽ そもそも、経済的・社会的効果は大学より就学前教育の方が大きい(かつ平等である)

『超少子化: 異次元の処方箋』(NHKスペシャル「私たちのこれから」取材班,ポプラ社)


▽ アメリカでは貧困層は営利大学に通うことが多く、卒業率は低く奨学金の恩恵も少ない

『アメリカの大学の裏側 「世界最高水準」は危機にあるのか?』(アキ・ロバーツ/竹内洋,朝日新聞出版)


当ウェブログが批判した自己欺瞞は、変わらないどころか益々深刻化している。

「安倍政権も反貧困派(若しくは無責任なリベラル)も自己欺瞞ばかり得意で、
 貧困対策を真面目に行う気がなく、問題を却って深刻化させている始末だ」

「日本国民は、就労に復帰できる層への効率的な支援には同意しても、
 手が焼ける層への給付には強烈に反発するだろう」

「そうした面倒な状況がある上に、経済リテラシーのない反貧困派が
 北欧のような峻厳さのないバラ撒きを要求するから益々事態が悪化するのである」

「「他人に金を払わせようとする」反貧困派は、自分達が正しいと信じているなら
 まず自らがカネを出して住居を工面して貧困層を支援してから言うべきである。
 (そうすれば問題は容易に解決しないという現実がやっと見えてくる)
 そして、欧州諸国並みの重税を自分が払ってから言うべきである。
 北欧がなぜ日本より法人税が軽く、間接税が重いのか。彼らはそれすら全く理解していない」

「日本において「年金が足りない」という人々の話を聞いてみると、
 殆どが「これまで払い込んできた保険料が少ない」というだけのことが多く、
 メディアは彼らの言い分を垂れ流しにしてはならない。
 それは騙されやすい自らの能力不足を証明しているに過ぎない。
 (重病や介護でより深刻な状況にある人々は他に大勢いるのだから)」

「現下の年金制度の劣化には、冷厳な事実を伝えない主要メディアの拝金主義にも責任がある。
 利己的で次世代に借金の山を残そうとする国民の鼻息を窺い媚びた報道ばかりしているからだ」

「「年金不足の犠牲者」という誤ったイメージを捏造することで、
 犠牲者を悼むのではなく、犠牲者を利用して年金給付の少なさを強調したい薄汚れた欲望が
 こうした虚像と自己洗脳的な報道を生んだのである」

「その証拠に、50年間にも渡って年金を詐取していた岐阜県での犯罪については
 碌に報じられていないし注目もされていない。(総額は5000万円以上に達する結構な額である)」

「つまり、「貰える年金が少ない」と主張するのに役立つ事件を選んで騒ぎ立て、
 自己の利益を増大させようとしているとしか考えられない行動である」

「そうした受給者の利己的行動は致し方ないものと言えるかもしれない。
 しかし、メディアがそれに乗じて金儲けを狙うとなると話は全然違ってくる。
 もはや「許し難い」域に入っているとすら言えよう」

「社会保障を維持して高齢層の生活を支えたいなら、
 公的年金控除と退職金控除を大幅カットし、
 高齢者雇用を生み出す企業や非営利セクターに移転すべきである。
 就業していないと健康状態が悪化するのは既に調査で確認されている」

「名古屋大学が日米中印の四ヵ国で意識調査を行った結果、
 日本の高齢層の特徴としては「金融資産」「年金の多さ」によって
 不安が減少することが判明したと言う」

「因に、「家族」が不安を和らげていない点では日米中印すべて同じであるが、
 金融資産と年金に関する特徴的な傾向は日本だけに顕著だったようだ」

「これは「拝金主義」としか言いようがないだろう。
 日本人は遺伝的な要因で不安が強いことが知られているが、
 その不安がカネで左右されているのだから他に考えようがない」

