6月に4日間の展示が決まった。作家シリーズ最後となった三島由紀夫へのオマージュ展『椿説男の死』(ふげん社)での無観客によるトークで「次は何を?」の質問に、いつかは、と考えていた「寒山拾得」とつい口にしてしまったが、ふげん社が拾得が普賢菩薩の化身であることから付けられたという。そんな縁を逃がさず2年後の『Don’t Think, Feel!寒山拾得展 』となった。誰かがシナリオを書いている。そんな気になるのはこんな時である。三島由紀夫で個展をと思ったら、そのビルの先代の社長が事件に使用された『関の孫六』を三島に進呈した人だった、なんてことさえあった。この時はその件で大変だったらしく三島だけは辞めてくれということに終わった。 シナリオが良いのか悪いのかアマゾン川の如く蛇行する紆余曲折の有様だが、その原点といえば、幼い鍵っ子の頃、頭に浮かんだイメージはどこへ行ってしまうのか?という疑問だった。どこへも行かず、ここに在る。という展示になれば良い。