きょうは1ヶ月半弱ぶりに上野に行ってきました。
お目当ては、東京国立博物館(トーハク)で絶賛開催中の「鳥獣戯画」展、
ではなく、東京藝術大学大学美術館で開催中で、明日(5月17日)に千穐楽を迎える「ダブル・インパクト」展でした。
以前から、この展覧会のポスターは目にしていたのですが、ポスターからのインパクトがあまりに強烈で、逆に食指が動かない状況に陥っていました。
ところが、あちこちで「ダブル・インパクト」展の評判を見ますと、なかなか良い
そこで、千穐楽前日のきょう、出かけてきたわけです。
食わず嫌いのせいで「絶世の美味」を味わい損なったらもったいないですからねえ…
一方の「鳥獣戯画」展は、上に載せた「ご案内」のように、「鳥獣戯画」の現物にお目にかかるには4時間もかかるというのですから、
しかも、何度か書きましたように、絵巻の展示というものは、辛抱強く行列に並んでようやく現物の前にたどり着いた人々がじ~~っくり観るのが常で、ヘタしたら、現物の上に展示された拡大画像を眺めただけで終わってしまう可能性があります。
「鳥獣戯画」展の場合は、それが必至でしょう
そんなわけで、トーハクの前を素通りした私は、久しぶりの東京藝術大学大学美術館に到着。
観覧料1,500円也をお支払いし、エレベーターで3階に上がって鑑賞開始です。
この展覧会は、ボストン美術館と東京藝大のコレクションとを合わせる「ダブル・インパクト」と、江戸時代末期に鎖国が終わって、当時の日本人が初めて触れた海外の科学・文化その他もろもろから受けたインパクトと、逆に、当時の西欧人が初めて触れた日本の科学・文化その他もろもろから受けたインパクトを感じ取ろうというもので、それはなかなか、っつうか、かなり面白い展覧会でした
一方で、私のように、この「ダブル・インパクト」というタイトル、加えて、この落ち着きのないポスターやフライヤーのデザインから「食わず嫌い」に陥ってしまった人が多いのではなかろうかと思います
さて、この展覧会で一番の掘り出し物は、柴田是真の作品でした
私が今日まで持っていた是真のイメージは、おっかないお顔と、
「漆絵」に代表される漆工家としてのそれでした。
ところが、この展覧会で展示されていた是真の筆による「千種之間天井綴織下絵」のなんと素晴らしかったこと
この「下絵」は、
1888(明治21)年に竣工した明治宮殿の、千種之間天井画のための下絵
だそうで、明治宮殿は1945年(昭和20年)5月25日の空襲で焼失してしまったため、天井画(綴織なんでしょ)は残っていませんが、こうして下絵が残っている(東京藝大蔵)のは不幸中の幸いなんだと思います。
それにしても、是真の描く草花ときたら、清々しくて、たおやかで、しなやかで、瑞々しくて、そして、色鮮やかで、もう、たまりません って感じでした。
と、胸一杯になったところで、「中編」につづきます。