生産者


LEICA X1

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近所のスーパーに行ったら、野菜のラベルに生産者の顔写真が印刷されていた。
それを作った農家のおじさんである。
生産者限定商品というやつで、出所をはっきりさせて、消費者に安心感を与えようという商法だ。

ところが、そのおじさんのニタニタした顔が、どうにもこずるそうに見えて、ほとんど反射的に買う意欲を失った(笑)
もちろんあくまで印象の話で、本当はそういう人ではないのだろうが、結局それが理由でその商品を買うのをやめたのである。
人によって感じ方は異なるのであろうが、写真を載せるのも良し悪しかもしれない。

その昔・・といっても戦時中の話なのだが、地方に疎開した時に、食べ物を分けてやる代償として、欲に駆られたある人物から、そうとうな目に遭わされた事がある。
僕は直接経験していないわけだが、それがあまりに酷いやり方で、しかも同じ国の人間からの仕打ちだったので、いまだに辛い思いが家族や親戚の記憶に残っている。

ラベルに印刷されたおじさんの、少し裏のありそうな表情が、その時のことを連想させたのだ。
単なる印象に過ぎないのに、敏感に反応してしまう。
戦争というものは、こういう形で傷跡を残すこともある。
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