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横浜DeNAベイスターズのエスコバー投手(3)母の父姓 Hernandez

2019-09-25 18:02:49 | 名前
 横浜DeNAベイスターズのエスコバー投手(Edwin Jose Escobar Hernandez)の母の父姓は“Hernandez”である。アクセント記号が取れてしまっているが、本来なら“Hernández”となるはずである。現に小学館『西和中辞典』にはアクセント記号つきの“Hernández”しか記載がない。
 
 まずは“Forebears”でアクセント記号なしの“Hernandez”で検索する。これは世界で54番目に多い姓で、絶対数でも人口比でもメキシコがトップである(絶対数は約487万人)。エスコバー投手の出身地ベネズエラは第4位で、53万人以上いる。
  次にアクセント記号つきの“Hernández”で検索。何と世界ランキングでは14653位に転落する。絶対数1位はメキシコで17000人強、人口比1位はプエルト・リコである。ベネズエラは第6位で、1200人弱。
 何で本来の“Hernández”より“Hernandez”の方が多いかというと、教育が十分ではない人にとってはアクセント記号はどうでもいいからだろう。役所でも訂正しないで、そのまま受け付けたのではないか。
 さて、“-ez”で終わる姓は「だれそれの息子」という意味なので、“Hernández”は“Hernán”または“Hernando”の息子ということである。今では“Hernando (Hernán)”という個人名は珍しくはないが、“Hernández”はどこにでもいる“Hernando (Hernán)”の息子ではなく、王様の“Hernando”の息子がそもそもの由来らしい(スペイン語版ウィキペディア“Hernández (apellido)”)。
 “Hernando”の名前の意味については“bold voyager”(大胆な旅人)という説がある(“Forebears”)。
紋章はいろいろあった。
  
  

 ところで、メジャーリーグ、マリナーズの“Hernández”投手は「ヘルナンデス」と表記されているが、スペイン語を知らないアメリカ人はこう読むのだろう。エスコバー投手はちゃんと「エルナンデス」となっているのだが、メジャーリーグで活躍していたら、母の父姓は「ヘルナンデス」となっていたかもしれない。“Hernando”も同様に、「ヘルナンド」ではなく、「エルナンド」が正しい。
 しかしながら、Archie Bleyer のヒット曲“Hernando's Hideway”はカタカナ表記では「ヘルナンドズ・ハイダウェイ」として定着してしまっているので、なかなかこれを覆すのは難しい。

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