先日、母親の要望に応じて、秋田県立近代美術館で開催中の大原美術館展に出かけてきました。
この展覧会は、その名のとおり、倉敷にある大原美術館のコレクション展です。
秋田県立近代美術館は、秋田市内からだと高速道路を使ってもクルマで1時間はかかる(距離は、私の通勤の片道とほぼ同じ)し、公共交通機関だと1時間に1本くらいしかない電車と1時間に1本くらいしかない路線バスを乗り継ぐか、1日5往復運行の高速バスで行くかしかない場所で、クルマがないと行きづらい場所にあります。
でも、十分な広さの無料駐車場がありますし、横手ICから至近ですから、ある意味、便利でもあります。
さて、「秋田魁新報創刊140年・秋田県立近代美術館開館20周年」と銘打った大原美術館展は、
第I章 大原美術館のはじまり -大原孫三郎と児島虎次郎-
第II章 近代美術コレクション -大原總一郞の時代-
第III章 現代美術コレクション -アンフォルメルと抽象表現主義-
第IV章 大原コンテンポラリー -21世紀の美術館として-
の4部構成になっていまして、私としては第II章と第IV章が面白かったなぁ…
とりわけ、日本の現役バリバリの作家の作品を集めた第IV章が出色で、ホント楽しませていただきました
まず、わが敬愛する山口晃画伯の「倉敷金比羅圖」
1曲1隻の屏風でございます。
金雲たなびく瀬戸内海を挟んで、倉敷と金比羅さんが描かれた作品をしげしげと眺めながら、私は、2008年のゴールデンウィークに出かけた倉敷(記事はこちら)と、
翌2009年のゴールデンウィークに出かけた金刀比羅宮のこと(記事はこちら)を思い出していました。
足かけ2年を要して(?)瀬戸大橋を渡り、
この作品に描かれたところを踏破したんでしたなぁ…
それはさておき、秋田市出身の鴻池朋子さんの巨大(220×630cm)な「第1章」は、心に突き刺さる作品でしたし、
北城貴子さんの「Reflection -muison-so-」は、静けさと湿気に満ちた作品で、心が潤っていくような気がしました。
そして、あまりに気に入って、ポストカードを買おうを思ったら、売場にはわざわざ、
この作品のポストカードはありません。大原美術館にもありません。
と掲示されていたのが、福田美蘭さんの「安井曾太郎と孫」
ポストカードがありませんので、会場の垂れ幕をパチリ
安井曾太郎画伯の「孫」です。
福田さんの「安井曾太郎と孫」は、安田画伯が「孫」を描く側で、モデルとなったお孫さんがその作業を見つめている様子を、安井画伯のタッチで描いたもので、正直、違和感がハンパありません
「孫」は、好き嫌いは別として、一つの作品として「有り」だと思いますが、描かれたままの彼女が別の作品におじいさまと一緒に登場するとなると話は別で、、、、、こりゃ何だ です
もし、安井画伯が「安井曾太郎と孫」を見たとしたら、どんな反応を示すのでしょうか?
おぉ、想像するだに恐ろしい…
西洋美術、近代美術を展示する美術館としては日本最初のものである。
という80年を超える歴史と格式(?)を誇る美術館なわけですけれど、積極的に新しい作品をコレクションに加える現在進行形の美術館なんですなぁ。
また倉敷に出かけて大原美術館を観に行かねば と思った大原美術館展でありました(下の写真は大原美術館の中庭にある「モネの睡蓮の池」)。
「第IV章 大原コンテンポラリー -21世紀の美術館として-」のことしか書きませんでしたが(第I~III章も見所たっぷりでしたよ)、大原美術館展の見聞録はこれまで
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