「有権者の中で最も数の多い年金受給者層が
 金銭給付を受けないと不安であるからこそ、
 自分が負担してもいない過剰な年金給付を求めるのである」

「だからこそ1000兆円近い過剰貯蓄(死に金)が日本に存在するのであり、
 だからこそ貧困に苦しむ若年層や子供の苦しみを無視できるのである」

「日本の高齢層は、個々人によって金融資産の額に大きな格差があることが知られている。
 不安が大きいから「将来に備えて貯蓄を過剰なまでに積み上げ」るのではない。
 利己的で他人の苦しみに同情せず、平等を嫌っているから資産格差が生じるのだ」

「我が国の醜悪な社会保障の歪みの根源には、
 数の多い高齢有権者にバラ撒きを行う政治家の買票行為と、
 利己的な有権者の貪欲な近視眼と、程度の低いメディアの煽動が
 がっちりと「モラルハザードのトライアングル」を形成しているという現実がある。
 このままでは、「コラテラル・ダメージ」を逃れることは絶対にできない」

「日本より遥かに財政が健全な北欧は年金給付にも課税するし、
 退職金は殆ど貰えない。介護サービスは日本より簡素だ。
 日本と違って当人が負担もしてない給付は行われないのである」

「年金問題においてもまともな議論が成立していない。
 いずれ危機を迎える老化した国の悲しい現実である」

「無責任な本が何十万部も売れている能天気な日本は、
 ソ連崩壊時のような経済危機・財政危機を必ず迎えることになる」

「無知は時によって重大な過ちに結びつくことがある。
 我が国は国債を発行してまで高齢者三経費に年に約30兆円の巨額公費を投入している。
 借金して豊かな高齢層にもバラ撒いている訳である」

「「下流老人」は、同世代の我利我利亡者に憤懣をぶつけるべきであり、
 現役世代にコストを転嫁するのではなく、世代内扶助を求めるべきなのである」

「事実、総務省調査によれば、リーマンショック後の経済低迷期に
 高齢層の預貯金は増えているのに現役世代の預貯金は逆に減っている」

「我が国の国債発行残高が一貫して伸び続けている一方で、
 日本の高齢層の家計金融資産も殖え続けていることから、
 我が国の社会保障の本質は「政府と未来世代から現在の高齢層への所得移転」であるのは明白だ」

「ファイナンスに喩えれば、忌まわしい「蛸足配当」に他ならず、
 日本社会は今、金の卵を産む鶏を殺してその血を啜っているのである」

「我が国には「偽弱者」が非常に多く、彼らの嘘の集積が社会保証制度を歪めてきたのだ。
 彼らの醜い本音は「同胞だろうが他人に分けるカネはない」である。
 「老後不安」や「生活できない」という偽装された言葉は信用できない」

「また頭の古い自民党議員から問題発言が飛び出した。
 案の定、2012年に大量発生した「敵失」によって当選したタナボタ議員だ」

「最も問題なのは、義務教育を「しっかりやれば貧困はありえないと言いたい」などと
 とんでもない勘違い発言を平気で行っていることである」

「日本の子供の貧困率が過去最悪の16%を超えている現実をも知らず、
 よくもこのような厚顔無恥の発言を口にできるものだ。
 こうした無知と傲慢こそが我が国の子供を苦しめる元凶である」

「歴代の自民党政権の失政のために我が国の成長率が低迷の一途を辿り、
 貧困率が刻々と上昇しているという明白な現実を全く認識していないのは、
 国会議員として厳しい懲罰に値すると言っても過言ではない」

「何故なら、国民の貧困化の原因は第一に自民党の経済政策の失敗にあり、
 第二に再分配効果が乏しいことで知られる歪んだ社会保障制度を作り上げたのも自民党政権だからだ。
 痛切に反省して然るべきであるのに、勉強不足も甚だしい」

「また、高齢層だけに異常に偏った社会保障給付を維持してきたのも自民党だ。
 現役世代に大きな恩恵を及ぼす北欧型の社会保障制度であれば、
 これほど出生率が低迷することはなく、女性就業率も経済成長率ももっと高かった筈だ。
 だから、二重の意味で赤枝議員の罪は重い」

