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みんな沖縄の基地撤去に本気ですか・    ネット虫

2009年10月26日 20時01分07秒 | Weblog
★あつこばのブログより
http://atsukoba.seesaa.net/

   嘉手納統合案とは?

市街地のど真ん中にあり事故の危険性が高い沖縄の米軍普天間基地を移設する件について、連日のように報道がされています。

民主党は「沖縄ビジョン」で、移設候補地にされている名護市辺野古(へのこ)での基地建設をやめて、「県外移転の道を模索」し「国外移転を目指す」としていました。
http://www.dpj.or.jp/okinawavision/

ところが、23日には岡田外務大臣が「県外移設は選択肢として考えられない状況だ」と発言し波紋を呼んでいます。
http://www.nhk.or.jp/news/t10013326471000.html
そして昨日24日には鳩山首相が「難しい、ってことは、『ない』ってことじゃないでしょ。」とフォローしました。
http://www.asahi.com/politics/update/1024/TKY200910240375.html

マスメディアは視聴率や発行部数、アクセス数を稼ぎたいので、「辺野古容認」「県外移設断念」などとセンセーショナルな報道をしがちです。ひとつひとつの報道に一喜一憂していると神経が減らされますので、冷静に捉えることが必要です。
ただ、岡田外務大臣の発言はかなり問題になっていますので、この件について検証してみましょう。

岡田外務大臣は発言のなかで、内閣としての一致した見解ではないとしながらも、普天間基地の移設先について「私は嘉手納統合だと思っていますが他に意見があるかもしれません。その可能性を検討すること……しか、残された道は無いというふうに思っております」としました。(『NEWS23』の報道)

「嘉手納統合案」というのは、普天間基地を閉鎖し、その機能を同じ沖縄の嘉手納(かでな)基地に移そうというものです。

まずは嘉手納基地についておさらいしておきましょ
http://www.town.kadena.okinawa.jp/kadena/base/index.html
http://www.town.kadena.okinawa.jp/kadena/sky/index.html

先日、惜しまれながらも亡くなった軍事評論家の江畑謙介さんによると、嘉手納基地の規模は「航空基地としては第一級のもの」で、アメリカの国防総省の資料でも「極東で最大にして最も利用が活発な米空軍基地」とされているそうです。(『米軍再編』P320)

そして嘉手納基地は、日本以外の場所への「直接戦闘ないしはそれに準じた作戦が実施される主要作戦基地と考えられる」そうです。(同上、P289)

さらには、「嘉手納基地の周辺には訓練空域が数多く」あり合計面積は「沖縄本島の40倍の大きさ」になるそうです。(同上、P323)

嘉手納基地は、嘉手納弾薬庫とキャンプ・シールズが隣接しています。この3つの基地を合わせると約50平方キロメートルで、那覇市や沖縄市以上の面積になるそうです。
特に嘉手納弾薬庫は「いつ戦争が勃発してもその緒線に必要とされる量の空対地ミサイルを常時整備、貯蔵しておく責任を負っている。米太平洋軍にとってきわめて重要な弾薬庫」だそうです。(梅林宏道著『情報公開法でとらえた沖縄の米軍』P269より)
嘉手納基地についてのおさらいが長くなりましたが、普天間基地の「嘉手納統合案」については以下の解説が比較的わかりやすいと思います。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/scope/CK2009102402000078.html
↓ここから引用
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嘉手納統合案は、現行計画がまとまる以前に浮上したことがある。嘉手納基地や隣接する弾薬庫地区にヘリコプターの着陸帯などを建設して普天間飛行場の機能を移すもので、沖縄県内に新たな基地をつくらない案として検討された。
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しかし、空軍の嘉手納基地に海兵隊が入ることに米軍内で調整がつかなかった。空軍と海兵隊の「縄張り争い」だけでなく、空軍の戦闘機や輸送機が頻繁に離着陸する近くで、指揮系統が違う海兵隊のヘリコプターが離着陸するのは技術的に困難との指摘もあった。
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また、騒音に苦しんできた地元の住民らも海兵隊のヘリコプターや航空機まで来れば、騒音被害が増すと猛反対。結局、統合案は断念された。
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↑引用ここまで

