麻生副総理はシンポジウムで、「日本はワイマール憲法を骨抜きにしたナチスを見習うべきだ」(要旨)と発言した。自民党の腰巾着である国内の大手紙やテレビはともかく、欧米のメディアは放っておくまい。自浄能力はないが、外圧に屈してクビになるという全柔連上村春樹会長と同じ経過で、麻生氏は辞任に追い込まれるのではないか。
「国中が喪に服している」、あるいは「祝賀ムード一色」なんて報道は眉唾だが、ジョージ王子が誕生した英国はどうだろう。10年12月、チャールズ皇太子が乗るロールスロイスが学費値上げ反対を訴えるデモ隊に襲撃されたニュースは記憶に新しい。チャールズ皇太子は学生たちに「おまえの母ちゃん(エリザベス女王)が法案にサインしたから、こんな事態を招いた」と窓越し罵られた。
勲章や称号が欲しい者を除き、大抵のロッカーは無関心だと思うが、俺は反王室の姿勢を隠さないモリッシーのコメントを心待ちにしている。スミス時代、「クイーン・イズ・デッド」というアルバムタイトルで物議を醸したモリッシーは今、LAで休暇中だ。飲み歩いているのがノエル・ギャラガーとラッセル・ブラントというから、お互いが吐く言葉の毒を肴にしているに違いない。
フジロック'13のハイライトをスカパー!で見た。ライブで体感するのとは100倍も衝撃度が違うことを前提に、印象を記したい。商業主義のサマソニと対照的に、今年のフジも温故知新とリスペクトに溢れていた。
丸々太った大江慎也に、いきなり目が点になる。ルースターズ時代の盟友、池畑潤二が中心になったルート17ロックンロールオーケストラをバックに、「ロージー」を歌っていた。「φ」(84年)録音中、花田裕之らが神経を病んだ大江を抱え、病院とスタジオを往復したという。悲運と孤高のロッカーは、後世に与えた絶大な影響でロック史に輝くレジェンドになった。54歳のカリスマは今、ステージを心から楽しんでいる。
当ブログで繰り返し絶賛しているローカル・ネイティヴスに、インディーズの悲哀を感じた。ローカル・ネイティヴスは1st「ゴリラ・マナー」(10年)の国内盤発売前、ホワイトステージに抜擢され、俺も現地で音楽性と演奏力に圧倒された。2nd「ハミングバード」(13年)も秀作で、ビルボード11位とまずまずのチャートアクションだったが、実力と比べるとブレークとは言い難い。
渋谷陽一氏(ロッキンオン社長)はブログに、「見るたびにスケールアップしている」と記していたが、今回のフジではレッドマーキーだった。メジャレーベルや大手プロダクションは、NMEなどメディア対策費として莫大な額を計上している。資質だけで闘うインディー勢には頭打ちになるバンドも多い。3年前、レッドマーキーで演奏したダーティー・プロジェクターズも、スケール感がなくなった気がして心配だ。
俺の錆びたアンテナでもビビッときたのが、フォールズとサヴェージズだ。フォールズの最初の2枚は内向的で濃密な作品だったが、開放感のあるパフォーマンスが意外だった。ガールズバンドのサヴェージズは、えもいわれぬ狂おしさと切迫感で尖がっている。前者の3rd、後者のデビューアルバムを合わせて購入することにした。
欧米のビッグフェスではリアルタイム中継が常識になった。今回のフジではわずかなタイムラグで、初日のヘッドライナーであるナイン・インチ・ネイルズのパフォーマンスが配信された。現地でご覧になった方は、映像と音のコラボに麻痺と覚醒を覚えたに違いない。契約の問題もあったのか、2日目のビョーク、3日目のキュアーはオンエアされなかった。
キュアーの全36曲には驚きだが、ロッキンオンのHPでは一行も触れていない。取材拒否に遭って意趣返しした可能性もあるが、真相はわからない。キュアーは今週日曜(4日)、ロラパルーザ(シカゴ)でヘッドライナーを務めるが、その模様はリアルタイムで配信される。ちなみにキュアーは、コーチェラ'09で主催者が時間切れを宣告して電源を落とした後も、自前のPAで演奏を継続した(Youtubeでも視聴可能)。
