「『MISIA星空のライヴIX @河口湖』遠征3日目のこと(その1)」のつづきも、ヴァンジ彫刻庭園美術館で観た企画展「KIGI キギ in Clematis no Oka」のことから始まります。
最後に紹介するキギの作品はこちら
開かれた書物の見開き中央部に、色美しい蝶たちが止まっています。
その一つをアップしますと、、、、
書物のページから蝶が浮かび上がっているように見えます。
これらの作品「SPECIMEN OF TIME #001」の説明書きを転記しましょう。
私たちは、古い書物の真ん中辺りの見開き頁の表裏に、水彩絵の具でひとつひとつ蝶の絵を描いた。
描き終わった後、胴体に接するところは残して、蝶の羽のアウトラインを丁寧にカッターで切りとる。
そうすると製本された本の構造上、テンションの違いで切りとられた羽が自然と起き上がる。
私たちは、擬似的に蝶の生まれた瞬間に立ち会う。
本との出会いは、人生の道しるべになることがある。読み手は、一冊の本の中で何かを決めるかもしれないし
また、ある一文に出会うことで、進むべき方向を改めることがあるかもしれない。
誰かにとって光が差し込んでくる瞬間。蝶が羽ばたくその姿は幸せの象徴。
私たちはこの“瞬間”を「時間の標本」として、残すことにした。
だそうです。
確かに美しい。
確かに見事なアイデアです。
でも、蝶よりも本に対して、ある意味フェティシズムを持つ私にとっては、なんとなくわだかまりが残る…。
これらの書物たちは、読まれることよりも、このような美術作品の素材として残ることを望んでいるのだろうか…
そんなことを考えてしまったわけですな。
「その1」で、「ONE OFF DESIGN_FAKE VACES FOR FAKE FLOWERS」について感想を書こうとして行き詰まってしまった私、その行き詰まりの理由と、「SPECIMEN OF TIME #001」に対するわだかまりとは、性格の異なるものとは思いつつも、そして、作品に対してはある程度の敬意を持ちつつも、要はキギとは肌が合わないとも思ったのでありました。
もっとも、Chim↑Pomに対するような「嫌悪感」はないのですが…。
ちょっと複雑な気持ちを抱えたまま外に出た私の目に飛び込んできたのは、
体中のコリが消え去るような気持ちの良い眺め
もう一丁
なんだか、小賢しい(書いちゃった…)技なんか、到底たどり着けないものを見た・感じた気がしました。
つづきき:2016/05/10 「MISIA星空のライヴIX @河口湖」遠征3日目のこと(その3)」
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