OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

デビューから真髄の津々井まり

2012-02-21 14:42:20 | 歌謡曲

人魚の恋 c/w 悪なあなた / 津々井まり (RCA)

今やすっかり姿を消してしまったセクシー歌謡路線があればこそ、昭和歌謡曲は面白かったと思います。

もちろん現在でも、それなりに「エロカッコイイ」なんていう戯言をホザいている女性歌手も居るには居ますが、個人的には少しも自らの性癖を刺激してくれませんから、結局は往年のレコードに対する蒐集熱は高まるばかり!

そこで本日の1枚は、まさに同路線を強力に推進するべく、「セクシージャンボ'70」のキャッチフレーズもジャストミートな津々井まりのデビューシングルとして、昭和45(1970)年4月に発売された幻の人気盤ですが、もちろん「幻」と書かざるをえないは、リアルタイムではヒットしていないからです。

ところが掲載したジャケ写からも充分に納得されるであろう、実に濃厚なフェロモンとポップなフィーリングの見事な融合は、収録された両面2曲の仕上がりを決して裏切りません。

まずA面「人魚の恋」はタイトルどおり、成就してはならない、何か「道ならぬ恋」をメルヘンチックに綴った歌謡フォーク調の佳曲というよりも、それ以前のクラシック風パロックGSヒットの如きマイナーどっぶりの味わいがたまりません♪♪~♪

もちろん津々井まりのほどよい感情の移入も、作詞:山口かおり&作曲:矢野行雄の狙いを体現したものでしょうし、せつないストリングスやチェンバロの響き、胸キュンのコーラスを絶対的に使った馬飼野俊一のアレンジも素晴らしいですねぇ~♪

一方、B面収録の「悪なあなた」はミディアムテンポのソウルグルーヴも心地良い、これが当時のR&B歌謡保守本流の隠れ名曲にして名唱の決定版! 意図的にレイジーな津々井まりの歌い回しが、これまた強い印象を残しますし、終始イカシたフレーズを弾きまくっているギターは間奏もオカズも耳を奪われること必定の裏名演だと思います♪♪~♪

ちなみに「悪」と書いて「ワル」と読ませる、この「悪なあなた」は作詞:山上路夫&作曲:村井邦彦という、当時の歌謡ポップス制作現場では圧倒的な存在感を示していた黄金コンビなんですが、ここに馬飼野俊一が再びアレンジで参画している現実は、あまりにもリアルで素敵な結果を生み出してしまったが故に、夢のよう! そんな常套句が、これほど当てはまる事例も無いかと思います。

と言うことで、皮肉なことに発売から年月を経るほどに高い人気を集めるシングル盤になってしまいましたが、しかし、ひとりでも多くの歌謡曲ファンに再発見されるのであれば、結果オーライなんでしょうねぇ。

そしてここに聞かれる津々井まりの歌の実力は、軽いタッチの発声と芯の強いグルーヴ感が見事に一体化した個性があって、聴くほどにシビれが止まりません。

しかし、それでいて、リアルタイムでは全く売れっ子にならなかったのですから、如何に当時の歌謡界のレベルが高かったのか!?

そのあたりの親近感も含め、特に昭和40年代の歌謡曲を愛でるのがサイケおやじの立場というわけです。

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2 コメント

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待ってました!! (秀和)
2012-02-21 17:41:46
最近は洋楽が多目でしたから、いつ歌謡曲が来るか…待っておりましたよ。とうとうキターでした(笑)。 このシングルはB面も良いんですね。それもこの時代ならでは。名盤をお持ちのサイケおやじ様が羨ましいですな!
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良い出会いの裏表 (サイケおやじ)
2012-02-22 15:42:09
☆秀和様
コメント&応援、ありがとうございます♪

まあ、このあたりは奥の細道というか、辿るほどに味わい深い出会いもあり、またハズレや失望が表裏一体なんですよねぇ。

それも「聴く楽しみ」のひとつかと思えば、やめられないのです(笑)。
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