さて、実はこの記事は前も書いた内容です。
書いたのは「職業選択の自由を守れ:そういうことするから人材が減るのだ」という記事です。このときは僻地の産科医先生(「防衛医大の6年生」http://obgy.typepad.jp/blog/2008/06/post-1341-34.html )など多くの方が記事にしていました。
自衛隊医官の診療科の偏りに関して、新臨床研修制度の地方大学の医局と同じで「魅力がない」「外科医が育たない環境」だから希望者がいないにもかかわらず、とりあえず無理やり「所定の人数」を外科医にするようなやり方は僕には理解できません
本来ならば「原因は自分たちにある」というスタンスの元、自分たちが変わることで「外科入局者」が増えるようにすべきだと思います。
読売新聞です
自衛隊でも医師不足…防衛医大、診療科の選択を「調整」 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080719-00000023-yom-soci
防衛省は来年度から、自衛隊の医師を養成する防衛医大(埼玉県所沢市)の卒業生について、診療科ごとに大まかな定員を設けることにした。
同大の卒業生はこれまで、一般の医師と同様、自由に診療科を選ぶことができたが、自衛隊でも医師不足が問題になっており、特定の診療科への偏在を解消するため、「調整」することにした。
医師不足対策としての効果が注目されるが、急な方針変更に、学生から戸惑いの声も上がっている。
防衛医大の学生は特別職の国家公務員で、入学金や学費がかからず、月額約11万円の手当などが支給される。その代わりに、卒業後9年間は自衛隊に勤務する義務があり、途中で辞める場合は、卒業までの経費を償還(最高5000万円)する必要がある。
同省によると、近年、全国的な医師不足の影響もあり、義務年限を終える前の早期離職が増えている。自衛隊勤務の医師は799人(3月末)で、定員に対する充足率は68%。充足率は1996年の約80%から下がり続け、特に外科と産科、精神科で医師不足が目立つ。全国16か所の自衛隊病院で産科などがなくなったところも出ている。
このため、陸上・海上・航空の各自衛隊ごとに診療科が必要とする人数を大枠で示し、学生の希望や成績を基に各科に割り振り、人数枠を大幅に超えた場合は調整を行う。強制はせず、卒業後の臨床研修(2年間)と部隊勤務(同)を経て、5年目から始まる診療科別の専門研修時に変更を希望することも可能という。
新方針は先月中旬、同大の学生に伝えられた。同省側が示した各診療科別の大枠は、3自衛隊合わせて、内科13~21人、外科8~15人、整形外科と精神科が各4~8人など。関係者によると、来春卒業予定の62人は現時点で外科希望者が少なく、他の診療科から割り振られる可能性が高い。
学生からは「卒業間近になって、希望と違う科に行けと言われても困る」「診療科を制限するなら、入学時に明示すべきだ」などの声が上がっているという。 (2008年7月19日14時35分 読売新聞)
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診療科を制限するなら、入学時に明示すべきだ
まったくその通り。
基本的に考えが間違っている。いきなり人権侵害(憲法違反;職業選択の自由の制限、それとも自衛隊は軍隊(ではないはずなんですが)だから、人権は認めないということでしょうか?)なのだろうか?
どうせやるなら、今年度からの入学者が対象でないのか?その場合は人が入学して来ないでしょうけど
また、自衛隊内の医師不足に関しても書かれている。
一気に医師が辞めて言った理由は、新臨床研修制度が開始になって、辞める環境が整ったから辞めていっているに過ぎないと思う。
具体的に言えば、今までは「医局」の垣根が超えにくかったのが、医師不足が目立ってきたために「防衛医大」卒の医師が辞めやすくなったのではないだろうか。
旧帝大クラスの医学部(それなりに物を覚えたりするのは得意)をでて、仕事として勉学に励んでいた医師でも、今までは医局の垣根を越えられなかった(超えていたんですけど)。辞めても良い環境になりにくかった。
それが2004年ころから急激に増えたという。
2003年の12月から始まった「イラク派遣」以降、辞める医師が急激に増えたという考えもあるが、一方で僕のような人間の考え方もできると思う。
本来辞めようと思っても辞められなかったのが医療崩壊を皮切りに、辞めたいと思ったら辞める先が見つかるようになってしまっただけに過ぎないのではないでしょうか。
また、「自分の大学」とは関係のない後期研修医・・・が増えていく状況の中、医局の垣根などというものがなくなっていくことは自明の理である。
結局、外の医療崩壊が自衛隊にも影響しているのだと思いますよ。
いろいろと変える手段を追求すれば、「最高の医学部」になれる環境+学生がいるにもかかわらず、こういうことをするからどんどん才能が失われていくのだ!
