OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

ふわふわとブレイクした石川セリ

2013-04-06 16:02:22 | 歌謡曲

フワフワ・WOW・WOW c/w SEXY / 石川セリ (フィリップス)

もう、このあたりで打ち止めにしないと問題化しそうな女性シンガー「どアップ」ジャケ写シリーズではありますが、春の嵐の前触れか、幾分モヤモヤした気候を感じては、これを出さずにはいられません。

どうです、このアクの強い猫顔の石川セリ♪♪~♪

その好き嫌いは十人十色ながら、しかし収録楽曲は両面共に彼女の代表的人気作であり、発売された昭和50(1975)年の雰囲気を今に伝えるイメージは全く薄れていないと思います。

特にA面曲「フワフワ・WOW・WOW」は意味も無くフィール・ソー・グッドなニューミュージックを体現した名曲名唱であり、タイトルどおり浮き上がったような微熱系グルーヴが最高ですよねぇ~♪

もちろんそれは作詞:みなみらんぼう、作編曲:樋口康雄の狙ったものと石川セリの個性がジャストミートした結果であって、このバージョンを超えるカパーをサイケおやじは聴いたことがありません。

ちなみにこの「フワフワ・WOW・WOW」は同時期に発売されたアルバム「ときどき私は…」にも入っていますが、そちらは萩田光雄の編曲による別テイクですから、要注意!

もちろんどっちが好きか? という論争(?)もリアルタイムであったほど、共に秀逸な仕上がりなんですが、個人的には先にラジオや有線で耳に馴染んでいたシングルバージョンに思い入れがあります。

一方、B面収録の「SEXY」が、これまた名曲名唱の決定版で、アコーディオンを用いた、ちょいとせつない音色イントロから、タイトルどおりに「せくしぃ」な節回しを聞かせてくれる石川セリの魅力が全開♪♪~♪

しかし、それは決して過剰ではなく、内面的に抑制されたフェロモンが滲んでくる雰囲気は、既にして熟女の素敵なお姉さま♪♪~♪ こういう慎みがなくては、本当の美女とは言えないと思うのがサイケおやじの立場ですから、ゆったりしたワルツテンポのアコースティックな演奏パートにも好感が持てます。

ただしご存じのとおり、この「SEXY」は作者の下田逸郎が自演バージョンを出していて、それがまた妙に味わい深いんですから、う~ん。

ということで、この石川セリのシングル盤に思わず反応された皆様であれば、きっとサイケおやじと同世代にちがいありません。

それほど当時の石川セリは人気が急上昇していた頃であり、ニューミュージックという業界用語が一般に浸透していく一助が、彼女の存在であったように思います。

つまり五輪真弓ユーミンの様な才気よりは、もう少し普通のタレント性があり、森山良子本田路津子とはボーカリストとしての基準が異なり、さらには不思議なファッション性感度の高さが抜群だったとでも申しましょうか、本当に新しいフィーリングの歌謡曲シンガーだったんですよねぇ~♪

まあ、現代において、それが全て通用するとは流石に思いませんが、如何にも1970年代中頃のムードを記録したこのシングル盤は、それだけでサイケおやじの必需品になっています。

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2 コメント

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セリさんだ!! (白樺)
2013-04-07 00:50:41
こんばんは。

解りやすくて、力強くて、
このまま丸ごと復刻版CDのライナーノーツにしたい位の文章力ですね!!
唸りながら拝読いたしました(笑)

セリさんの歌を初めて聴いたのは
NHKの少年ドラマシリーズの主題歌に使われていた「遠い海の記憶」でした。
同じ頃、テレビで「八月の濡れた砂」を見ました。
2曲とも、インパクトが強烈でした。
で、これまたイメージの極端に違うフワフワWOWWOWを聴いて、当時中学生だった僕は右に左に振り回されてる気分でした(笑)
もう少し大人だったら、真正面から受け止めて、彼女の歌を楽しめたのかもしれません。

友達が、彼女のファンでsた。
山本コータローさんのパックインミュージックに
彼女と井上陽水さんがゲスト出演した時の放送を聴いてたそうで、それが二人の出会いだった・・・そんな話をしてたのを思い出しました。
長い余談ですいませんでした。
年寄の記憶 (サイケおやじ)
2013-04-07 15:18:59
☆白樺様
コメントありがとうございます。

1970年代は「不思議な存在感」が女優でも歌手でも、ひとつのキーワードになっていたように思います。
既定の路線から少しは踏み外すぐらいの事がなければ、注目されず、しかし王道はきっちり踏まえる事も、また求められていたんですよねぇ~。
石川セリは、そのあたりのバランスがナチュラルだった所為もあり、主にラジオの深夜放送や有線から人気が出たんですから、それゆえに昭和の人間国宝(?)かもしれませんよ(笑)。

彼女の歌を聴く度に、そんな良い時代を思い出しています。

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