OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

ルーベッツはプロのお仕事

2012-03-15 15:53:30 | Pops

Sugar Baby Love / The Rubettes (Polydor)

洋の東西、とにかく流行歌は売れたもん勝ち!

特に未だラジオがそうしたメディアの中心だった頃の我国洋楽事情においては、殊更な言葉の壁がありましたから、キャッチーなメロディラインやリズムパターン、印象的なリフやコーラス等々、直截的にリスナーの耳へ訴えかけてくるものが必須とされました。

で、本日ご紹介の「Sugar Baby Love」は、まさにその点を見事にクリアした永遠の名曲であり、1974年春先頃からラジオや有線で流れ始めるや、忽ち大ヒットした記録した傑作です。

演じているルーベッツはイギリスのバンドで、これがデビュー作ながら、ジャケ写からも一目瞭然という、アイドルにしては些か年齢が高く、しかしロックバンドのイメージも希薄という、今となっては中途半端な印象を持たれてしまう存在かもしれませんが、当時はこうした所謂ミドル・オブ・ザ・ロード=MORのグループが数多登場し、様々に素敵な歌な演奏を聞かせてくれた歴史は否定しようもありません。

以前にご紹介したエジソン・ライトハウスクリスティーホワイト・プレインズ等々の楽曲優先グループにしても、そうした属性が顕著ですし、逆に言えば英国や欧州各地をメインにする市場の需要が高かったということでしょう。

そして当然の如く、我国の洋楽はビートルズ以降のイギリス贔屓でしたから、推して知るべしとは言え、楽曲の良さは大きな魅力♪♪~♪

なにしろ初っ端から脳天直撃のハイトーンコーラスが覚え易いメロディを歌ってくれますし、シンプルでノリの良いリズムとボーカルの相性は、もう、これ以上は無いと思えるほどです。

ちなみにメンバーはアラン・ウィリアムズ(vo,g,key,per)、ミック・クラーク(g,b,vo,per)、ジョン・リチャードソン(ds,per,vo)、トニー・ソープ(g,key,vo)、ビル・ハード(key,vo)、ピーター・アーニセン(key,vo) が初期の顔ぶれと言われていますが、後に知ったところでは、彼等は本業がスタジオミュージシャンであり、ルーベッツとしてのレコードデビュー以降も、各々がマルチプレイヤーとして様々な歌手やグループのバックバンドを掛け持ちでやっていたそうですから、この「Sugar Baby Love」の世界的メガヒットは瓢箪からコマだったんでしょうか?

そんな所為もあって、実際のライプ巡業では常にバンド構成が変化していたという説もありますが、一貫しているのはアラン・ウィリアムズのリードボーカル! まさに彼こそが、ルーベッツだったのかもしれません。

しかも彼等の偉いところは、相当なキャリアと腕前がありながら、見事なほど芸能界どっぷりを演じていたことで、それは悪趣味寸前の衣装のダサい雰囲気にも表れていますが、テレビ出演ではしょ~もないコントをやっていたり、ステージでのミエミエに媚びたアクションやキザな語り等々、全くの臆面の無さは逆にプロ意識と敬服すべきものでしょう。

ちなみに知り合いのイギリス人から仕入れたネタではありますが、当時を過ごした少年少女たちは長じてからも、白い帽子を被ると「ルーベッツ!」とおどけるのが定番だとか!?

それほど刷り込まれたグループなんですよねぇ~、ルーベッツは♪♪~♪

ですから、続けて1970年代後半には幾つかのヒット曲を放ち、現在でもメンバーは入れ変わっていますが、きっちりバンドは存続して、今日も元気に営業をやっているそうです。

ということで、こうやって書いてしまうと、何かバブルガム系のコミックバンドみたいですが、音楽的な部分では、例えば「Sugar Baby Love」にしても、全体としてビーチボーイズを徹底的に研究した痕跡が散見されますし、ルーベッツの本質的なポップセンスはアレンジや演奏諸々に隠し様も無く、それも不滅でしょう。

そして最後になりましたが、この曲を書いたのはウェイン・ビッカートン&トニー・ワディングトンとクレジットされていますが、それには様々な諸説があって、既に述べたように1970年前後のビーチボーイズ風味が強いこともありますから、案外と有名なミュージャンかプロデューサーの仕業かもしれませんねぇ。

あっ、そういえば我国の女の子アイドル2人組として一時は爆発的人気があったウインクも、日本語バージョン、歌っていましたですね♪♪~♪

やっぱり名曲、不滅の法則だと思います。

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