「医師である赤枝議員の問題は更に大きい。
 我が国では、学費が高額であることで有名な私立医大の学生は
 およそ半数が医師の家系であることが判明している」

「つまり赤枝議員の「高校や大学は自分の責任で行くものだ」という発言は根本的に間違っていて、
 「大学は医師家系で子に安定収入を受け継がせる手段と化している」のが正しい」

「赤枝発言の唯一の功績としては、自民党には頭の古い議員が確実にいて、
 現代日本の抱える問題への取り組みを怠り、既得権を擁護している事実を明らかにしたことだ」

「貧しい若者から搾取したカネを豊かな高齢層にバラ撒いているため、
 頑張って働く者から働かない者(高齢者、専業主婦)にバラ撒いているため、
 日本の歪んだ社会保障制度それ自体が低成長・消費減減退・少子化の元凶となっているのだ」

「事実、日本経済新聞は直近2年間の賃上げの半分が社会保険料に食われてしまっており、
 大企業の健康保険料は9年間で5万円も上昇していると報じている」

「ただでさえ安倍政権の愚劣な政策のために実質賃金が下落しているのだから、
 高齢層と安倍政権が二重に日本の現役世代を貧しくしているという図式である」

「高齢者バラ撒きを始め、醜く膨張させてきた自民党の自浄力に期待する方が間違っている。
 自民党の支持層こそ、巨額資産を死蔵しバラ撒きを受ける富裕高齢層とその予備軍だからだ」

「湯浅誠氏がyahooに寄稿した記事が話題になっているが、
 残念なことに完全に間違った内容である。
 計算すれば小学生でも分かる程度の話なのだ」

「4億円程度の寄付で日本の子供の貧困が緩和される訳がない。
 対象層の子供全員に4億円を配ったらコンビニのお握り1個分程度であり、
 子供の貧困率に与える効果はほぼゼロに近いのである」

「勿論、河野氏の志は素晴らしいもので、
 少子化に対する危機感にも心から賛同する。
 しかし、幾ら志があっても数量的に足りな過ぎる」

「記事内容から見て、河野氏はこの国の社会保障制度がいかに歪んでいるか、
 いかにその場凌ぎで持続可能性の低い制度であるか、充分に理解していない」

「我が国の社会保障制度は、我が国の家計金融資産の殆どを占有している高齢層に、
 30兆円に迫る膨大な額の公費(未来世代の払う借金も含まれている)をバラ撒いている」

「4億円程度の額ではせいぜい、「焼け石に水」でしかないのだ。
 最低でも4億円の2000倍以上、つまり1兆円は必要である」

「河野氏に倣う富裕高齢層があと2000人はいなければならないのだ。
 そうした水準に至れば漸く、子供の貧困率をはっきりと低下させることができる」

「寄付を募って何とかできるとの空疎な幻想にすがってはいけない。
 今すぐ、富裕高齢層への巨額給付を徹底的に削減し、
 貧弱過ぎる育児支援を一気に増やさなければならない」

「高所得層ほど恩恵を得ている配偶者控除をなくし、
 育児世帯への現物給付と低賃金労働者への給付付き税額控除に予算移転しなければならない。
 愚図愚図と無駄に時を過ごしていると、それだけ日本経済に及ぶ害が拡大する」

「また、河野氏が考えているように寄付では問題は解決しない。
 日本の貧困問題はそもそも家庭の抱える深刻な問題に由来することが多く、
 現金給付ではなく現物給付と非営利組織のサポートがなければ普通の生活も送れないのだ」

「貧困対策に熱心な団体も例外なく国民負担の問題を直視せず、
 費用対効果を考慮した政策を提言する能力に欠けていて
 カネさえあれば何とかなるように幻想を振りまいている」

