茶釜の前で過ごした祖母との思い出

2021-12-09 13:36:03 | 日記
雑誌を読んでいて、とても穏やかで懐かしい風景を思い出した。以下に記す。『「お湯」と「水」の音が違って聴こえた。お湯はトポトポとまろやかで、水はピチャピチャと硬く澄んだ音だった。耳がよくなったわけではない。いつも心の雑音にかき消されていた微かな音の違いが、わかるようになった。五感が変わり始めた。湯が頃合いよく沸いた時、窯がシーと奏でる音(松風という)そこに水を一杓注ぐと、音はふっつり消える。やがてシ、シ、シ、と復活してシーーと一つにつながる。その音に耳をあずけている時、頭の奥のもつれた糸がスルスルと解け、心の疲れが回復するのを感じるようになった。』(森下典子談)小生の祖母は、茶道と華道を教えていた。毎年の正月元旦、母に連れられて祖母宅を訪れ茶釜の前に座らされ、祖母から「健康にいいから」と苦い茶を飲んだ記憶があるが、茶道がこれだけ奥の深いものだとは今更ながら気づきもしないまま生きてきている。亡き祖母の深い愛と、そして亡き母の細やかな心遣いなどが懐かしい。きょうの楽しかったことは、○文藝春秋(読み応え満載記事を含む)創刊100周年記念誌が届けられたこと、○Netflix映画『炎の裁き Trial by fire』(米2018年 実話に基づいた作品) 自らの子供を焼死させた罪で死刑判決を受けた男と特別なきずなを育んでゆくなかでその無実を信じた女性の奔走を描いていること、○玄米食と高野豆腐と大根おろしの健康食、少し硬かったことだ。(11,440歩)