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Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

新曲ばかりのクラシック・オーケストラのコンサート

2008-08-31 13:46:38 | 新音律
広島ターフェルオーケストラ
http://homepage1.nifty.com/tafel
の第5回オリジナルコンサート.曲目も上記HPに出ている.

オーケストラは最大30人くらいの編成だが,室内楽的な編成の曲も.マンドリン,ビブラフォンも登場.ステージで編成にあわせていすを並べ替える合間に作曲者がMCするのだが,作曲家はおしゃべりもお上手なことを認識した.

最初の「ハーモニー」は全部全音符で,コード進行の練習みたい.このコード進行が途中で折り返して後半逆になるのがミソらしい.最後の「ガンジス」はエッシャーの無限階段みたいに下降フレーズしかない曲.この2曲は2人の作曲者が「眠くなるかもしれない」と言っていたが,眠くなる前に終わってしまった.

「矢印」は10分以上で,この日いちばんの大作.楽譜はA4一枚にことばで書かれているそうで,この曲に限って作曲者が指揮をした.フリー・ジャズのようなものかと思うが,指揮者を見ていると面白かった.「神経衰弱」は同じ音の固まりがふたつずつ対になっているが,それが時間的にどこに隠れているかわからない曲.神経衰弱というゲームより,特に弦楽器の特殊奏法に目がいった.

もちろんメロディのあるふつうの曲もあって,J 子は6人の奏者による「殻の外」が良かったと言う.「断章61より」は北原白秋の詩に曲をつけたもの.ぼく的には,このところハリー・パーチの Corporealism にとりつかれているので,正統的歌唱のため歌詞が聞き取れないのがちょっと不満.

短い曲ばかり,プログラムの曲順もうまくできていた.じつは「現代音楽かよ」と引き気味だったのだが,楽しく聴かせていただきました.
踊る阿呆と見る阿呆というが,盆踊りなど,見ているだけというのはたしかに阿呆みたいだ.やってみるとわかることだが,ジャズは演奏するのが楽しい.とくに下手くそなジャズを聴くだけというのは阿呆みたいだが (ぼくの演奏をどこかで聴いて下さった方...ごめんなさい),これもやる側に立ったつもりで聴けば退屈しない.
そこでクラシック,というより,楽譜のある音楽一般では,作曲する人がいちばん楽しいんじゃないか,というのがこの夜のぼくの感想.

ポスターのお好み焼きのココロは「できたてはおいしい」だそうです.入場無料だが,このコンサートは自前なんだろうか???
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広瀬正・小説全集

2008-08-29 17:00:31 | 読書
書店に文庫本「マイナス・ゼロ」が平積みになっていた.広瀬正の作品群が集英社文庫として,久々にこれから順次刊行されるらしい.

若くしてお亡くなりになったためもあり,この方の著書は
マイナス・ゼロ,ツィス,エロス,鏡の国のアリス,T型フォード殺人事件,タイムマシンのつくり方(短編集)
の6冊だけだそうだ.ジャズバンドでサックスを吹いていたというが,そちらが本業だったのかもしれない.上記の2冊目の「ツィス」はジャズマンだから書けた小説かも.

全部揃えた覚えがあるので本棚をあさったが,見つかったのは「エロス」と「鏡の国のアリス」だけ.目下1982年に360円で買った「エロス」を読み直している.淡谷のり子がパラレルワールドに出現という趣向.解説で小松左京が指摘するように,SF なのに風俗小説っぽいところが発表当時は斬新だった.当時の物価とか,交通事情とか,ファッションなどの記述が臨場感をもって迫ってきて,自分が生まれる前の話なのに懐かしかったりする..

広瀬さんの作品は再三?直木賞候補になった.オール読物で分かったのは選考委員諸先生の頭の固いこと.あれ以来ぼくは賞というものを信用しなくなった...にもかかわらず,文春なんか買ってるな,と,すこし反省.
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メタボ検診と言えば...

2008-08-27 08:18:34 | エトセト等
去年までは市の補助で病院に健康診断に行っていたのだが,今年から制度が変わって「メタボ検診」になったのだそうだ.

公民館で受付.机の妙齢の女性に,ビニール袋に入れてきた尿を提出.彼女ははさみで穴をあけ,試薬のついた綿棒のようなものをつっこんで,「マイナスね」と記入し,残りをバケツに捨てていた.
ポリ袋に入れた自分の履物をぶら下げ,行列して,問診・血圧検査・採血など.学校の身体検査を思い出す.x線・心電図など高級な項目は問診の結果必要と思われるものだけが受診する.ぼくは見るからに健康なので,混んでいたのにあっと言う間に終わってしまった.

20年来の健康診断 (このごろ人間ドックと言わないな) のデータはみんな取ってあるのに,今年からは比べるべきデータがない.どこかに行って取ってこようか.
データといえば,今月の文芸春秋によれば,戸塚洋二さんは最後までデータ (この場合はご自身の病状に関するデータ) にこだわっておられたようだ.