もう少し詳しく見てみます。日米両政府が「普天間代替施設」を「沖縄本島の東海岸沖」に建設するとしたSACO合意は1996年です。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/usa/hosho/saco.html

このSACO合意が出される前に、交渉過程を振り返った報道を見てみましょう。

当時は、「政府筋によると、ヘリポートの建設場所は嘉手納弾薬庫地区内で合意した。」という報道もされていました。(共同通信)

しかし、その後、紆余曲折がありました。同じ嘉手納でも嘉手納弾薬庫にヘリパッドを造る案と、嘉手納基地(飛行場)への統合案とが検討されたそうです。

http://www.okinawatimes.co.jp/spe/dai961202_2.html#no_1
↓ここから引用
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当初、日米双方が有力視したのが嘉手納弾薬庫内北西部の山林地帯だった。騒音軽減を主眼とした選定は、森林伐採による環境への影響や新たな基地建設への地元や県の反対にあい、6月までに断念に追い込まれる。
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直後に防衛庁は海上ヘリポートを検討したが、軍事施設としての実績がないことから正式提案を見送っている。
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続いて日本側は、嘉手納飛行場への統合を提案、県側の協力が得られるとの読みで米側に検討を迫った。「戦闘機とヘリの共用は危険」と、米側は強く抵抗。嘉手納基地を抱える3市町は共闘して阻止に動いた。
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対抗策として米側が主張したのが、キャンプ・シュワブ沖の埋め立て案だった。日本側は沖縄の理解が得られないと主張、双方が譲らずこう着状態に入る。
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↑引用ここまで

さらに、こんな記事もあります。
http://www.okinawatimes.co.jp/spe/dai961128_1.html
↓ここから引用
--------------
防衛庁側は当初、嘉手納統合案を押していた。米軍はジェット機とヘリコプターが同じ滑走路を使用することに「安全性や航空管制の問題がある」と強く抵抗した。
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防衛幹部は「われわれも航空のプロ集団を持つ。安全性や官制を熟慮した上で、統合案を示している」と、米側に不快感さえ表した。
--中略--------
基地問題で政府側がこれほど沖縄の実情を気遣い、踏み込んだ対応を示したのは珍しい。米国内では、ジェット機とヘリコプターが共用している軍事飛行場があり、日本側は「実用例から問題点を報告してほしい」と譲らなかった。
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その後、米側の報告書は出ていない。海上ヘリポート案が突然発表されたため、嘉手納統合に反対する米側の合理的な説明は“免除”された形となっている。
--------------
↑引用ここまで
アメリカのゲーツ国防長官は北澤防衛大臣との会談で「嘉手納統合案」について「運用上難しい」と答えました。
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20091022ddm005010049000c.html
しかし、上記の記事を見ると運用上の問題点を明確にしたアメリカ側からの報告書は出ていないようです。

そして、実は今年の4月には、アメリカ政府が嘉手納基地のF-15戦闘機を削減する案を打診していたとされています。
http://www.47news.jp/CN/200909/CN2009091101001075.html

これは「景気優先で国防予算にメスを入れる必要に迫られた米国のゲーツ国防長官はことし4月、装備の大幅見直し方針を発表」した一環とされています。(東奥日報 9月12日)

「運用上難しい」と言っているゲーツ長官自身が嘉手納基地の戦闘機の削減も考えているのです。

ということは、前に紹介した記事にあったように、実際にはアメリカの空軍と海兵隊との「縄張り争い」が理由で、嘉手納統合案を拒んでいる可能性が濃厚です。

つまり、空軍は海兵隊が嘉手納基地に来ることを嫌がっているわけですね。軍隊という組織はそれぞれ自分たちの部隊や基地を維持・拡大したがりますから、そういう気持も想像はできます。
ゲーツ国防長官は軍隊の長としての立場上、そうした軍隊のおもわくを背景に発言したとも考えられます。

