Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

昭和の男

2018-10-01 08:42:37 | 読書
半藤一利,阿川佐和子 東京書籍 (2017/9).図書館の本.☆☆☆★

Amazon の内容紹介*****
『日本のいちばん長い日』『昭和史』など、「生きる昭和史」としてますます活躍する半藤一利と、男性に辛口なエッセイで大人気、『聞く力』の阿川佐和子が、自分の体験から独自に選らんだ「昭和の男」8人を選びました。「昭和の男とは何なのか」の議論は白熱、結論は意外な方向に……。*****

8人を半藤,阿川がそれぞれ4人ずつ選び対談.4人のうちのひとりはそれぞれの父,半藤末松と阿川弘之で,半藤が鈴木貫太郎,今村均,松本清張,阿川がウィリアム・メレル・ヴォーリズ,植木等,小倉昌男.
半藤が1930年,阿川が1953年生まれ1941年生まれのぼくには阿川が選んだ人たちの方に親しみを覚えた.
彼女の評価基準は「カワイイ」にあるらしく,その意味でも一番つまらなかったのが植木等.彼が歌ったのは自作ではなく,青島などの作だから,植木=無責任ではない.話が上滑りになってしまう.

阿川弘之については,娘が同じことをあちこちに書きすぎで,新鮮でない.半藤も鈴木や今村についてどこかに書いたことをここで喋っているだけだろうが,こちとらは彼の熱心な読者ではないから,知らないことばかりで面白かった.

陸軍大将今村均は山下奉文クラスの大物.戦犯として巣鴨で米軍お仕着せの旨いものを食べてぬくぬくと寝るのをいさぎよしとせず,マッカーサーと掛け合って,部下と一緒にパプアニューギニアの収容所に入る.現地人がみな彼に好意的だったので処刑されなかったが,自宅の庭に収容所と同じ広さ・トイレなしの「謹慎小屋」にひきこもり,死ぬまでそこで暮らす.

太平洋戦争が始まった時点で「この国は四等国になる」と息子に言ったという区会議員・半藤末松.戦時下は家族を疎開させ,自分は妾とうまくやるが,終戦後は腑抜けになってしまう.

等々.  

装画 和田誠,装幀 南伸坊.カバー左の軍服男は誰だか (たぶん今村) 誰にもわからないだろう.
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