この記事の中で,戸塚さんは「千の風になって」という歌が好きでないとも言っておられた.J 子の母は約100歳だが,「千の風になって」を聞くと機嫌が悪くなるのだそうだ.ぼく的には,あの歌はカマトトっぽくて苦手.

文春と言えば,中国人女性の芥川賞だが,直裁な表現が多く,むかしの小説を読んでいるように錯覚した.選考委員の一部の「風俗小説」「直木賞向き」などという意見に賛成.
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オリジナルTシャツ

2008-08-25 08:53:42 | お絵かき
転写紙にインクジェットでプリントした柄を,アイロンで簡単にTシャツに写せる...というので,やってみた.
デザインは
http://blog.goo.ne.jp/ablerail1007/d/20080714
のブルック君である.

説明書のとおりにやったが,後で端の方がぴったりついていないようなので,再加熱したり... ごらんのように,まあまあのでき.でもプリントした部分がごわごわして,素肌に優しいとは言い兼ねる.おまけに説明書を良く読むと,洗濯のときにあれはいけない,これはいけないと,いけない事項多数.壁にぶら下げて,やってくる人に自慢して,おしまいということになりそう.

ユニクロでもデザインを持ち込めば,1枚700円でプリントしてくれるらしい.そちらに頼んだ方が賢明だったかも.
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「お菓子と娘」をブルースで?

2008-08-23 11:00:37 | ジャズ
「おかしのすきな パリむすめ」で始まる「お菓子と娘」は西条八十作詞・橋本国彦作曲.昭和3年の曲だが,大正ロマンの名残り.クラシックの歌手が歌うことが多く,たとえば唐沢まゆこさんのHPで試聴できる.最近COCCOによってリバイバルしているらしい.著作権の関係か,COCCO版のアルバムではなぜかこの歌だけが有料でもネットからダウンロード出来ないようだ.

暗い悲しい沖縄戦の最中に,女学生のあいだで明るく楽しく(そして密かに?)歌われたことがあるそうだ.食べるものも無いときに「選(よ)る間も遅し エクレール 腰もかけずにむしゃむしゃと...」という歌詞(ネットを漁れば出てくる)は,別な世界のことのように思えただろうか...

詩はは3連の3行詩プラス4行.
したがって曲も3コーラス・プラス・1コーラス,あるいは4コーラス・プラス・コーダとも言える構成.12小節@コーラス.コードはもっぱらCとFである.というわけで,これをブルースにしてしまったらどうだろう.

ただし原曲は,短いのに凝っていて,コーラス毎にちょっとずつ違う.3コーラス目の中程では短調に転調してすぐ戻ったり.
橋本国彦(1904-1949)は大作曲家で,芥川も,団も,黛も,この先生の弟子なんだそうだ.
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猫と坂の尾道

2008-08-21 08:15:47 | お絵かき
CDケースに裏から描いたので,実際の地形とは左右すなわち東西が逆.
尾道を知らない人に,何が描いてあるかわかるだろうか.
階段が白っぽすぎで,雪景色みたいだし,猫が引き立たない.
小さい (12 x 14 cm2) ところへ,ちょこまかと描いていたら時間ばかりかかった.
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戦争体験もの

2008-08-19 09:47:20 | 読書
発見された東条英機の手記で,敗戦を「国民の無気魂」のせいにしているとか,むかついた.「軍人の論理」と報道されていたが,小役人の論理だろう.
ぼくの世代では,戦死のため,クラスの一割くらいの生徒に父親がいなかった.

この時期になると戦争体験ものが書店に積まれる.いままでいちばん衝撃的だったのが
「ヤマザキ,天皇を撃て!」
だった.1969年正月の宮中参賀で,天皇にパチンコ玉を発射した犯人の手記.初刊本(奥崎謙三著 三一書房 1972)が本棚にまだ鎮座しているのだが,辛いと思うので,読み返す気になれない.
Amazonで見たら新泉社から1987年に出たのが最後らしい.
文庫化を!!.

画像の中のもう一冊は
水木しげる「娘に語るお父さんの戦記」河出文庫(1992)
死線をさまよったのは奥崎さんと同じ.水木さんは片腕も失ってしまう.でも (本音は分からないが),天皇の戦争責任なんか考える気もしない...というスタンス.パプアニューギニアで土人 (差別用語っぽいが,本にはそう書いてある) にいりびたるあたり,人生はポジティブにという態度に救われる.しかし土人と仲良くなれるひとなんか滅多にいないはずで,やはり水木さんという,特別な人か兵隊になったのかなとも思ってしまう.
例の細密な挿画多数.中学生から老人まで.
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河岸忘日抄

2008-08-17 08:49:34 | 読書
「 かがんぼうじつしょう」とルビ.堀江 敏幸著 新潮文庫 (2008/04)
カバーが気に入ったので購入.でも舟というより かつぶし削りみたいだな.三谷龍二 立体 とあった.新潮文庫のこの作家のカバーは三谷作品で統一されているらしい.