それならば、オバマ大統領がゲーツ国防長官に対して「空軍には我慢をさせろ」と命令すればすむ話です。

岡田外務大臣の今回の発言は、それを意識してオバマ大統領が来日する前に示しておこうとしたのかもしれません。辺野古での基地建設を見直したいと思うあまり、つい「嘉手納基地に統合できるのならばいいや」と思ってしまったのでしょう。

もちろん私自身は「嘉手納統合案」がいい案だとは言いません。結果的に沖縄の中での「基地ころがし」になってしまうからです。

岡田外務大臣が「嘉手納統合案」を口にしたのは沖縄の人達に対する配慮が足りませんでした。
民主党の「沖縄ビジョン」に書かれている、
↓ここから引用
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嘉手納基地をはじめ、米軍機の騒音が基地周辺住民に健康被害と生活被害を与えていることについて、速やかに被害解消のための措置をとる。
--------------
↑引用ここまで
という考え方とも矛盾します。

岡田外務大臣の発言に対して反発する声がどんどんあがっています。

http://www.okinawatimes.co.jp/news/2009-10-24-M_1-001-1_002.html
↓ここから引用
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嘉手納町の宮城篤実町長は【中略】「どのような手段を使ってでも阻止する」と強調した。
--------------
↑引用ここまで

http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-151739-storytopic-3.html
↓ここから引用
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県内移設に反対する11・8県民大会共同代表の翁長雄志那覇市長は「正直、がっかりな発言だ。このような結論を出すのは県民がもてあそばれているようで残念だ」と不満を表明。「嘉手納統合案では、嘉手納基地周辺の住民に踏み絵を踏ませてしまう。沖縄の基地問題の認識が全くない」と強く反発した。
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伊波洋一宜野湾市長は「基地負担の観点からも辺野古への移設見直しは必要だ。県外が駄目ならアメリカ本土やグアムへの移設を強く望む。今後も普天間飛行場移設を要請し、民主党のぶれに対し、(県外移設の)約束を守るよう訴えていきたい」と話した。
--------------
嘉手納基地に関する三市町連絡協議会の野国昌春会長(北谷町長)は「米軍再編の中で嘉手納基地の負担軽減は言われてきたが騒音は年々激しくなってきている。これ以上の過重な基地負担は認められない。発言の意図を確認して対応していきたい」と話した。
--------------
↑引用ここまで

上記の記事で触れている「嘉手納基地周辺の住民に踏み絵を踏ませてしまう」という言葉が象徴的です。

サンゴ礁が広がる辺野古の海を埋め立てて基地を造るなどという現在の計画は、すべての案の中でも最悪と言ってもいい計画です。絶対に許してはいけません。しかし、だからといって「辺野古よりもマシ」という理由で同じ沖縄で現在でも爆音の被害に苦しんでいる嘉手納基地周辺の人達に対して「辺野古で基地を造らせないために我慢しろ」などというのは横暴です。

http://www.okinawatimes.co.jp/news/2009-10-24-M_1-029-1_001.html
↓ここから引用
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岡田外相発言を受け、新嘉手納爆音訴訟原告団は23日夜、政府への直接的な抗議をはじめ、独自の抗議集会の開催検討をはじめた。
--------------
又吉清喜副会長は「嘉手納基地の周辺は、世界でも類のない爆音地域。普天間飛行場が移設されれば、中部全域が人間の住む場所ではなくなる。国策として間違っている」と強い反対の意思を表明した。
--------------
↑引用ここまで

先日、私が取材していた日にも、嘉手納基地では朝の8時30分から9時の間に10機以上のF-15戦闘機が爆音を撒き散らしながら離陸していきました。おそらく周辺にある訓練空域に行っていたのでしょう。

