「お城と温泉の四国旅行記(その6)」のつづきは、四国旅行2日目の朝から始まります。
この朝のことは、当日の記事「艮(うしとら)にこだわる」で書きましたが、高松城の「艮櫓跡」探しと、「玉藻公園の北側、水城通り(R30)を挟んだ向かい側に見えた建物の正体を探ること(近くに横断歩道がなく、ぐるりと迂回するほど時間に余裕がなかった)」を決行しました。
この「建物」の正体を明らかにする前に、朝日に映える「高松城北之丸月見櫓(続櫓)、水手御門、渡櫓」の写真を載せておきましょう。
さて、問題の「建物」、近くから観ると、なぁ~んかのぺぇ~としています。
普通ならば、家紋や火除けの巴紋の類がついているはずの瓦も無装飾…
説明板を転記しますと、
報時鐘
この鐘は松平家初代藩主頼重公(原文ママ)が承応2年(1653年)城下の人々に時を知らせるため大判30枚を加えて大阪で鋳させたもので最初外堀の西南稲田外江の邸(現在西内町四鉄病院)に近い外堀土手に鐘楼を設けた。
その後一番町(現在錦町1丁目)に移され明治33年(1900年)に四番丁小学校校庭に再建され昭和3年1月市庁舎のサイレン設置まで当市の名物として市民に懐かしい響きを伝えていた。
昭和8年6月四番丁小学校講堂改築に伴い松平家に返納され玉藻公園内に置かれていた。
当市は明治23年2月15日に市制を施行し昭和55年市政施行90周年を迎えこれを記念してここに建立したものです。
だそうです。
説明板が建てられた「昭和58年」(1983年)からの時の流れ(「四鉄病院」があった場所は高松北警察署になっている)は仕方ないにしても、基本的に「鐘」の説明で、現在の鐘楼がオリジナルに基づいて再建されたものなのか、はたまた月見櫓のイメージで設計・建立されたものなのか、まったく説明がありません。
また、肝心の「報時鐘」の現物を観ることもできず、ちょっと当て外れでした…
でも、そのあと、艮櫓跡をしっかりと観られましたから、朝の散歩はどっしりと収穫があったと思っています。
高松発9:40の特急いしづち9号に乗って松山へ出発
窓から眺める瀬戸内海が、とにかくキレイ
上の写真は多度津付近で撮ったもので、特徴的な形の高見島が写っています。
そして下の写真は、あと5分ほどで松山駅到着という地点(松山市柳原?)で撮ったものです。
「エメラルド・グリーンの海」ってヤツですよ
眼福でした
車中のほとんどの時間、「艮(うしとら)にこだわる」の追記に励んでいたもので、ずっと景色に見ほれていたわけではなかったのですが、こちらの風景に目を惹かれました。
小島に神社があって、陸地から長い橋が伸びています。
こんな神社、見たことがありません
帰ってから調べると、この神社は「津嶋神社」という神社で、かなり変わった神社のようです。
というのも、津嶋神社のHPによると、
江戸時代から子供の健康と成長の守り神として信仰が厚く、日本全国から家族連れの参拝者が多く訪れます。
特に毎年8月4、5日の夏季例大祭の参拝者は、のべ10万人を超えます。
奇岩が連なる島の周囲 津嶋神社のある島は、沖合い250mに浮かぶ周囲132mの小島で、ウバメガシが島の岩にしっかりと根をおろし、生い茂り、島の周囲は季節風や波に洗われ奇岩が連なっています。
そんな小島に、素盞鳴命(すさのおのみこと)を祀る本殿、幣殿、拝殿、神饌殿、社務所、守札授与所がありますが、この島へ渡れるのは年に一度、前述した夏季例大祭の時だけです。
だそうな
そして、最寄り駅になるJR津島ノ宮駅は、津嶋神社の夏季例大祭のときだけ営業する「日本一営業日数の少ない駅(Wikipediaより)」なんだとか
今年の夏季例大祭のときの朝日新聞DIGITALの記事によれば(リンク切れ御免)、
子どもの神様として知られる津嶋神社(香川県三豊市三野町大見)で4、5の両日、夏季大祭があった。「日本一営業期間の短い駅」とされる臨時駅のJR津島ノ宮駅もこの2日間のみ開かれ、親子連れや鉄道ファンでにぎわった。
津嶋神社の本殿と拝殿は、海岸から245メートルの橋を渡った先の小島にある。橋は普段は橋桁のみで、祭りの時だけ板をわたされる。
JR津島ノ宮駅は、この祭りに合わせて1915(大正4)年に出来た。ホームがカーブしているため、大きく傾いた列車とホームの間に数十センチの隙間と段差ができる。4日は23人の駅員が集まり、子どもを抱きかかえて乗り降りさせていた。2日間で約5500人が駅を利用した。
ですって
橋は普段は橋桁のみで、祭りの時だけ板をわたされる。
というのもスゴいですな。恐らく「侵入者防止策」なのでしょう。
また、「ホームがカーブしているため、大きく傾いた列車とホームの間に数十センチの隙間と段差ができる。4日は23人の駅員が集まり、子どもを抱きかかえて乗り降りさせていた。」というのは、「子どもの神様」らしくて、よい話だと思います。
そんなこんなで、高松から松山まで2時間30分の列車の旅、私にとってはあっという間でした。
つづき:2013/10/27 お城と温泉の四国旅行記(その8)