「フェルメールの2点の『真珠』が上野に来訪中(その1)」のつづきを書こうと思いますが、きのうの東京国立博物館(東博)⇒国立西洋美術館のハシゴのお話は順不動で行きます。
東博には「ミュージアムシアター」という定員30名の小さな映写室があり、週末(金・土・日・祝)にほぼ1時間おきにバーチャルリアリティ映像が上映されています。
以前から観たいと思っていたものの、当日予約制になっていて、2~3時間後の上映分しか空きがないのが常で、いつも断念していました。
ところが、「特別展の端境期」のおかげで、昨日は約1時間後の上映を予約することができました。
しかも、上映作品は「江戸城-本丸御殿と天守-」、
およそ265年間にわたり徳川15代の征夷大将軍の居城であり江戸幕府の中心であった江戸城。豪華絢爛な本丸御殿、明暦の大火で焼失した寛永の天守をはじめ、現存しない江戸城を、残された図面を元に再現しました。時代を超えて蘇った江戸城へのバーチャルトリップをお楽しみください。
というもの。
江戸城がどんな城・御殿だったのか興味津々の私にとって願ったり叶ったりです
上映までの1時間なんて、東博の中ならあっという間に過ぎてしまうだろうと考えたところ、案の上、本館1階の「ジャンル別展示」を観て、本館の西隣りにある喫煙所で一服するするうちに、予約時刻になりました。
私、てっきり、ナレーションが入った映像作品を上映するだけかと思っていたのですが、「ナビゲーター」によるリアル解説付きでした。映像はバーチャルリアリティ、音声はリアルって寸法です。
江戸城には以前から興味を持っていて、5年前に江戸東京博物館(江戸博)で開催された「特別展 江戸城」を観に行ったのですが、この展覧会の人出がハンパなく、展示物なんてほとんど見えず もうすっかり意気消沈してほとんど場内を歩いただけだった記憶があります。
その時のリベンジ とまでは行きませんでしたけれど、広大かつ壮麗な往時の江戸城本丸をバーチャル体験することができました。
さらに、東博が所蔵する明治初期の江戸城の写真(下の写真がそれ。今年4月に東博で拝見できました)と、その現在の姿を見せてくれたりと、かなり楽しめました。
いま上映されている「江戸城-本丸御殿と天守-」、エンドロールに、
制作・著作 東京都江戸東京博物館・凸版印刷株式会社
と出てきました。
もしや… と思ったら、やはり、江戸博での「特別展 江戸城」のために制作された作品だそうな。
江戸博といえば、先月出かけた時(さわりの記事はこちら)に、「江戸城本丸大広間・松の廊下・白書院」の模型を観てきました。
改めて撮ってきた写真を観て、昨日観た「VR作品 『江戸城-本丸御殿と天守-』」を重ね合わせると、これまでまったくイメージできなかった往時の江戸城が頭の中に姿を現しつつあるような気がします。
次は実地検証しなくては
江戸城の本丸・二の丸・三の丸跡は、「皇居東外苑」として一般公開(無料)されていることですし
ということで、「特別展の端境期」の東博はかなりの穴場です。
「ミュージアムシアター」の待ち時間は短いし、レストランは空いているし、それでいて総合文化展はいつも通りだし、そして、 入館料600円で涼しい一日を過ごせるし…。
もっとも、今度の水曜日、7月18日から特別展「青山杉雨の眼と書」が始まるわけですが…。
ちなみに、「ミュージアムシアター」の予約時刻が3時間以上先になってしまった場合、東博を出て近隣の博物館・美術館で時間を過ごす手も考えられますが、東博では一旦館外に出ると再入場はできません。もちろんパスポートを持っていればOKですゾ(今度、この手を使ってみよう)
つづき:2012/07/16 フェルメールの2点の「真珠」が上野に来訪中(その3)