「日本の貧困問題が二重の意味で深刻なのは、この社会に
 こうした自己欺瞞的な構造が深々と根付いているからだ」

安倍政権と利己的有権者層こそ、日本社会を醜く歪ませた根源である。

▽ 日本は若年層や貧困化する育児世帯から搾取したカネを、豊かな高齢層にバラ撒くから社会が歪む

『中間層消滅』(駒村康平,KADOKAWA/角川マガジンズ)


今こそ、苦労を重ねた戦前・戦中世代を見習うべき時である。

「戦前生まれの日本の高齢層は足るを知り、人々から尊敬されていた。
 しかし、戦後生まれの世代から質が明らかに変わっている」

「長く苦しい人生を越えて生じた円熟や何とも言えない優しさではなく、
 かつての学生運動や安保闘争のような非理性的な強い自己主張が目立ってきた。
 クレーマーが増えているというのもひしひしと感じる」

「小説家・佐藤愛子によれば、日本人は変わってしまったのだそうだ。
 高度経済成長期には勤勉だったのに、今はすっかり怠惰になってしまい
 損をしたくないとか楽に儲けたいとの意識が強まったのではないかと言う」

「無論、バブル世代やゆとり世代と同様、曖昧な「傾向」でしかないだろうし、
 同一世代の中でも大きな差違があるのは周知の通りだ」

「しかし、社会保障給付において負担以上の給付を求めている実態、
 若年層の貧困化や累増する一方の将来世代へ負わせる借金の山を見ず、
 目の前の損得にばかり拘る現状を見ると大きな疑問が湧いてくる」

「今の日本社会の現状は、一体誰の責任、どの世代の責任と考えているのだろうか。
 その模倣をしてひたすら自己の損得ばかりに注目する
 現役世代が増えてきつつある現状をどう考えているのだろうか」

「言わば「無意識の強欲」は下の世代にも「伝染」している。
 先が不安なら働いて少しでも所得を上げ、資産形成にも励むのが当然である。
 「いくらあっても足りない」という強欲な層がこれだけ多いのでは、
 日本社会の未来は暗いと言わざるを得ない」

「こうした意識が強いからこそ、
 相応の負担もしていないのに認可保育所を使わせろとか、
 自分が苦労するのはとにかく社会や企業のせいという歪んだ思考回路に陥るのだろう」

「その歪みは、碌でもない経済政策しか出せない安倍政権を増長させ、
 程度の低いバラ撒きで満足しほいほい支持率を上げてやるという愚行に繋がる。
 結果、次元の低い政権の延命に力を貸すという将来の災厄の深刻化に直結しているという訳だ」

上の世代の歪みは、確実に下の世代をも歪ませる。
理性と良識を取り戻さなければ、日本社会の欠陥は益々大きくなるであろう。

 ↓ 参考

佐藤愛子が指摘する日本人の劣化、「損をしたくない」「楽に儲けよう」- 安倍政権の高支持率を支える怠惰
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/670069e77889dd8c2322847bb113c4ba

4億円の寄付でも焼け石に水、子供の貧困は改善しない - 諸悪の元凶は富裕高齢層への数兆円のバラ撒き
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/30c6b5917ce590f0a7ad14fb92fe86d5‎

高齢者バラ撒きが賃金減・消費停滞をもたらした、自民党政権のバラ撒きの罪は重い - 賃上げの半分を奪う
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/2a71f6bc2afdeb5d864d672720c9f734‎

リーマン危機後に日本の高齢層は資産を増やし、現役世代は減らしていた! -『下流老人』は悪質な情報操作
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/e620858c75f84d5b091b8ec4191bc7d4

日本の高齢層は「家族よりもお金を重視」、国際比較調査で鮮明に - シルバーデモクラシーの明白な証拠
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/d81e6ed8d4908ae45a41f337711c9fc1

▽ 経済を最も落ち込ませているのが年金給付、成長させるのは育児支援だと研究で証明されている

『子育て支援が日本を救う(政策効果の統計分析)』(柴田悠,勁草書房)


