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福岡ソフトバンク・ホークスのミランダ投手(4)母の父姓 Gil

2019-09-30 19:57:57 | 名前
  
 福岡ソフトバンクホークスのミランダ(Ariel Miranda Gil)投手の母の父姓が Gil である。ウィキペディア「アリエル・ミランダ」によると、カタカナ表記のフルネームは「アリエル・ミランダ・ギル」となっているが、“Gil”はスペイン語読みでは「ヒル」である。スペイン語をろくに知らないアメリカ人は“Gil”を“Gilbert”の愛称、“Gil”と思ってしまうのだろう。確かに、“Gilbert”(ギルバート)が短くなれば、“Gil”(ギル)である。ジャズが好きな人は「ギル」というと、アレンジャーとして有名な「ギル・エヴァンス」(Gil Evans)である。この「ギル」はてっきり、「ギルバート」の「ギル」だと思っていたが、「ギルモア」(Gilmore)だった。ウィキペディア“Gil (given name)”には“Gil”は“Gilbert”の愛称(diminutive)と書かれている。
 さて、“Gil”姓のスペインでのランキングは第26位(“Historia Apellidos españa”による)。かなりメジャーな姓である。世界的な分布を見ると、絶対数でも人口比でもスペインが第1位で、約14万9千人。2位はベネズエラで、約9万5千人(“Forebears”)。“Rodríguez”や“Martínez”など、超メジャーな姓を持つ人はスペインよりもラテンアメリカの方が多くなっているのに対し、“Gil”姓はスペインの方に多い。これはどう考えるべきだろうか。一つ考えられることは“Gil”家はいわば名家でラテンアメリカに移住する人はそう多くなかったのではなかろうか。
  “Mi Sabueso”によると、“Gil”姓は古くからある由緒正しい姓で、祖先は貴族に連なるらしい。
 “CANAL DE HERÁLDICA”によると、“Gil”は低ラテン語(latín bajo)“Aegidius”(“el elegido”「選ばれた」、“el defendido”「守られた」、“el que está bajo bajo de la égida”「庇護の下にある」の意)に由来する“Egidio”という個人名がもとになっているとのことである。 
 ミランダ投手は神様の庇護の下、ホークスをしっかり守ってほしいものである。
 紋章も以下のようにいろいろな種類がある。
  
  

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