OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

松崎由治を忘れないでいよう

2014-09-17 14:55:16 | 歌謡曲

若者よ愛を忘れるな c/w 理由なき反抗 / ザ・テンプターズ (フィリップス)

掲載したのは昭和45(1970)年6月に発売されたテンプターズの最後のシングル盤なんですが、これがほとんど売れていなかった所為でしょうか、もちろんリアルタイムで買えなかったサイケおやじは後々まで入手するのに苦労を重ねた1枚です。

ところが幸運にも、先日仕事で訪れた某地方都市の中古屋で邂逅、即ゲット出来たのは、諦めなければ願いは叶う!?

なぁ~んていう独善的な思い込みにちがいありません。

それを心しておかなければバチアタリは必至でしょうし、周囲の冷たい視線や顰蹙から身を守る術もないというか……。

そして、そんなこんなの苦しい弁明を用意している自らの姑息さに楔を打ち込んでくるのが、この収録A面曲「若者よ愛を忘れるな」という、作詞作曲:松崎由治による畢生の歌謡バラード♪♪~♪

しかも川口真のアレンジを得てリードを歌うのも松崎由治なんですから、必然的にイカシたジャケ写も本人メインの熱き想いが滾っているわけですが、ところが当時も今も、中間部にアダプトされた

 うさぎ追~いし かの山ぁ~
 小鮒釣~りし かの川ぁ~

という、日本人なら誰もが知っているに違いないスタンダードな唱歌「故郷」の一節は、あまりにもロックから遊離し過ぎているわけで、そのあたりに歌謡曲をやっても独特の不良っぽさが持ち味であったテンプターズの新機軸が、と書けば納得も出来るんでしょうが、これを発売当時に聴いてしまったサイケおやじは、完全に???の気分でしたねぇ……。

だって、それを除いては、些かの説教臭さが滲む歌詞が気になろうとも、なかなかの仕上がりだと思うんですが、結局ヒットしたとは言い難いのは、そのあたりに要因があるのでしょう。

しかし松崎由治のソングライターとしての力量は決して侮れません。

同じく作詞作曲を担当したB面収録の「理由なき反抗」では、いよいよ萩原健一=ショーケンが歌うミディアムスローのニューロック歌謡とでも申しましょうか、川口真のゴージャスなオーケストラアレンジもイヤミ無く、バンド演奏パートのへヴィなフィーリングは、もっともっと聴いていたいと思わざるをえません。

ご存じのとおり、このシングル盤を出した頃のテンプターズはGSブームが去った事もあり、人気はガタ落ちでしたし、ショーケンが実質的なソロレコーディングだった「ザ・テンプターズ・イン・メンフィス」というLPを出した所為もあり、解散は時間の問題という雰囲気でしたねぇ……。

そして解散以降のショーケンと大口広司はGSオールスタアズとも言うべきPYGの結成に参加して注目を集め続けたのとは逆に、リーダーとして、またギタリストとして、さらにはソングライターとしての才能に恵まれていた松崎由治が2年を経ずして芸能界から身を引いてしまったのは、本当に残念という気持ちです。

あぁ、もしも松崎由治のソロアルバムが作られていたならば、ぜひとも聴いてみたい!

そんなふうにサイケおやじは願い続けて幾年月、こうしてそれに近い企画の「若者よ愛を忘れるな」が残され、リアルタイムではそれほど意識していなかった松崎由治の世界に触れることが出来るのは僥倖と思うばかり♪♪~♪

再評価を強く望んでいるのでした。

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1 コメント

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Unknown (Unknown)
2020-06-03 13:24:52
松崎の作曲、ボーカリストとしての才能はGS界でとびぬけていた。1968年、フジの日曜夕方のライブの音楽番組(リブ・ヤング!の前身?)に出たときのこと。萩原のブルースハープを従え、Boon boon boonをスローに、とても非黒人とはおもえないほどソウルフルに歌った。すぐ画面が切り替わり、来日していた共演のホリーズのバスストップに移った。彼らの顔はなんとなく引きつってるように感じた。直前にこんなすごいボーカルを聴かされてあきらかに動揺してるようだった。50年以上経た今でも頭に映像が浮かぶほど強烈な印象だった。彼のような存在がほとんど忘れられているのは、日本の音楽界の損失である。

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