子どもの貧困:勉強「授業だけ」13% 大阪府調査(毎日新聞)
http://mainichi.jp/articles/20170118/k00/00e/040/292000c.html
大阪府は18日、子どもの貧困や生活実態についての調査の分析結果を発表した。困窮世帯ほど子どもの学習理解度が低く、授業時間以外の勉強時間がまったくない割合が高いことが分かった。貧困が子どもの学習や生活環境に影響している上、必要な支援が届いていない実態が明らかになった。府は今年度中に、独自に調査する13市町を含む府内全域の結果をまとめ、対策を強化する。
 府は昨年7月、府内30市町村の小学5年と中学2年の児童、生徒とその保護者各4000人(無作為抽出)を対象に初めて経済状況や生活習慣などを聞く調査を実施。全体で約32%から回答を得て昨年10月に集計結果を発表した。今回は世帯の手取り収入などから、回答者の困窮の程度を平均的年収以上から困窮度が高い層まで四つに分け、経済面や家庭での子どもの学習、生活の状況をクロス集計などで分析した。
 その結果、困窮世帯ほど授業以外で勉強を「まったくしない」割合が高くなり、平均的年収以上は4%なのに対し、最も困窮度の高い層では13%を占めた。学習理解度も「よくわかる」「だいたいわかる」の割合が他の層と比べて低く77%だった。子ども自身や保護者が希望する最終の進学先として、中学・高校を挙げる割合は困窮世帯ほど高かった。生活環境では、困窮度が高いほど子どもの帰宅や夕食時に保護者が家にいる割合が少なく、平均的年収以上では93%、困窮度が高い層は85%だった。
 ひとり親世帯の厳しい経済状況も明らかになった。全体では世帯収入600万~800万円未満が22%で最も多かったのに比べ、母子世帯は200万円未満が35%、父子世帯は200万~300万円未満が22%とそれぞれ最も多かった。一方で困窮度が最も高い層で就学援助費を受けたことのない割合は23%、児童扶養手当は44%に上った。〔中略〕【武内彩】”

この調査で如実に分かるように、問題は大学進学以前にある。
貧困層は所謂インセンティブ・ディバイド(意欲格差)が根強く、
大学の学費を安くしたところで「砂に水を撒く」でしかないことは明白である。


子どもの貧困:教員5割が痛感 山梨県内のNPOアンケ(毎日新聞)
mainichi.jp/articles/20170212/k00/00e/040/189000c.html
”山梨県南アルプス市のNPO法人は「子どもの貧困」をめぐり県内の小、中学校教員に尋ねたアンケート結果をまとめた。5割は「子どもが貧困状態にあると感じたことがある」と答え、教育現場の課題になっていることを改めて印象づけた。ただ「学校が対応できた」との回答は約3割にとどまり、十分に手を差し伸べられていない現状を浮き彫りにした。【藤河匠】
 アンケートは「フードバンク山梨」が昨年9月29日~10月20日に実施した。
〔中略〕
 計212人の教員のうち153人(回収率72%)から有効回答があった。
 「昨年度以降、子どもが貧困状態にあると感じたことがあるか」を質問したところ、53%は「ない」と答えた。47%は「ある」と回答し、ほぼ半数の教員が、貧しさに直面する子どもの存在を目にしていることになる。
 深刻な状況にあることに気付いた「場面・状況」を11の選択肢から複数回答で選んでもらったところ、最も多かったのは「支払い、集金の未納」の26%だった。これに「衣服の汚れ、ほころび」の18%が続いた。
 さらに「貧困状態にある子どもを発見した時、学校として十分な対応ができていると感じるか」と質問。五つの選択肢から選んでもらったところ、過半数の51%が「わからない」と答えた。
 次いで多かったのは「あまりできていない」の20%。「できていない」は5%だった。逆に「できている」は7%で、「ややできている」は18%だった。
 貧困が子どもに及ぼす影響については、8割が「学習意欲が低い」と回答した。7割は「自己肯定感が低い」と答えた。
 フードバンク山梨の米山けい子理事長(63)は「子どもたちが貧困から脱出できるよう、より一層、学習支援にも力を入れたい」と語る。そのうえで「活動には資金も欠かせない。行政だけでなく、多くの人たちに、この問題を理解してほしい」と話した。”

