会社なんかへ行っていると、門のあたりに咲いている花は見るが、庭の奥の方に咲く花は見ないうちに終わってしまう。
こうやって花瓶に活けると、夜でも見れるのでよい。
(さくらうつぎは今日だけで花瓶から外す。花がバラバラ落ちるのだ。)
この花瓶は大きいので、枝ものの派手な花を活ける時に重宝する。
(主に桜とアジサイに使用。)
父親が台湾旅行へ行った時にみやげで買ってきたものなのだが、沖縄が日本へ返還されたころのことなのでずいぶん昔の話だ。
父の台湾旅行は、学生時代の仲間の人に会うのが目的だった。
父の学校時代とは戦前のことなので、台湾とはいえ当時は同じ日本国であった。
その台湾人の同級生(父はその人のことをよくチョウのやつと言っていた)は、当時、台湾の理工系大学で教授をされていたので優秀な方だったのだろうと思う。
学校時代、父などは、貧乏百姓のこせがれなので、学校では肩身が狭かったようだ。
戦前というのは階級社会が当たり前で、近衛兵などは、家柄がよくないとなれなかったそうだ。
台湾人のチョウさんも父同様なんとなく学校に違和感があったようで、同病相憐れむではないが、似たような境遇から親しくなったようだ。
旅行みやげで、なんでこんなに大きな壺を買って来たのか分からないが、高かったんだぞとか言っていたのを憶えている。
もう一つ買って来たみやげで憶えているのが、ウーロン茶だ。
台湾人はウーロン茶を珍重する。
ウソみたいな高級茶も存在するようだが、みやげに買って来たそこそこの高級茶でも次元の違う香がした。その時のウーロン茶が忘れられないので、私は今でもお茶の中で一番奥の深いのはウーロン茶であると思っている。
シモツケは畑の方にあるので、うっかりすると一度も見ないうちに花が終っていることも多い。
それでとって来た。