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昨年11月6日のブログ「変革 米国に到来 Change has come to America」 で、米国大統領選で勝利したオバマ氏の「勝利演説」とマケイン氏の「敗北宣言」に感動した、と書きました。
その後11月末に、ふとしたきっかけで初めて目にした「スウェーデン社会民主党党綱領」を読んで、さらに大きな感動を覚えました。格調高い内容に加えて、私自身が35年にわたって政策面からフォローし、理解した「福祉国家」スウェーデンと、2007年1月1日から書き続けてきた「緑の福祉国家」(今はやりの言葉でいえば「グリーン化」や「グリーン・ディール」)の行動計画と現在までの成果が確実に進展していることをこの党綱領で確認できたからです。
ここからは、
「党の綱領」 ⇒「政権与党」⇒「国会への政策案提出」⇒「政策決定・予算配分」⇒ 「実社会での党の理念の実現」という、現代民主主義の手続きを経た、見事なまでの党運営の構図
が見えてきます。
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上記のことからわかることは、先進工業国としてスウェーデンと日本はグローバルな市場経済社会の中で、
正反対と言ってもよいほど「国民の意識」と「社会の制度」に相違があることがわかります。このことが理解できれば、
日本が得意とする(?)そして、こだわりが強い「技術論」では社会の変化に迅速に対応できないこと がおわかりいただけるでしょう。
北海道大学大学院法学研究科教授・宮本太郎さんによる和訳は、全文40ページで格調高く、
スウェーデンが世界の最先端を歩んでいることがよくわかります。そこからは
現在の日本がめざすべき方向性がはっきりと読みとることができると思います。私が参照した「スウェーデン社会民主党党綱領」は社団法人 生活経済政策研究所発行の『生活研ブックス16』に収録されており、入手可能です。
ぜひ、皆さんにも読んでいただきたいし、日本の政治家、官僚、企業人、社会科学者やエコノミストや経済学者、評論家など、
90年代に始まった日本の閉塞感を打開し、21世紀前半の日本社会を模索し始めた人々、特に「緑の日本」、(日本版 グリーン・ニューディール)というタイトルを掲げる社説記事を書いておられるマスメディアの論説委員、編集委員、雑誌の編集者などには是非読んでいただき、
日本発の「エコロジカルに持続可能な社会」を構築する議論にぜひ参加していただきたいと思います。
この資料は、
「21世紀前半のスウェーデン社会」を理解する上でおそらく最も重要な資料の一つであろうと思われますので、「スウェーデン社会民主党党綱領の目次」、「訳者の解説」、「民主的社会主義」と題した冒頭部分、および私が35年にわたってフォローしてきたスウェーデンの「環境意識」と「グリーンなスウェーデン福祉国家」の部分を抜粋し、事あるごとに参照できるようにしておきたいと思います。
上の図の
「グリーンなスウェーデン福祉国家」こそ、私は
スウェーデンのグリーン・ニューディールだと思います。1996年からスウェーデン政府の政策を通して、私は「グリーンスなウェーデン福祉国家」の実現をめざす政策をフォローしてきました。私のブログでは、「緑の福祉国家1 ガイダンス」(2007-01-11)から「緑の福祉国家63 改めて、緑の福祉国家の概念を」(2007-06-02)までにまとめてあります。
市民連続講座 緑の福祉国家1 ガイダンス(2007-01-11)
市民連続講座 緑の福祉国家63 改めて、緑の福祉国家の概念を(2007-06-02)
スウェーデン社会民主党党綱領の改定歴
1944年綱領
1960年
1975年
1990年
2001年
このブログで紹介した「スウェーデン社会民主党党綱領」は
2001年11月に開かれたスウェーデン社会民主党大会で採択されたもので、宮本太郎さん訳出はその全訳だそうです。
それにしても、4年後の2005年11月22日の立党50年大会で、当時の小泉純一郎総裁の下で改定された
「自由民主党」の新綱領との落差には表現する言葉さえ失うほどです。
明日は、もう一つの「スウェーデン社会民主党行動綱領」を紹介します。