ツアーやフェスで40曲以上演奏することもザラというキュアーのサービス精神は称賛に値する。翻って同世代の俺は、体力と気力の衰えを理由に苗場行きを断念した。ロバート・スミスの奇跡の声は、枯れることはないのだろうか。
「国中が喪に服している」、あるいは「祝賀ムード一色」なんて報道は眉唾だが、ジョージ王子が誕生した英国はどうだろう。10年12月、チャールズ皇太子が乗るロールスロイスが学費値上げ反対を訴えるデモ隊に襲撃されたニュースは記憶に新しい。チャールズ皇太子は学生たちに「おまえの母ちゃん(エリザベス女王)が法案にサインしたから、こんな事態を招いた」と窓越し罵られた。
勲章や称号が欲しい者を除き、大抵のロッカーは無関心だと思うが、俺は反王室の姿勢を隠さないモリッシーのコメントを心待ちにしている。スミス時代、「クイーン・イズ・デッド」というアルバムタイトルで物議を醸したモリッシーは今、LAで休暇中だ。飲み歩いているのがノエル・ギャラガーとラッセル・ブラントというから、お互いが吐く言葉の毒を肴にしているに違いない。
フジロック'13のハイライトをスカパー!で見た。ライブで体感するのとは100倍も衝撃度が違うことを前提に、印象を記したい。商業主義のサマソニと対照的に、今年のフジも温故知新とリスペクトに溢れていた。
丸々太った大江慎也に、いきなり目が点になる。ルースターズ時代の盟友、池畑潤二が中心になったルート17ロックンロールオーケストラをバックに、「ロージー」を歌っていた。「φ」(84年)録音中、花田裕之らが神経を病んだ大江を抱え、病院とスタジオを往復したという。悲運と孤高のロッカーは、後世に与えた絶大な影響でロック史に輝くレジェンドになった。54歳のカリスマは今、ステージを心から楽しんでいる。
当ブログで繰り返し絶賛しているローカル・ネイティヴスに、インディーズの悲哀を感じた。ローカル・ネイティヴスは1st「ゴリラ・マナー」(10年)の国内盤発売前、ホワイトステージに抜擢され、俺も現地で音楽性と演奏力に圧倒された。2nd「ハミングバード」(13年)も秀作で、ビルボード11位とまずまずのチャートアクションだったが、実力と比べるとブレークとは言い難い。
渋谷陽一氏(ロッキンオン社長)はブログに、「見るたびにスケールアップしている」と記していたが、今回のフジではレッドマーキーだった。メジャレーベルや大手プロダクションは、NMEなどメディア対策費として莫大な額を計上している。資質だけで闘うインディー勢には頭打ちになるバンドも多い。3年前、レッドマーキーで演奏したダーティー・プロジェクターズも、スケール感がなくなった気がして心配だ。
俺の錆びたアンテナでもビビッときたのが、フォールズとサヴェージズだ。フォールズの最初の2枚は内向的で濃密な作品だったが、開放感のあるパフォーマンスが意外だった。ガールズバンドのサヴェージズは、えもいわれぬ狂おしさと切迫感で尖がっている。前者の3rd、後者のデビューアルバムを合わせて購入することにした。
欧米のビッグフェスではリアルタイム中継が常識になった。今回のフジではわずかなタイムラグで、初日のヘッドライナーであるナイン・インチ・ネイルズのパフォーマンスが配信された。現地でご覧になった方は、映像と音のコラボに麻痺と覚醒を覚えたに違いない。契約の問題もあったのか、2日目のビョーク、3日目のキュアーはオンエアされなかった。
キュアーの全36曲には驚きだが、ロッキンオンのHPでは一行も触れていない。取材拒否に遭って意趣返しした可能性もあるが、真相はわからない。キュアーは今週日曜(4日)、ロラパルーザ(シカゴ)でヘッドライナーを務めるが、その模様はリアルタイムで配信される。ちなみにキュアーは、コーチェラ'09で主催者が時間切れを宣告して電源を落とした後も、自前のPAで演奏を継続した(Youtubeでも視聴可能)。
ツアーやフェスで40曲以上演奏することもザラというキュアーのサービス精神は称賛に値する。翻って同世代の俺は、体力と気力の衰えを理由に苗場行きを断念した。ロバート・スミスの奇跡の声は、枯れることはないのだろうか。