横山崋山 (178?-1837) って誰? と思ったが TPO が一致して入館.ポスターの「見ればわかる」も効いた.
ガイジンが多く,ボナール展より混んでいたくらい.
いろんな画風が混在.器用貧乏ゆえに後世に名が残らなかったのかもしれない.
出発点は曾我蕭白だそうだが,あんな絵をお手本にするのは変わり者の証拠だろう.
「夕顔棚納涼図」(右) は久隅守景 (1620- ? ) の国宝「夕顔棚納涼図屏風」(左) へのオマージュだろう.守景描く頬づえをつた男性のポーズはぎこちないが,150 年後のこの絵では自然である.男女だけをクローズアップした構図もすっきりしている.しかし蚊に喰われないのかと心配.こちらは大英博物館蔵とあった.
ちなみに,この守景の絵は
夕顔の咲ける軒端の下涼み 男はててれ女はふたの物
という歌を視覚化したものだそうだ.「ててれ」は褌,「ふたの物」は腰巻き.作者の木下長嘯子 (1569-1649) は,小早川秀秋の義兄である.
ポスターにもあしらわれている,上下各 30m の「祇園祭礼図巻」で順路は渋滞.山鉾や神輿ばかりでなく,店先にいる人々までをも,色彩豊かに細密に描き出している.祇園祭の研究にも資するとかで,京都人なら夢中になるところだが,ぼくは途中でスキップ.
「唐子図屏風」が可愛かった.
ステーションギャラリーの螺旋階段.見上げればシャンデリア.