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サイケおやじの生活と音楽

じゅん&ネネの高度成長

2013-05-10 15:28:03 | 歌謡曲

恋の色恋の味 / じゅん&ネネ (キングレコード)

昭和40年代の所謂昭和元禄期は、高度成長と共に様々なタブーがぶっ飛ばされた時代でしたから、テレビ等々の公共メディアも勢いがありました。

つまりウケるならば、何をやっても許される!?

あるいは顰蹙を買われてこそ、それが最高!?

という、今となってはほとんど行き過ぎた表現が堂々と表面に登場し、受ける側も顔を顰めながら、それらを楽しんでいたのですから、世の中全体が高揚感に包まれていたのもムペなるかなでしょう。

例えば本日の主役、じゅん&ネネは昭和43(1968)年にデビューした歌謡曲の女性デュオなんですが、露骨とも言えるレズビアンムードを前面に出した存在感は、アッという間に話題沸騰!

その最初のシングル曲「愛するってこわい」から大ヒットを連発し、忽ち人気を集めたのですが、もちろんじゅん=千秋じゅんとネネ=早苗ネネには確かな歌の実力があった事は言うまでもありません。

後に知ったことではありますが、彼女達は渡辺プロダクションのスタア養成プロジェクトであったスクールメイツ初代メンバー中の逸材であり、既に昭和40(1965)年頃からクッキーズとして芸能界の表舞台に出ていたのですが……。

結果的にブレイクすることはなく、じゅん&ネネが再デビューというわけです。

しかも既に述べたとおり、ショートカットがじゅん、ロングヘアーがネネという二人の佇まいが「タチ」と「ネコ」であり、楽曲の歌詞がモロにそのあたりに基づいた世界を歌っている事は、小中学生でも感じられたのですから、たまりません。

当然ながらファッションセンスも素晴らしく、それが絶妙のオブラートになっていた事も、今は特筆すべきか思います。

さて、そこで掲載したシングル盤は昭和45(1970)年の発売ですから、じゅん&ネネの人気が些か下降していた時期の1枚だったんですが、実は最も「じゅんネネ」らしいと好評なのがA面に収録された「恋の色恋の味」なんですねぇ~♪

なにしろ――

 恋って、なぁ~にぃ~♪

と、せつなくネネが問いかければ――

 朝の光ぃ~~♪

と、じゅんがクールに受けながす――

全篇がそういう展開で流れる中、ネネのねちっこいコブシに誘われるように、微妙な吐息まじりのアルトボイスを聞かせるじゅんの上手さが、実にアブナイ(?)ムードに満ちているんですねぇ~~♪

う~ん、そうした増永直子の作詞に正統派の歌謡メロディを附した筒美京平が、特にイントロに顕著なヨーロピアンポップス調のアレンジを施したところはニクイばかり!

聴く度に流石っ! そう感服する他はありません。

もちろん、そうした「じゅんネネ」フレィヴァーはデビュー時から、なんら変わるものではなかったんですが、これが世に出た昭和45(1970)年は前述した昭和元禄が爛熟していましたからねぇ~~~。

今となっては、こういう歌が堂々とテレビで演じられていたいう、その現実にも隔世の感があるわけです。

つまり今日のテレビが如何にもつまらないのは、様々な規制や制限を設けて、自らの首を絞めている制作局側の失態であり、視聴者よりもスポンサーを大切する姿勢がそこに有る事は容易に知れるのですが……。

反面、ニューハーフが堂々とバラエティ番組で活躍している現状を見れば、なにか面映ゆい感じがしないでもありません。

ただし、昭和40~50年代のテレビからは時として、お茶の間が気まずい雰囲気に包まれるような毒気(?)が流されていたわけですから、もう、何も言いますまい。

ということで、大人の世界を青少年に伝える事も芸能の大切な役割じゃ~ないでしょうか?

じゅん&ネネには、それが確かにありましたから、NHKにも平然として出演出来たわけです。

あっ、そう言えばかなり以前でしたが、デュオ解散から相当な年月の後、ネネがテクノポップみたいな感じでカムバックしてきたのには吃驚でした。また、近年はリバイバルショウみたいな企画ライプにも、じゅん&ネネとして登場しているそうですよ♪♪~♪

彼女達の復活と昭和元禄の再来は、何か軌を一にするものを感じています。

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