地方大学の医局制度に関しても、この自衛隊の診療科選択にしても基本的に原因は「自分たち」にあるのに、それを改善しようともしないで(聞く耳も口もない)相手に原因を求めるのはいかがなものだろうか?
今回の防衛医大の診療科選択の制限に関して、非常に大きな問題だと思う。
そのようなことを実施する大学に才能のある若者が集まっていくと思うのだろうか?
来年度からは志望者など集まらないのではないだろうか?
そもそも、今回の件で今入学している学生に対しては「契約違反」ではないだろうか?
それとも、もともとそういった説明はしていないから・・・で通すのだろうか?
それほど「信用のない」組織でよいのだろうか?
そう思わざるを得ない!
と、改めて「怒り」を言葉にしてみました(笑
実際、相手に原因を求めるのではなく「自分の中の原因を探し、それを改善する方法をさぐること」が重要だと思うのですが・・なかなか難しいですね。
この「診療科の調整」。注目されていると書かれていますが、このようなことが他の大学でも行われた場合、非常に悲惨な事になります。
昨日の「ど~でもいい話:僕と子供の夢」でも書きましたが、好きな分野で好きなように活躍するからこそ、人は伸びていくのです。
この制度に関しては大反対です。
他の学部に広がったりする前に、つぶしてしまいたい。
また、責任者に関しては責任をとるべきだと思います。
http://blog.with2.net/link.php?602868
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それでは、再びネットサーフィンに入ります。
一連の医官退職防止キャンペーンとか見ていても、上層部へのアピールばっかりで、自衛隊が本当に医官を必要としているとは思えません。
しかし、こんなことを考え付いたのが防衛医大の教授や、OBでないことを心底祈ります。
おはようございます。はじめまして。コメントありがとうございます
読売新聞に出たということで、ほぼ確定ではないでしょうか。たぶん、この内容の話が広がったら受験したとしても入学に「二の足」を踏む方が多いのではないかと思います
医官退職(防止)キャンペーン、上層部へのアピールが主体なんでしょうね。医官が必要ならば、医官を必要としている方法を考え付きそうですからね
いずれにせよ、全ての大学の医学生のためにも・・こんな内容の話が消滅する事を祈っております
また、コメントいただければと存じます
もっとも,若手医官がいくら叫んでもこの組織では(上司の保身のために)平然ともみ消されるのが常(泣)
だから,上層部も末端の実態が分からず,裸の王様状態.今回も「してやったり,最良の方法だ」と思っているかもしれません.
「(やむなく)退職」という態度(=最終手段)で示しても分かってもらえないこの組織に若手医官の将来があるのでしょうか?
こんばんは、コメントありがとうございます
若手医官が叫んでも…というのは事実だと思います。
おそらく、現状がよいという方々が残っているというのもあると思うのですが、どこの組織であっても現場の意見を聞かなくては何もできないと思うのです。
この組織に関しては現時点で将来があるかと言われればわかりません。
しかし、作り上げていくしかないとは思います。
もしかすると、一回崩壊したらいいかもしれません。
以外と日本がどうなるか、そのモデルとなって国にとっては良いことになるかもしれません。大まかにどうなるかが多くの人に示せるかもしれない。
・・・ま、情報が漏れることはないのでしょうけど。
しかし、それが示せるのであれば、崩壊してもよいのかもしれませんが・・・・
この防衛医大の問題がこのまま継続すると、「何かあった際(災害、戦争、テロなど)」には困るのでしょうね。
そういう意味では、将来の日本のために再改革をする必要はあると思います。
だれがその指揮をするのかは知りませんが・・・改革できる人材がいらっしゃるのであれば…良いのですけどね・・。
また、コメントいただければと存じます