日常的生活のなかであのような爆音の被害を受けている人達に対して、具体的な被害低減の案も無いままに普天間基地の機能も受け入れろというのは、あまりにも酷い話です

岡田外務大臣と同じ民主党内からも批判の声が出ています。

http://www.nikkansports.com/general/news/f-gn-tp3-20091023-558757.html
↓ここから引用
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民主党の川内博史衆院国土交通委員長は「党が策定した沖縄ビジョンでは『県外移設』と書いてある。米政府に正式に言わない段階で、そのような発言をするのはにわかには信じられない」と語った。
--------------
↑引用ここまで

民主党は、過去に「普天間移設」が検討された経緯を検証するとしています。しかし、その検証の仕方にも疑問が持たれています。

http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-151738-storytopic-53.html
↓ここから引用
--------------
普天間飛行場の移設先をめぐる交渉では、北海道や九州が候補地に上がったことが当時交渉に当たった日本政府関係者や、米政府高官の証言から既に明らかになっている。岡田氏の把握している検証結果に疑問が残る。
--中略--------
検証の対象が明らかになっていないばかりか、検証作業の責任者を「決めているわけではない」(武正公一外務副大臣)と、官僚に丸投げしているのが実態だ。
--------------
↑引用ここまで

北海道に関しては、守屋元事務次官が明らかにしたことが本日、報道されています。
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-151784-storytopic-53.html
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-151785-storytopic-53.html

九州に関しては、衆議院選挙中に産経新聞が「民主党が検討している」と報道し、岡田幹事長(当時)が否定しています。
http://sankei.jp.msn.com/politics/election/090723/elc0907232209011-n1.ht

今回、「県外移設は選択肢として考えられない状況だ」として「嘉手納統合案」に言及した岡田大臣は、その背景について以下のように説明しています。

http://www.nhk.or.jp/news/t10013326471000.html
↓ここから引用
--------------
岡田外務大臣は記者会見で、「普天間基地の危険な現状を考えると時間をかけるわけにはいかない。時間をかければかけるほど、危険な状況が持続する。そういう意味では、県外移設は選択肢としては考えられない状況だ。」
--------------
↑引用ここまで

普天間基地が危険なのは確かです。しかし、だからといって拙速に決めてよい問題ではないでしょう。そして、以前このブログでも紹介していましたが、普天間基地の危険性を取り払うことに関しては、以下の指摘があります。

↓ここから引用
--------------
私が総理大臣であれば、1週間以内というように期限を切って移駐させるでしょう。普天間の海兵隊ヘリ部隊は有事即応部隊ですから、すぐに移動できなければ指揮官は更迭です。
--------------
整備用の施設などは、あとから移設すればよいのです。
仮の移設地の選定に数カ月かかるかもしれませんが、それは時間の問題のはずです。
ところが、ヘリ部隊を仮に移設して当面の危惧を取り除くための方策を、誰も議論しなかったのですから驚きです。
--------------
↑引用ここまで
(小川和久著『日本の戦争力』P135)

岡田外務大臣が言うように「危険な現状を考えると時間をかけるわけにはいかない」のですから、すぐにでも普天間基地は閉鎖するべきです。

普天間基地に所属している部隊はイラクなど海外への「殴り込み部隊」であり日本を守っているのではないので「代替施設」など必要ないということは以下に書きました。
http://atsukoba.seesaa.net/article/126373072.html

もし仮に普天間基地で事故が起こっても、アメリカは「これまで移設を長引かせたのは日本政府の責任だ」として責任逃れをするでしょう。

鳩山首相はオバマ大統領と会談する際に、日本の総理大臣としての責任で、まずは普天間基地の閉鎖を通告するべきです。
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10月26日のぼやき

2009年10月26日 09時39分29秒 | Weblog
ノム・・・・しばらく休みたいね

サッチー・・何言ってんの、この齢になったら、忙しくしてなきゃダメ

ノム・・・・(記者団に) 就職先お願いしまーす、野村、本日より浪人でーす。
コメント (3)
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