「BOOK」データベースによれば
セーヌと思しき河に浮かぶ船を仮寓とする「彼」。陽あたりのいいリビング。本とレコードが几帳面に並ぶ樫の木の棚。訪ねる者はといえば、郵便を届けにきて珈琲をのんでゆく配達夫くらいだ。謎めいた大家を時に見舞いながら、ブッツァーティ、チェーホフ、ツェランなどを再読し、ショスタコーヴィチほか古いLPに耳を澄ます日々。ためらいつづけることの意味をさぐる最新長篇。

解説 (鷲田清一 哲学者だそうです) は,「わたしは小説を読んでいるのだろうか」で始まる.たしかに特定の個人のブログを読んでいるような感覚だ.一人称でなく,三人称の「彼」を主人公として書かれているのに違和感を感じるほど.
建設的ではないが,退廃的でもなく,てきとうに訳が分からないので,大学入試問題の題材にはいいかも.
寝る前に読んで眠くなったら寝るのに最適な小説.というわけで,読了するのにひと月もかかってしまった.

作者は年寄りかと はやとちりしたが,1964年生まれとあった.
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原爆ドーム

2008-08-14 11:52:38 | エトセト等
小学生と,そのご両親と原爆ドームへ.
4年生は,YかNかと尋ねると「ビミョー」と答えるのが面白い.面白がるのでサービスに「ビミョー」と言うのかもしれない.

原爆ドームを覗いて,幼年時代に見たことがある気がした.明るい日差しから暗いところに入るって目がなれると,天井の割れ目からの日差しで見えるのは,がれきのなかのぼろをまとった人たち.これだけなら終戦直後の東京にいくらでもある光景だったのだろう.爆撃されたビルを東京にも一つくらい残しておけばよかったのに.
東京の空襲の一夜の死者は10万弱で,原爆と同じオーダーだった.でも原爆とちがってその後何十年も放射線障害が尾を引くということはなかった.

平和資料館は怖かった.数年前に見た時も怖かったが,その時のことはあまり覚えていないことを認識した.都合の悪いこと同様,怖かったこともすぐ忘れる性分らしい.あるいは,歳を取ってからではなかなか刷り込まれにくいということか.あるいは後から,忘れることを生活の知恵として学習したのか.




第二の画像は「原爆犠牲国民学校教師と子どもの碑」.県立美術館にこれのもとになった,芥川永による石膏像が展示されていた.石膏と言ってもうすよごれたピンクでなんだか生々しい.
平和公園では,他の彫刻の多くに比べて,ぐっと具体的だが,あまり知られていないようだ.裏には「太き骨は 先生ならむ そのそばに 小さきあたまの骨 あつまれり」という短歌.
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スリー・パインズ村の不思議な事件

2008-08-12 07:45:46 | 読書
ルイーズ・ペニー 著, 長野きよみ 翻訳 ランダムハウス講談社文庫 (2008/7)

英国推理作家協会最優秀処女長篇賞
アンソニー賞最優秀新人賞
バリー賞最優秀新人賞
ディリス賞
アーサー・エリス賞最優秀新人賞

それぞれがどんな賞かはまるで知らないが,賞コンプレックスのため,つい購入.小説そのものはとても良かった.

帯の紹介に曰く...
家に鍵をかける習慣さえない、ケベック州の平和な小村スリー・パインズ。感謝祭の週末の朝、森の中で老婦人の死体が発見された。死因は矢を胸に受けたと見える傷。一見、ハンターの誤射による事故死に思えた。だが、凶器の矢がどこにも見当たらないことから、ガマシュ警部は顔見知りによる殺人事件として捜査を始めた・・・・。
「ボアロとモース警部へのケベックからの回答!」と絶賛される本格ミステリの新シリーズ第1弾。

日本のミステリーに比べて文章に奥行きがある...のだろう,と,翻訳を通して感じられる.平和な村の殺人というよくあるストーリーだが,ゆるゆると展開するので,ゆるゆると読んだ.しかし後半は引き込まれ,読み急いでしまった.
舞台はカナダでも,英語と仏語がぶつかり合う地域で,タイトルもそこに由来している.
絵画が謎解きの鍵になっている.犯人は余計なことをして墓穴を掘るのだが,この殺人そのものに必然性は感じられない.殺人とは無意味なものと感じさせたいのかもしれない.
時々混じる新米女性刑事の視点もそれらしく描けている.
父親に罪をなすりつける男の子が出てくる.いまの日本の青少年だったら,自分が罪を犯した方が親にダメージを与えると考えるところだけれど.
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