年の瀬になってもコロナ感染者増にブレーキが掛からない。変異して強毒化したウイルスに、ワクチンがどこまで有効なのか悲観的な専門家も少なくない。博才ゼロの俺の予想だが、元日付の各紙朝刊1面には<東京五輪、中止へ>の見出しが踊っているような気がする。
日本漢字能力検定協会が発表した「今年の漢字」は<密>だった。皆さんにもそれぞれ一字はあるはずで、フィリピンの貧困救済など国内外でアクティブに活動している従兄は<鬱>を挙げていた。俺も一票と言いたいところだが、<弧>を選んだ。他者と直に接する機会が減って、孤独は更に深まった。
コロナ禍の副作用が表れたのはブログだった。〝ステイホーム・バブル〟というべきか、訪問者数が一気に増える。過去にバブルは、「主戦場」を紹介した昨年4月以降に起きた。訪問者の多くは俺の論調に批判的だったに違いない。今回は長期にわたって数字が伸び、仕事先でも自慢していたが、やはりというべきか右肩下がりになって、今では旧に復している。牽強付会な書き散らかしに呆れられたのは当然だろう。
安倍首相辞任表明直後、朝日新聞の世論調査で71%が政権の実績を評価していた。「全く評価しない」が9%だったから、俺は明らかに少数派だ。違和感を覚え、離れていった方も多かったと思う。保守化、アメリカ化、集団化に邁進した安倍政権だが、唯一の〝成果〟は負債というべきモラル破壊だ。民主主義を逸脱した米トランプ大統領と重ねると、<壊>も日米に相応しい一字だった。
2019年は希望の年だった。グレタ・トゥーンベリに呼応し、欧米で同じ日に数百万人のティーンエイジャーが授業を放棄し、街頭で気候危機を訴えた。斎藤幸平大阪市大准教授とマイケル・ハート、マルクス・ガブリエル、ポール・メイソンとの対談を収録した「未来への大分岐」、「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」(ブレイディみかこ著)など、胎動の予感を覚える書物をブログで紹介した。
コロナ禍で様相は一変する。中国の<AI独裁>が典型だが、権力による管理が世界で蔓延する。日本では〝下からの管理〟を実践する自粛ポリスが闊歩し、匿名で医療関係者を中傷した。心の芯を失った者が虚しさを反転させ、自己犠牲も厭わず活動するエッセンシャルワーカーを今も攻撃している。<虚>もまた今年の空気を反映する一字だった。
<鬱>、<弧>、<壊>、<虚>に彩られた一年だったが、希望が潰えたわけではない。欧米では自然破壊ストップ、シェアと公平を掲げるグループが支持を広げている。独メルケル首相の哲学に溢れた言葉に感銘を覚えたが、俺が選んだ〝ワード・オブ・イヤー〟は、方方(中国の作家)によるものだ。
藤原辰史・京大人文科学研究所准教授が岩波書店HPにアップした<パンデミックを生きる指針~歴史研究のアプローチ>で、方方(中国の作家)の日記を表現した。方方は武漢封鎖時、共産党の弾圧に屈せず、世界に発信した。<一つの国が文明国家であるかどうかの基準はただ一つしかない。それは弱者に接する態度にある>の印象的な言葉は来年、格差と貧困が顕在化する日本を測るリトマス紙になるだろう。
阿佐ヶ谷ロフトで開催される友川カズキのライブは俺にとって師走の風物詩だが、今年はオンラインで第19回「オルタナミーティング」として開催された。共演は前野健太で、色調が重なる両者の互いへのリスペクトが窺えた。2日まで公開中で、昨夜ようやく半分(1時間半)見た。繊細な詩人である友川だが、言葉のナイフを長めのMCに込めていた。日本で現在、最も必要な感情は怒りであることを実感した。
最後に感謝を。ブログに付き合ってくださってありがとうございます。俺にとってブログは備忘録、遺書代わりのようなもの。生ある限り、なんて書くとオーバーだが、更新していくつもりです。
日本漢字能力検定協会が発表した「今年の漢字」は<密>だった。皆さんにもそれぞれ一字はあるはずで、フィリピンの貧困救済など国内外でアクティブに活動している従兄は<鬱>を挙げていた。俺も一票と言いたいところだが、<弧>を選んだ。他者と直に接する機会が減って、孤独は更に深まった。
コロナ禍の副作用が表れたのはブログだった。〝ステイホーム・バブル〟というべきか、訪問者数が一気に増える。過去にバブルは、「主戦場」を紹介した昨年4月以降に起きた。訪問者の多くは俺の論調に批判的だったに違いない。今回は長期にわたって数字が伸び、仕事先でも自慢していたが、やはりというべきか右肩下がりになって、今では旧に復している。牽強付会な書き散らかしに呆れられたのは当然だろう。
安倍首相辞任表明直後、朝日新聞の世論調査で71%が政権の実績を評価していた。「全く評価しない」が9%だったから、俺は明らかに少数派だ。違和感を覚え、離れていった方も多かったと思う。保守化、アメリカ化、集団化に邁進した安倍政権だが、唯一の〝成果〟は負債というべきモラル破壊だ。民主主義を逸脱した米トランプ大統領と重ねると、<壊>も日米に相応しい一字だった。
2019年は希望の年だった。グレタ・トゥーンベリに呼応し、欧米で同じ日に数百万人のティーンエイジャーが授業を放棄し、街頭で気候危機を訴えた。斎藤幸平大阪市大准教授とマイケル・ハート、マルクス・ガブリエル、ポール・メイソンとの対談を収録した「未来への大分岐」、「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」(ブレイディみかこ著)など、胎動の予感を覚える書物をブログで紹介した。
コロナ禍で様相は一変する。中国の<AI独裁>が典型だが、権力による管理が世界で蔓延する。日本では〝下からの管理〟を実践する自粛ポリスが闊歩し、匿名で医療関係者を中傷した。心の芯を失った者が虚しさを反転させ、自己犠牲も厭わず活動するエッセンシャルワーカーを今も攻撃している。<虚>もまた今年の空気を反映する一字だった。
<鬱>、<弧>、<壊>、<虚>に彩られた一年だったが、希望が潰えたわけではない。欧米では自然破壊ストップ、シェアと公平を掲げるグループが支持を広げている。独メルケル首相の哲学に溢れた言葉に感銘を覚えたが、俺が選んだ〝ワード・オブ・イヤー〟は、方方(中国の作家)によるものだ。
藤原辰史・京大人文科学研究所准教授が岩波書店HPにアップした<パンデミックを生きる指針~歴史研究のアプローチ>で、方方(中国の作家)の日記を表現した。方方は武漢封鎖時、共産党の弾圧に屈せず、世界に発信した。<一つの国が文明国家であるかどうかの基準はただ一つしかない。それは弱者に接する態度にある>の印象的な言葉は来年、格差と貧困が顕在化する日本を測るリトマス紙になるだろう。
阿佐ヶ谷ロフトで開催される友川カズキのライブは俺にとって師走の風物詩だが、今年はオンラインで第19回「オルタナミーティング」として開催された。共演は前野健太で、色調が重なる両者の互いへのリスペクトが窺えた。2日まで公開中で、昨夜ようやく半分(1時間半)見た。繊細な詩人である友川だが、言葉のナイフを長めのMCに込めていた。日本で現在、最も必要な感情は怒りであることを実感した。
最後に感謝を。ブログに付き合ってくださってありがとうございます。俺にとってブログは備忘録、遺書代わりのようなもの。生ある限り、なんて書くとオーバーだが、更新していくつもりです。