こんにちは。
先ほど、もう一度本を読み直しまして、今からポートフォリオ関係を書いていきます。
ポートフォリオに関しては「鈴木敏恵」先生の本を参考にしています
「ポートフォリオ評価とコーチング手法 臨床研修・臨床実習の成功戦略!」
http://books.yahoo.co.jp/book_detail/31697095
他にも何冊か持っていますが、今日読み直したのはこの本です。
深く知りたい人は、購読していただいてもよいかもしれません。3000円ちょっとですから、まぁ自分への投資だと思って・・・。
ポートフォリオは 「その人がこれまでやってきた成果や記録、プロセスが詰まっている実績歴」 とされています。
重要なのは「自分がしてきた事や成果を自己評価して、未来に生かすために自分の意思で一元化したもの」であるという事です。
難しい事書いていますが、要するに
1、自分の未来のビジョンを見据えて
2、ビジョンに合わせた目標を立てて(研修、実習単位、もしくは日単位、週単位)
3、目標達成のために計画して
4、それらの成果をまとめて
5、自己評価して
6、自己評価をもとに何を学んだか、何が良くなったか、何をすればもっと良くなるか・・・を考え
7、実行していくためのアイテム
であるわけですね。
何がいいって、まず「自分のビジョンを持たなくてはいけない」から考えますよね。自分の未来像。
そしてそれに向かって「自分で達成したい目標」を立てるわけです
目標を立てたら、実行するためにどうすればよいか考えなくてはいけないし(自分でですよ、もちろん)、毎日目標に向かって何を学んだか、どうだったか考えるだけでも、自己評価力を鍛えることができます。また、自分の立ち位置を確認もできるわけです。
自分の立ち位置が確認できれば、自分が今後どう歩めば目標に向かっていけるかわかりますし、自分の向かう方向付けも自分で出来ます。
そうし続ける事で、常に学び続ける事ができる。
ただ、僕が最もよいというのは自己評価と過程を見れることではないかと思います。 「自己評価」がしっかりする事で、安定感が増す、自信に繋がる事 それに日記ではないですが書き続けることで、自分の成長のプロセスも確認できますし・・・
人に見せたら・・
「こういうことを学びながら実習しているのだな」
という過程(プロセス)を確認できます。
結果ではなくて、過程を確認できるわけです。
だから、病院実習に導入するのが面白いわけで・・・。実際の患者さんから何を学んでいるかがわかるわけです。
この記事を書き始めたのは、昨日の香織さんのコメントが切欠ですが、ちょっと自分の皮膚科研修に当てはめて見たいと思います。
この皮膚科研修は「ど~でもよい話2:僕と漢方・・出会いと塞翁が馬」でも紹介しましたが、いきなり振られた研修です。本当は放射線科研修だったのが、いきなり変わったという事で僕も少しは不満があったのですよw
もっとも、僕はポートフォリオは作っていません。めんどくさがりだから、本当はメモ取るの嫌いです。
ただ、このポートフォリオの考え方ではやっていましたので、当てはめてみますね。
皮膚科研修が始まったときに、僕は「血液内科・腫瘍内科として診断・知識などを中心に学んで行きたい」という考えがあったので(あとは特殊な技術が不要なものであれば、極力自己完結できる医師)、皮膚科の当初の目標は
「一般的な皮膚疾患に関して、診断できるようにする」
「ステロイド外用剤の使い方を学ぶ」
の2点に絞っていました。これは一緒に研修をしていた友人にも言っていました。
はじめの一週間はそういうつもりで研修をしておりましたが、途中から「漢方薬」を学んでみたいという考えが浮上し、
「漢方薬の使い方、漢方医学の基礎」
というのを目標に加えました。
皮膚疾患の診断に関しては来た患者さんを通して学んでいくしかないわけですが、ステロイド外用薬の使用に関しては、極力質問をしていました。 目標が定まっているから、積極的に質問も出来ます。
そうやって、だんだん「こういう使用法をしているようだ」とわかったら、「~というような基準でステロイド外用薬に関しては処方されているのでしょうか?」など、確認したりしました。
また、少し使い方がいつもと異なれば、それに関して質問をして「こういう使い方もあるらしい」と自分の中で評価したり・・・ 漢方に関してはまだまだ学んでいる途上で、なんともいえませんが「興味を持った」事が最大の利点だったと思っています。