安倍政権を含む歴代自民党政権が保育と学童を手抜きして、
票につながる高齢者三経費のバラ撒きばかりに必死だからこうなるのだ。
「学習意欲の低い」層に「教育国債」が効くなどと思うのは馬鹿者だけである。
北欧型の実学重視や積極的労働市場政策でなければ、こうした層に政策効果が届く訳がない。


住居の部屋数、学習時間に影響…東京都「子どもの生活実態調査」(resemom)
http://resemom.jp/article/2017/02/24/36756.html
”東京都は2月23日、子どもと子育て家庭の生活状況などに関する「子どもの生活実態調査」結果の概要(中間まとめ)を公表した。首都大学東京と連携して、小中高校生と若者(15~23歳)を対象とした2つの調査を実施。
〔中略〕
 都内の4自治体(墨田区・豊島区・調布市・日野市)在住の小学5年生、中学2年生、16~17歳の子どもとその保護者を対象とした「小中高校生等調査」の調査期間は平成28年8月5日~9月7日。子どもの就学状況、学習状況、生活状況などの項目について、子ども8,367票と保護者8,429票の回答を得た。
 子どもの住む住居の広さは「4室以上」が多いが、居室の数が少ない住居では子どもの学習時間が少ない傾向にある。16~17歳で居室が「3室以上」の場合、9割以上が家の中で勉強する場所を持っているが、「2室」の場合は82.2%にとどまる。授業以外の学習時間について「まったくしない」とした割合が「4室」では22.2%だったのに対して、「2室」では37.8%と15ポイント以上の差が生じていた。
 16~17歳の在籍する学校は「私立」52.2%がもっとも多く、「公立」は44.1%、「国立」は1.6%となっている。私立高校に進学した理由を聞くと、全体では「私立高校の方が教育の質が高い」がトップだったが、生活が困窮している層では「公立高校の入試に合格しなかった」という理由が54.4%を占めた。
 授業の理解度に関する質問では、小学5年生の85.6%、中学2年生の74.6%が「いつもわかる」「だいたいわかる」と回答。一方、授業がわからないと回答した子どもにその時期を尋ねると、小学5年生の36.6%が小学3年生までにわからなくなり、中学2年生の34.4%が小学校段階でわからなくなったと答えた
 学習塾に通っている(または家庭教師に来てもらっている)小学5年生は49.8%、中学2年生は51.6%だが、16~17歳では30.3%に減少。家で勉強できない時に静かに勉強できる場所を使ってみたいかを聞くと、小学5年生の35.3%、中学2年生の37.7%、16~17歳の44.8%が「使ってみたい」と答えた。
 3自治体(新宿区・足立区・八王子市)在住の15~23歳の若者とその保護者を対象とした「若者(青少年)調査」の調査期間は平成28年5月14日~6月13日。子どもの就学・就業状況、生活状況、保護者の就業状況などについて、若者1,056票、保護者1,022票の回答を得た。
 高校卒業後の進路について、低所得・非低所得ともに私立大学への進学が6割以上を占めた。また、短大・専門学校へ進学する割合は低所得が多く、国公立大学は非低所得の方が多かった
 学校をやめたくなるほど悩んだことがあるかを聞くと、36.4%が「経験あり」と回答。15~18歳については、29.8%が「学業の理由」、14.7%が「人間関係の理由」、12.3%が「心身の健康の理由」、7.0%が「経済的な理由」で学校をやめたくなるほど悩んだことがあると答えた。”

二世政治家だらけの自民党は、こうした庶民や貧困層の実情が分かっていない。
子が大学に進学する層はそもそも相対的に見れば高所得なのだ。
また、低所得層は経済的な問題よりも学業的理由の方が遥かに大きい。
教育国債のバラ撒きが根本的に間違っているのは明白である。
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする