波打ち際の考察

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波屋山人

THE WORLD UNIVERSITY RANKINGS 2011-12

2011-10-17 21:00:24 | Weblog
THE(Thomson Higher Education) World University Rankingsは
世界的に定評のある大学ランキングらしい。
教育力や研究力、国際性、研究論文の引用数などが考慮されている。
世界のトップ400大学に入っている日本の大学は16校。
日本の大学は英語で講義が行われていないせいもあり、外国出身の学生が少なく
国際性が低くなりがち。
その中で16校がランクインというのは健闘している。

http://www.timeshighereducation.co.uk/world-university-rankings/2011-2012/asia.html
30   東京大学
52   京都大学
----------------------------------世界トップ100の壁------------
108   東京工業大学
119   大阪大学
120   東北大学
----------------------------------世界トップ200の壁------------
201-225 名古屋大学
226-250 首都大学東京
251-275 九州大学
251-275 筑波大学
276-300 北海道大学
276-300 東京医科歯科大学
----------------------------------世界トップ300の壁------------
301-350 慶應義塾大学
351-400 広島大学
351-400 神戸大学
351-400 東京農工大学
351-400 早稲田大学


大まかにわけると上記のような感じ。
印象的なのは、日本の私立大がトップ300にひとつも入っていないということ。
国立大は11校入っている。

雑誌の特集などでは早慶上智をはじめ、青学、立教、明治、関関同立などが
人気難関私立大学としてもてはやされている。

だけど、ほんとうに大学で勉強をしたい、研究をしたいと思ったら
国立大学のほうが環境は整っている。
学生一人あたりの教員数だって何倍も違う。

ただ、楽しい学生活を送るなら都心に多い私立総合大学がいい。
遊ぶところはたくさんあるし、サークル活動も活発だ。
卒業生の数も多いから、地域の中で一定の存在感を示している。

マスコミは早稲田出身者が圧倒的に強い。
東京の有名企業には慶應、明治、青学、上智などの出身者も多い。
産業界で一定の地位を得ている大学が多いから、
日本の経済誌が作る大学ランキングには、就職率や社内での評価のような視点が
重視されているのかもしれない。

研究力や教育力では地方国立大に劣ってしまう都内の有力私大が大きく持ち上げられ、
あまり広告費を持たない地方国立大の存在は軽視されてしまう。

宣伝力は強くないけど、足腰の強いしっかりとした地方国立大はたくさんある。
小樽商科大も山形大も群馬大も、信州大も岡山大も熊本大も、現地では評価が高い。
実際、地方では早慶に合格しても現地の国立大に進む人が多い。

早慶ですら、成績上位者を中心として合格者の半分から3分の2程度は他大学(主に国立大学)に進学してしまうけど、国立大合格者は9割以上が合格した大学に進学する。

私立大学の入学難易偏差値と、実際に入学した学生の偏差値には大きな差がある。
しかも、有力私大には系列校出身者や推薦入学者が多く、入学者偏差値をさらに下げている。

有名私大出身者が多いマスコミの人は出身校を高く評価したくなるのかもしれないけど、
たまには世界のランキングにも目をむけてはどうだろうか。
かろうじて早慶が顔を出すだけで、上智も青学も明治も法政も、
理系学部を持つ大規模な大学なのに、ぜんぜんランキングに顔を出してこない。

私立大学は私学助成金として年間4000億円以上も税金から提供されているけど、
研究力向上にはあまり役立てていないのかもしれない。

日本のノーベル賞受賞者や候補者は国立大出身者ばかり。
マスコミも、もう少し国立大学を応援してあげてもいいのではないだろうか。

とくに扱いがかわいそうなのが筑波大。
研究環境は整い、規模も入学難易度も北大や東北大、神戸大などと遜色なく、
世界ランキングでも日本9位なのに、「難関10大学」などに入れてもらえない。

いまや筑波を出て教師になる人はごく少数なのに、
相変わらず教員養成系だと思っている人もいる。
九州かどこかの私立大(それは筑紫)だと思っている関西人もいる。

かつて学生運動を押さえ込むことも考慮して?東京教育大が筑波に移転した際、
筑波移転反対の運動が盛り上がり、学生運動の人たちから筑波が敵視された。
学生運動に取り組んだ人たちが、筑波を軽視し、無視しているということもあるのかもしれない。
京大大学院で筑波移転阻止の学生運動を行い、その後筑波大学で教授になって政治的活動を続けている人だっている心広い大学なのに。
(ちなみにその教授はあまり研究成果を出していない。研究者というより活動家だから?)

不況が続き、高額な学費や住居費が払えない学生が増えている。
都心の有名私立大学に進むのは、自宅通学できる人か、家計に余裕のある人が多い。
成績がいいけどお金がないという人は、地元国立大学を目指す。
あるいは筑波みたいに地域の家賃が安く、寮も充実している大学を目指す。

バブルが遠くに去り、ブランド物よりも自然なものを好む人が増えているように、
進学先も、派手さやおもしろさやブランド力ではなく、
地に足をつけて学ぶことができる大学が人気を集めていくのかもしれない。



かつて進路指導の先生から大東文化大を目指したらどうだと言われたぼくだけど、
もし大学受験をやり直すなら、外国人が多くて刺激を受けそうな立命館アジア太平洋大や
広々とした北海道の中心に位置する北海道教育大学旭川校、
放射能物質に汚染されていない盛岡の岩手大、
温暖地の作物を研究できそうな鹿児島大など、
自分なりにおもしろそうな学校を探して受験してみたいものだと思う。


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