少しわかりにくいですけど、こういったことを日々まとめていくことが「ポートフォリオ」だと思います。
「自分自身の将来の夢・ビジョン」を中心に、「自分の目標(その診療科、その日に学びたいことなど)」に向かって、計画を立てて実行し、その日その日に学んだ事を自己評価して、将来につなげる。
その日だけでなくて節目のときも大きな評価をする。
これがたぶん「幹」なのではないかと思っています。
興味をもたれた方がいらっしゃいましたら・・・他の部分の細かい事は、本を実際に購入して読んでみてください
ともかく、自分の立てた目標などに対して、また今日学んだ事に対して自己評価をする。自己評価をして、更に自分にプラスの影響を与える。
更にそれに慣れてきたら、他の人のよいところも見つけるようにする。それを伝えてあげるだけでなく、その良い点を通して他者を見習って学ぶ。逆に何かまずい点があれば「こうした方が良いと思う」と伝えてあげて、自分自身も気をつける。
僕も一緒に研修してきた友人から様々なものを学びました。自分とは違う視点でものを見ているから、すごく勉強になります。また、得意なことも違うんです。
そうやってお互いのよいところを学びながら、また改善すべきところを改善しあいながら・・みんなで協力してよい個々人になっていくこと。
その助けをポートフォリオはしてくれると思います。
長くなりましたが、最後にもう一度ポートフォリオに関して簡単にまとめます。
ポートフォリオは紙バサミです。自分のビジョンや目標を立てて、それに向かって歩んでいるかプロセスを確認するコンパスです。
結果は最終的に自分がどういう医療従事者(他の職業でも、もちろんOK)になるかであって・・・結果は医療従事者を辞めたときにしか判断は出来ません。
このポートフォリオという「コンパス」を利用して(もしくは考え方を利用して)、香織さんをはじめ、このBlogを読んでくださっている若い世代の方々が良い研修、良い実習、ひいては良い人生を歩んでいって欲しいと思います。
この内容、少し参考になったかな・・・と思われる方は応援をよろしくお願いいたします
http://blog.with2.net/link.php?602868
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さて、先ほど「ヘリに除細動器つけて大丈夫なのか?」という質問が友人から来ました。ドクターヘリには除細動器は付いているし、AEDは民間旅客機にもありますけど・・・特殊なタイプの除細動器でないとはいえないしな~
さて、もう一度調べよう。
先生のお心遣いに感謝しております。
ポートフォリオについてなんですが、実は私も大学で実際に作成をしています。
といっても、ほんとに簡単なものなのですが・・・・。
大学を卒業し臨床の場に出た時に自分はどのような姿でありたいのかを定め
それを実現させる為の一年後、二年後、・・・・と目標を書いて時々、
今の私はどうなのかなぁ~と確認をしています。
でも、先生の説明を見ると、もっと自己評価をして自分のプロセスを確認していく
必要があるように思えました。
先生の説明を参考にして、これから自分の将来のあるべき姿を確立していき
日々その為の目標を設定し実行に移すことで、自分自身を向上させて
いきたいと思います。
又、8月からは以前から希望をしていた病院ボランティアとして、病棟に出て
活動をさせてもらいます。少しは誰かの役に立ちたいと思ったのが切欠なのですが、
患者さんや医療従事者の方々と触れ合う事で、色々と自分の目でしっかり見て学び
吸収出来ればと思います。
先生、お忙しいところ本当に有難うございました。
又、これからもご指導のほど宜しくお願い致します。
おはようございます。コメントありがとうございます
香織さんは、もうポートフォリオを作成しているのですね。すばらしい話だと思います。
僕は職場の評価に導入しようとしているくせに、自分では作っていないw
自分で書くのもなんですが、恐らく重要なポイントは「ビジョンと目標」と「自己評価」「成長のプロセス」の3点です。
香織さんが自分の将来のビジョン、目標を達成できる事を祈念しています。
僕も学生時代、国立がんセンターに少し夏休みにお邪魔させていただきました。今でもあの経験を生かしているところがあります(特に腫瘍免疫に関してはあそこで基礎を作ったので)。
香織さんの8月の実習(ボランティア:すばらしいですね)がすばらしい経験になることも祈っています
また、コメントいただければと存じます