スペイン語では「警察官」は男女を問わず、policía である。組織としての「警察」も policía で、これだけではどちらの意味か区別がつかないが、心配は要らない。
まず、「警察(署)」と言うときには普通、定冠詞 la がついて、la policía となる。
「警察官」のときにはこうなる。
男性 un policía (a policeman), el policía (the policeman)
女性 una policía (a policewoman), la policía(the policewoman)
「警察(署)」と「特定の女性警察官」が同形になるが、どちらの意味になるかは文脈・場面で判断すればよい。
例えば、“¿Dónde está la policía?”だと、普通は「警察(署)はどこ?」と解釈するのが普通で、「あの女性警察官はどこ?」にはならないだろう。
一方、美人警察官についての話の中だと、「彼女は今どこにいる?」になりうる。
さて、『ビバリーヒルズ・コップ2』ではスペイン語も少々使われている。
「豚」を表す、puerco というスペイン語が軽蔑的に「警察官」の意味で使われていた。手元の辞書には puerco の意味として、「警察官」とは書かれていないが、「ブタ野郎」はどんな意味にもなるものである。犯罪者にとって、「警察官」は「ブタ野郎」であろう。
puerco は英語の pork と語源を同じくするが、用法が違う。puerco は「豚肉」になる前の生前の「豚」にも使えるのである。さらに、「豚」はだいたいどこでも軽蔑的に使われるものである。ただし、パプア・ニューギニアでは豚は貴重な蛋白源で、客人のために供されるごちそうなので、pig には悪い意味はないと聞かされた。
1985年ごろ、パプア・ニューギニアの最高額紙幣(20キナ)には豚が描かれていた(パプア・ニューギニアの紙幣についてはリンク参照)。
筆者は「ブタ札」と呼んでいた。
映画『ビバリーヒルズ・コップ2』に戻る。悪党どもが武器をコスタリカに密輸するという設定だったが、コスタリカはラテンアメリカでは比較的治安がよかったし、今でもまだ周辺国と比べるとましのようである。コスタリカにも裏社会はあっただろうし、今ではコロンビアやペルーなどからマフィアが入り込んでいるらしい。1980年ごろのコスタリカでは一般市民は銃を所持していなかったはずである。
ただ、コスタリカにはアメリカ人観光客も多いし、『ジュラシック・パーク』のロケ地としても知られているようだ。そんなことから、アメリカではコスタリカの知名度は高いのかもしれない。
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